【超低出生体重児】息子が産まれる時の話12(完) (25週6日)
【25週6日】
AM 6:08
妻からのメールで起床。
やっぱり、検査とはいえ、お腹に針を刺すことへの恐怖感や検査結果への不安があって、あまり眠れなかったとのこと。
AM 8:05
妻からのメール
血液検査とエコー診察を行った。
羊水量は昨日より減少。
血液検査の結果(免疫力など)は、許容範囲内。
僕はいつも通り、会社に出社。
AM 9:19
妻からのメール
羊水検査についての説明を昨日に続き、再度受けたとの報告。
いよいよ検査が来る。
PM 0:12
妻からのメール
羊水検査が終わったとのこと。
昨日の担当医の話によると、検査結果は2時間ほどでわかるそう。
上司に伝え、病院に向かう。
PM 1:00
妻からのメール
検査結果を伝えられ、羊水に感染が確認されたため、すぐに帝王切開での分娩を行うとのこと。
思ったよりも早い連絡に焦る。
一緒に聞いてあげたかった。
PM 1:15
病院に到着
PM 1:30
妻が分娩室へ移動
帝王切開なので、立ち合いはできないため、連絡用のPHSを渡される。
最後の写真撮影をして、妻を送り出した。
1時間程度で出産は終わり、その後の処置にもう1時間ほどかかるとのこと。
じっとしているとそわそわするので、院内をうろうろすることに。
PM 2:23
PHS、鳴る。
息子が無事に産まれたとの連絡。
妻も元気とのこと。
ほっと一息。
息子は今、蘇生室というところで産後の処置を受けており、面会OK。
看護士さんに案内されて、部屋に通された。
産まれたばかりの息子とご対面。
たくさんのチューブや心電図用のケーブルがついており、痛々しい。
でも、よく頑張ったね。
思っていたよりも大きく、ちゃんと人の形をしていたことに安心。
処置をしてくれた新生児科の先生と話していると、息子がうっすら片目を開けて僕のほうを見てくれた。
お腹の中にいる時から聞いていた声の主が、隣にいることが分かったんだろうか。
息子とじっと見つめあう。
父親になった実感が湧いてきてうれしくなった。
PM 3:30
妻が病室に戻ってくる。
麻酔が効いていて下半身に全く感覚がないそう。
よく頑張ったね。
つらい思いをしながら、点滴や注射の痛みに耐え、眠れない夜を超え、無事に息子を産んでくれた妻に、改めて感謝。
少しすると担当医が入ってきて、今回の分娩に関する説明をしてくれた。
体重 924グラム
身長 33センチ
昨日の段階では700グラム程度と聞いていたので、驚いた。
先生も少し恥ずかしそうに、「産まれる時に大きくなったのかしら?」と言っていた。
無事に産まれてくれたからなんでもいいや。
破水してから、2週間耐え忍び、体重は300グラムも増えた。
この2週間と300グラムがなければ、家族三人、今とは全く違った人生になっていたはず。
とてもつらい2週間だったけど、家族の絆は深まったし、息子への愛情は強くなった。
どんな状態で産まれても、愛してあげられる決心もついた。
災い転じて福となす。
僕にとっては、今後の人生感を決める、最高に有意義な2週間だった。
つらいとき、親切に、優しく支えてくださった、病院の皆様、会社の先輩後輩、家族、大学の同期には、感謝の気持ちでいっぱいです。
これから家族三人で、少しずつ恩返ししていこうと思います。
息子が産まれた時の話、完。
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