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2020年7月 個別相談

7月3日(金)オンラインにて、
7月18日(土)藤沢市役所・市民利用会議室4* にて、
個別相談を行いました。

*6月より藤沢市役所の会議室が再度使用できるようになったことにより、今回1件の個別相談を行いましたが、相談対応者である島津のノルウェー渡航に伴い、8月以降もオンラインでの対応がメインとなります。

さて、約半年前に適応するスイッチとiPad、指伝話(アプリ)を手に入れた方(小学生)の相談でした。毎月お話しているのですが、その度にできることが増え、本人の「もっとやりたい!挑戦したい!」という気持ちが強くなっており、こちらもその気持ちに応えようと毎回必死です。

医療的ケアが必要でリスクが伴うため、学校はずっと自主的にお休みしていますが、時間数は少ないながらオンラインでも授業をしてもらえているとのこと。
自分が勉強したいことを先生に自ら伝えて英語の授業を取り入れてもらったり、音楽の授業では歌も歌いたいとお母さんに訴えお母さんも一生懸命どうするか考えたり... 彼女の成長は止まりません。

さらにオンラインイベントに参加することも多くなり、親子共に様々な場でお話しする機会が増えてきたとのこと。

そんな近況を聴きながら、とても印象的なお話がありました。

彼女は自分の声でお話しすることはできないので、表情や目線以外では、指伝話に事前に言いたいこと・よく使うことばをお母さんに入れておいてもらい、スイッチでアプリを操作しておしゃべりします。

指伝話という「相棒」を手に入れるまでは、周りの人が代弁または推測してくれるまで自分の気持ちや自分のことをお話しすることができなかったのですが、最近ではお母さんが他の人と話しているときもお話が止まらなくなってしまうので、お母さんがつい
「ちょっと今お話ししてるから、静かにして〜!」
って言ってしまった、とお話ししてくれました。

お母さん、うれしそう。私もその話を聞いて、とてもうれしくなりました。

ずっと前に、別なお母さんが言っていたことが思い出されます。

「この子に『ママ、お腹空いた〜!!』って、言って欲しい」

親が「ちょっと静かにして」と子どもに言う。
子どもが「お腹空いた〜!ご飯まだ?」と親に言う。

そんな何気ない、どこにでもある親子の会話が、できないこともあるんだ。自分が知らなかった世界を垣間見た瞬間でした。

でも今は便利な時代。
ICT(Information Communication Technology・情報通信技術)を活用すれば、それまでできなかったこともできるようになる可能性もあります。

時間はかかるかもしれません。でもどんな人も、赤ちゃんのときから何年も時間をかけて言語やコミュニケーションの仕方を身につけます。
だから慌てず、比較せず、根気よく。

でもどこからどうしていいかわからない。
そんなときはご相談ください。何ができるかな?と一緒に考えていきたいと思います。

相談・記録:島津あすか


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