「ダークパターン」考
日本リサーチセンター広報室長の小宮山 学(こみやま まなび)です。
ダークパターンとは、「ユーザーを騙して何かを購入させたり、登録させたりするなど、意図しないことを実行させる、Webサイトやアプリで使われているトリックのこと」です。(参考文献:ハリー・ブリグナル「darkpatterns.org」)
具体的には、何らかの仕掛けを施し、1)より多くお金を支払わせ、2)より多くの個人情報を提供させ、3)より多くの時間を浪費させる。要は、登録は簡単で解除が面倒であるとか、告知が目立たなくなっていて精算の時に登録料が加算されるとか、そういう現象を指していると思います。
一方で、より多くお金を使っていただくのは商売では当たり前。より多くの個人情報を知っておくのも接客の基本でしょう。時間を楽しく消費してもらうのもサービス提供では当然です。つまり、通常のビジネス戦略も頭の使い方は同じで、トリックを施し確信犯的にダークパターンを使っていなくても、ビジネス行為のどこかで、このぐらいなら許されるかなという工夫はしていると感じます。
自分が作成したホームページには少しでも長く留まってもらいたいが故の工夫。そもそもこのnoteの記事でもどうすれば楽しく最後まで読んでもらえるかなということを念頭に構成を考えます。
騙そうという意思はありませんが、テクニックはトリックを施していないだけでダークパターンと変わりません。ところが、Webサイト上で施策が行われていくと、よりダークパターンに近づきます。例えば知らない間にメルマガ登録されていたというようなことは、かなり怪しい仕掛けではないでしょうか。対面の接客なら、「今後、いい商品入荷したら教えるよ。」ぐらいの会話があって連絡先は提供されるわけですが、そのやり取りが欠落されているともいえます。
調査会社のスタッフなので、誘導気味に使われるデータには敏感です。調査データは事実です。しかし誰にどのようにデータをとったのかで結果はかなり違います。残念ながらそこまでを気にする人はあまり多くありません。何かの調査を引用して示すというこの行為はかなりダークパターン気味です。なぜなら自分に不利なことであればデータを開示しないからです。データの引用も「出典:日本リサーチセンター」というような調査会社が明記されている程度で済まされています。
こうしてみるとダークパターンは定義でWebやアプリに限定しているようですが、実は日常にかなりダークパターン的なことが潜んでいます。トリック行為が明確なWebやアプリよりも何気ない日常でこそ、誘導されないようにしていきましょう。
■直近のイベント案内
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1)11月10日(木)12:05~12:55 開催予定「メディアランチョンサロン」
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2)11月16日(水)12:05~12:55 開催予定「マーケティングトークチャンネル」
テーマ:ブランドを感じる Part3
★12月2日(金)「青山ブックセンター」との共同ウェビナーでMCを担当します。
テーマ:仕事の生産性を飛躍的に向上させるモノと思考の整理術
出演:大村 信夫 氏(片付けパパ/パラレルキャリア研究家)
▼大村 信夫 氏 note
https://note.com/omuranobuo/
▼大村 信夫 氏 公式HP
https://omuranobuo.net/
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https://www.amazon.co.jp/dp/B08DDB7VLR
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