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「しっかり者」の私

私は、「しっかり者」
私は、「正しい人」だと言ってくれる。

大学生になった年、今から10年くらい前のこと。
図書館でフライヤーを手にした。
今思えば、何かを探していたのかもしれない。

入学してしばらくして、私はサークルに入った。
仲の良いサークルだった。
ある日、
先輩から「NPOのミーティングがあるけど、来ない?」
私は、「NPOって何?」
よくわからないまま、後ろをついていった。

そこにはいつもと違う「外の世界」があった。
大学生活ではない何か。そこには大人がいた。
「こんな世界があるんだ」
私は、今、社会とつながってる。
私は学生だけど、社会とつながれる。
ワクワクした。
そんな気持ちの頃、「だっぴ」のフライヤーを手に取った。

よく考えてみれば、「だっぴ」に参加したのは、この1回だけだ。
だからこそ、よく覚えている。
大人が50人、学生が50人、語り合う。
「外の世界」への好奇心。
自分が変わることへの密かな期待を感じていた。

「この人の考え方、素敵だなぁ」
「こんな社会人になれたらいいなぁ」
私は、吸収しようと必死だった。
想像していた以上の情報量に、キャパオーバーだった。
私は、熱を帯びた体で懇親会をドタキャンし、
そそくさと帰宅したことを覚えている。

この「だっぴ」から迷いの日々が始まった。
「自分のやりたいことは、なんだろう?」
「内の世界」に目を向けるようになった。

私のルーツは、香川にある。
大学進学をきっかけに、岡山にやってきた。
唐突だけど、私は岡山が好き。
岡山の人が、好き。
私が岡山で出会った人が、好き。

次の年から、「だっぴ」の運営スタッフとなった。
時々、私はハッとすることがある。
ある日のミーティングで、
私は、「こんな風に感じた」「こんなことを考えた」と意見を伝えた。
仲間の一人はこう言った。
「こういうことができたことで、みんなが助かった」
「みんなが成長できた」と。

彼は、「私」のことではなく、「みんな」のことを話した。
私は、恥ずかしくなった。
私は、「私」のことだけ考えていた。

「みんな」のことを考えられる仲間を誇らしかった。
一緒にいて心地よかった。

あれから10年が過ぎた。
あの頃出会った「大人」のようにしっかりしてるのだろうか。
私は、動き始めた。
やるべきことがみつかった。
まだ、みんなに発表する勇気も自信もない。
でも、やろうと決めた。

10年前の私のことはわかる。
「私には何が向いているのだろう?」
「どうやってその道に進めばいいんだろう?」
今なら伝えられることがある。
一緒に悩むことができる。10年前の私が悩んだように。

私は、「しっかり者」
私は、「正しい人」だとは思わない。

たくさん悩み、たくさんへこみ、たくさん気付かせてもらった。
だから、今の自分がある。


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