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独断と偏見によるあっきゃん構文の 文学的アプローチ

 これは、「あっきゃん構文」に関して、文学的アプローチを通して、個人的な感想を述べたものである。私自身が文学の専門家でもないし、あっきゃんさん(以下敬称略)本人が古典に詳しくないこともあり、公表はためらっていた。著書出版の機会に、あえて感想文を出してみることとした。

枕草子はつぶやきの文学

 Twitterのツイートで多いのが、「私は〇〇が好き」「○○はおいしい」というように、一方的に感想を述べるものである。まさに、枕草子に見られるスタイルである。
 枕草子はつぶやきの文学であり、Twitterもそういう使い方をするものだと思っていた。
 だが、こういうツイートを見ても、読者は「あっ、そう。」としか思わないし、スルーされがちであり、印象に残ることは少ない。

枕草子から徒然草へ

 あっきゃんのツイートも、初期のころは枕草子スタイルに近い形だった。それが突如変化する。
 小さな物語が展開されて、最後に著者が顔を出しコメントする。
まさに、徒然草のスタイルである。新聞のコラムにも近いといえる。当然、これだけの内容を140字に盛り込むには、無駄な表現は削らなければならない。
 ツイートが枕草子スタイルから徒然草スタイルへ転換する。そのために必要なメソッドとして、開発されたのが「あっきゃん構文」といえよう。
 私もTwitterでストーリーを語るという発想がそもそもなかった。それだけにこのスタイルが新鮮に感じたのかもしれない。

大きなストーリー

 枕草子や徒然草は、全体として、一貫した物語のあらすじがあるわけではない。その点は、今昔物語、宇治拾遺物語もしかりである。
 あっきゃんのツイートは、小さなストーリー+著者のコメントという徒然草スタイルに近いが、アカウント全体自体が、大きなストーリーになっている。テレビの連続ドラマのような構成である。この構成に近いのは、伊勢物語ではないかと思う。

平家物語との比較-リズミカルな文章

 平家物語は、琵琶法師により口述で伝えられたという経緯があるためか、文体は五七調を多く用いて、リズミカルなものになっている。あっきゃん構文も、リズムを重視しているためか、文体から音が聞こえてくる。言葉は、文字と音声のセットである。そんな当たり前のことを再認識させてくれるのである。

平家物語との比較-メインテーマ

 伊勢物語は、物語のあらすじはあっても、テーマが明確ではない。テーマが一番明確なのは平家物語で、「諸行無常」の現実を受けとめたうえで、われわれがどう生きるべきかというのがテーマであると思う。テーマがあることによって、物語のスケールを感じることができる。
 あっきゃんのアカウントにも、メッセージをいかにして文章で伝えるかというテーマがあり、そのためにスケールを体感することができる。

まとめ

 あっきゃんのアカウントを俯瞰すると、ツイートは徒然草、全体の構成は伊勢物語、リズムとスケールは平家物語というのが、私の印象である。
 もし、ここまで読んでくださった人がいれば、素人の戯言と一笑に付していただいて結構である。

#あっきゃん構文