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特別集中連載『あんたもわしも、おんなじいのち』序文・北九州より愛を込めて by 山塚リキマル

クラウドファンディング企画として、作家・ライターの山塚リキマルさんに抱樸の取材をお願いし、体験記を連載していただくこととなりました。間に合う限り、クラファン期間中に記事がでます!あと7日のクラウドファンディング。(全て間に合うのか!?)それでは序文をお読みください。

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特別集中連載『あんたもわしも、おんなじいのち』


序文・北九州より愛を込めて

お初にお目にかかります。作家/ライターの山塚リキマルと申します。
普段はカヌレのレシピや、ロック音楽のディスク・レヴューなどを書いて禄を食んでいるケチな野郎でございますが、このたび『希望のまちプロジェクト』クラウドファンディングの応援企画の一環といたしまして、連載をさせていただく運びとなりました。

去る12月7日から11日までの五日間、北九州に滞在し、
そこで見たもの聞いたこと、抱樸関係者のかたがたのお話などを綴る、全8回の連載でございます。

冒頭でイキナリこんなことを書くのもどうかと思いますが、正直、迷いがあります。
というのも、35年という長きにわたり、多くの人びとと出会い、関係を築いてきたNPO法人に対し、僕のような門外漢がたかだか数日取材したぐらいでエラそーに文章を綴るなど、おこがましいんじゃないかと思っているのです。

僕は政治も社会も経済も音痴だし、これまで福祉に関わることやボランティア活動に参加したこともほとんどありません。特定の主義や思想もないですし、何かの団体に属したこともありません。そんな無知蒙昧のズブの素人が、こうした記事を書くことが果たして正しいのか、と。

ひょっとすると誰かを傷つけてしまうかもしれないし、怒らせてしまうかもしれない文章を、僕はこれから書こうとしています。迷いながら、恐れながら、それでも書いてゆきます。ふつうに考えて『希望のまち』はマジで絶対につくったほうがいいと思うからです。僕個人の振る舞いが正しいかどーかはわかりませんが、少なくともそのことだけは、きわめて明白だと思っているからです。

五日間の滞在のなかで、いろんな人に会いました。福祉に携わる人びとのことを、僕はこれまでじぶんとは違う世界に生きる人だと思っていました。福祉とは、つねにまじめでシリアスで、無欲で勤勉で献身的な、徳の高い人だけが成せることであって、じぶんなんかにはとても出来ないことなんだ、と。でも、どうやらそういうことではないようでした。僕が出会った人たちは、みんなよく笑うし冗談も言うし、好き嫌いもあるし考え方だってばらばらで、要するに“ふつうのひと”でした。ただ一点違うのは、“ふつうに考えたらあるべきもの”をつくり、“ふつうに考えたらなされるべきこと”をしようとする、生活に対する集中力のあり方でした。

僕はクリスチャンではありませんが、教会で聞いた言葉の中に、とても好きなものがありました。

“神様は、どうでもいい命をお創りになるほどお暇ではありません”。

不敬を承知で申し上げるならば、僕はこの言葉を聞いて“わかる”と思いました。
僕はどうでもいい命じゃない。あなたもどうでもいい命じゃない。全員どうでもいい命なんかじゃない。その言葉を心の中で何度も繰り返しながら、当連載を書き進めます。
次回、第一回は、12月8日、抱樸のボランティア活動に参加した際のレポートです。

文:山塚リキマル
@rikimaru1990

デザイン/文字
ヒロシ @hiroshi_the_guays

#抱樸
#あんたもわしもおんなじいのち

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