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多世代で交流できる拠点でひとり親家庭の子育てを応援 団欒長屋 渕上桃子さん vol.2

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NPO法人福祉のまちづくり実践機構ではホームレスや障がい者、ひとり親家庭など職につくことが難しい人たちを就労につなげるしくみづくりとして、「行政の福祉化」の発展につながる調査研究に取り組んでいます。
このnoteでは、「行政の福祉化」に関わるさまざまな情報をお届けしていきます。

豊中市蛍池にある団欒(だんらん)長屋は一軒家をリノベーションしたアットホームな保育所。子どもを真ん中にした多世代交流の拠点をめざして作られました。
現在は乳幼児保育、学童保育を軸に、公益事業としてこども食堂夕食付き無料学習支援事業なども行っています。
シングルマザーで子育てをしてきた経験から、こんな場所があったらいいなという思いを事業化してきた代表の渕上桃子さんにお話をお伺いしました。

前回は団欒長屋を始めるまでのことについて代表の渕上桃子さんにお伺いしてきました。
今回はいかに地域に溶け込んできたかや地元の方との交流についてと、コロナ禍での活動についてお伺いします。

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団欒(だんらん)長屋


豊中市の蛍池で2013年に開設。0歳児〜就学前の子どもを預かる認可外保育所、小学生の児童を預かる学童保育などの保育事業を行っています。
毎月第3土曜日にはこども食堂、毎月第1土曜日の夕方には軽食付きの学習支援も行っています。
親子だけでなく、地域の学生やリタイア層などがゆるく関わり合いながら子どもを真ん中にした多世代交流の拠点をめざしています。
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地域で認められるようになったきっかけ


ーーもともとここは渕上さんの地元ではなかったそうですが、地域の人の信用を得るきっかけはありましたか。

 豊中市市民交益活動推進助成金という助成金を取ったときに広報誌に載せていただいたのをきっかけに、地域の方々に知ってもらえるようになりました。よそ者だったので、活動を遠巻きに見られていたのが、助成金を取ることで地域の一員として認められたのかなと思いました。このような市民活動を推進する助成金では、PRも兼ねて市の広報誌に載せてもらえたりするので、ありがたかったですね。
 
ーー食材等の寄付はあっても助成金は必要でしょうか。

 例えば、社会福祉協議会から食材の寄付があっても、それを取りに行くための交通費が必要です。そのような費用を調達できたらといろいろな助成金にチャレンジしています。


ボランティアも成長できる場


ーー地域の方とはどのように関わっているのでしょうか。

 一度豊中市のひきこもりの若者に、仕事について話をさせていただいたことがあります。話を聞いてくれた男の子がすごく興味を持ってくれて、ボランティアとして関わってくれるようになりました。
 こども食堂と学習支援のボランティアに来てくれるのですが、まだうまく状況を見て動けない部分があります。そんなときは主婦の方や社会人ボランティアさんにちゃんと叱ってくださいとお願いしています。そうやって経験を積むことで、周りの人と信頼関係をつくって、彼の居場所にしてもらえたらなと思ってます。

ーーボランティアの成長の場にもなっているんですね。

 そうですね。ほかには、ボランティアさんの娘さんがちょっとメンタルの調子を崩されてお仕事できないときに、お支払いして毎日消毒に来てもらったこともありました。仕事ではないけど、決まった日時に出かける習慣づくりのお手伝いをさせてもらったことがあります。
 
ーー地域の人にとっても大切な居場所になっているんですね。いろんな世代の人が関わっているのがいいですね。

 「いろんなことを言う大人がおんねや」と思うだけでも子どもにとっては良い経験だと思います。お年寄りは「畳の敷居を踏んだらあかん」とか、親と違う観点で何か言ってくれるんです。子どももいつも言われてないことを言われると新鮮で、印象に残るみたいです。だから、会食形式でこども食堂をしてたときは、なるべく親と子どもは離れて食べてもらっていました。

シングルの方が安心できる場を目指す


ーーコロナでひとり親家庭にはかなり影響があったといいますが、実際のところどうでしたか。

 非正規の方は休んだ分収入が減ってしまうのに「休んでくれ」と言われて休まざるをえませんでした。保証もなく家にいて、収入はないのに食費はかさんで困ったという話も聞きました。雇用調整助成金が出る場合もありましたが、それは会社の都合で休んだときのものなので、子どもの休校や保育所の休園、濃厚接触者になったせいで休まざるをえない場合は、自己都合になってしまって、もらえなかったそうです。
 
ーー保育所の方も結構影響があったんですか。

 コロナになって周りの認可保育所が続々と休園したときは需要が増えて忙しくなりました。でもそうなると精神的にギリギリで、こちらは絶対に感染者を出したらいけないとひりついた感じになるし、保護者さんもピリピリしていてお互いにいっぱいいっぱいでした。
 
ーーここまでお話を伺っていると、シングルに対する制度的な支援が少ないと感じたのですが。

 制度的なもので言えば児童扶養手当や保育料の保障はありますし、私はどちらかというとその恩恵を受けてきた方だと思います。けど制度があっても、お金が出るまで時間がかかったり、ご自身で窓口に申請しないといけなかったりするものが多いので、使いにくい部分はあると思います。

 また、特にプレシングルのような制度の間(はざま)の場合が難しいですよね。私もこれから調停というときに、離婚前相談に行っても「引き返せるもんやったら、もうちょっと辛抱して結婚生活続けなさい」というようなアドバイスで、すでに悩み抜いた末に行動し始めてるのに、「なんでそんなこと言うかな」とすごくショックでした。そんなときには民間の出番じゃないかと思います。当時から、同じ目線で生活を立て直すまで伴走してくれる人がいたり、同じ立場で励まし合える人たちがいたりしたらいいなと思っていました。

 今後は夜間保育をしていきたいと思っています。両親が遠く離れていて頼れないような、ギリギリのところでつな渡りしてるような方は、何かあったときの保険として頼る場所があれば安心して過ごせるのではないでしょうか。
 

こどもが記者となって作った「だんらんしんぶん」

 子どもたちにとって大切な居場所となっている団欒長屋さん。この場はひとり親家庭の「あったらいいな」というサービスを汲み取り、地域の人を巻き込みながら具現化してきた渕上さんの実行力があったからこそできたものでした。 

福祉のまちづくり実践機構では、このような可視化されにくいところにアプローチしている企業をソーシャルファームと捉えて紹介しています。合わせて1回目の記事もごらんください。 

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