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【報告レポート】境を越えてフォーラム2024

はじめに

今年で第4回目の境を越えてフォーラム『介助者だって当事者だ。Vol.4』を6月22日に無事に開催することができました。

開催にあたり、ご協力くださった皆さま、ご参加くださった皆さま、ご関心を持ってくださった皆さまに感謝申し上げます。


概要

  • 日時:2024年6月22日(土)13:00~16:00

  • 会場:秋葉原UDXギャラリー

  • 配信:境を越えてYouTube

  • 会場参加者:100名

  • 配信視聴:当日約65名/アーカイブ再生 約600回

  • 主催:NPO法人境を越えて

  • 助成:日本財団

  • 共催:6団体、協賛:3団体、後援:40団体


オープニングトーク

唐田えりかさん(左)、理事長岡部と介助者(右)

俳優 唐田えりかさん、理事長岡部宏生、進行は御代田でお送りしました。

映画「寝ても覚めても」をきっかけに岡部とお知り合いになった唐田さんにオープニングトークにご登壇いただきました。

唐田さんから見た境を越えての活動について
「きっと介助の世界を本当に知らなくて、わからないんじゃないかな。若い人を含めてわかってくれる人が増えていったら良いと思う。」
岡部「まさにそれが境を越えての目標です」


暮らしを支える医療職。~私たちが忘れたくないこと~

(左から)医師であり当事者の小田さん、看護師五條さん、PT片山さん、ST山本さん

本フォーラムでは初となる重度の障害当事者を支援する医療職の皆様が登壇されました。
みなさんにとっての原点である”コミュニケーション”を主軸に、人と人としての信頼関係を築く、双方向的で顔の見える関係といった、医療者として大切にしたい根源的なお話をしていただきました。


もう一度語ろう、情動制止困難のこと。

(左から)医学研究所の松田さん、岡部の介助者の熊澤さん、介護事業所の代表で介助者の清藤さん、日本ALS協会副会長で介護事業所代表の里中さん

昨年のフォーラムに引き続きALSの情動制止困難について、当事者を取り巻く支援者の視点からそれぞれ話していただきました。当事者と相対する中での辛い思いや葛藤を率直にお話いただきました。

岡部「みんな辛くても、一緒に生きていきましょうね」


介助者って、結局一体なんなのさ。

進行の御代田(左)、穂高さん(右)

今回、4回目のご登壇です!コーディネーターでありBar境のママでもある穂高優子さん。
「人生のことを考えるには介助者も当事者も両方当事者だと思わないとやっていけない」
「気軽にそばに来てみようと思えるような業界になること、つながるということが大事だと思っている」


クロージングトーク

・今日、前に出ている人も同じように悩みながらやっているのがわかりました
・(ご自身の)施設では医学生や看護学生の研修を引き受けている。一人でも多くの人に地域で普通に暮らしていくってどういうこと?というのを知ってもらいたい
・介護や障害者が地域で暮らすのが特別でないというのを知ってもらえたらと思いました

会場にご参加の皆さんから

クロージングトークでは参加の方から頂いた質問に答えていただきました。

専門性の高い介助者チームが入っている中で看護師は何ができるのか?
五條さん「私もヘルパーさんから学ぶことが多々ある。在宅では、誰が上下とかのない横並びのチーム。看護師もスペシャルなヘルパーさんへ悩みを相談したりしたら良い。そうすればその方もより良い看護を受けられる様になると思う」

支援者を育てるのに必要なことは?
里中さん「支援者を育てるのに必要なのは人間愛。厳しくも有り、甘えではない愛情。与論島には訪問看護も介護もなかったけど在宅でいきていくことが出来ているので。愛さえあれば」

ご登壇の皆様から
穂高さん「年々参加していただく方が増えている。今後も一緒にお話ができていけたら良いなと思う」

五條さん「看護師としてその方の楽しみを一つでも増やしていけるような訪問看護を頑張っていきたい」

片山さん「みなさんも少しでも感じるところがあったら、今日、明日から行動に移してもらえたら嬉しい」

山本さん「コミュニケーションは支援者にとっても大事。話を聞かせてください!という気持ちももって、患者さんとたくさん話をしてもらいたいと思います」

熊澤さん「立場や職種が違っていても同じ方を向いて行けると良いなと思う」

里中さん「自分の立ち位置でできることを精一杯頑張っていきたい」

松田さん「(情動制止困難には)関わり方が変われば、薬よりもずっと、感情的なアプローチが効くのかもしれない。今日の機会が次の方につながる力になれば良い」

清藤さん「現場には緊張しながら働いている人もたくさんいると思う。全国で同じ思いの人がいることが分かってよかった。」

小田さん「患者さんにも言葉だけじゃない伝え方がいろいろある。目に見えるものだけを拾いがちだけど、思いや仕草を大切にしていきたい」

唐田さん「一人ひとりが自分の人生をみんな頑張って生きているのを実感して、そのこと自体に救われた。他者を思うことは自分を思うことができてからの行動だと思う。他者を自分のことのように思って生活していきたい。岡部さんの言葉を借りると、いっしょに頑張って生きていきましょうと言いたいです」

岡部「まずは知ってもらうこと、人とこんなに深く関わる仕事は他にはないという言葉に尽きると思います。介助者も当事者だ。に変えないといけないかも知れません」


展示 

今回は、「境を越えて通信」で毎月連載している漫画ジョニーの話とカリキュラム化プロジェクトに参加した学生の発表を展示しました。

漫画は売ってないの?!と大反響でした。

私達は「想い」の一点でつながっている

企画:佐藤裕美
境を越えての活動に携わっていただいている皆様が大切にしている言葉をパンフレットにまとめて配布しました。
「どうしてこんなにも多様な人達が境を越えての活動に集っているのか?」というのが今回、このような形で皆さんの言葉をまとめる起点になりました。

書籍販売

今年もぶどう社の市毛さんに理事長岡部の著書「境を越えてPart1 このまま死ねるか!?」などをお持ちいただきました。

http://www.budousha.co.jp/


おわりに

この度ご登壇頂いた皆さま、ご協力いただいた皆さまに心より感謝申し上げます。


皆さんありがとうございました!

■アーカイブ配信について
YouTubeにて限定公開をしております。お申込みいただいていた方には終了後にご案内をお送りいたしました。
※8月19日より字幕付きのアーカイブ動画をご用意できました。お時間のある時にご覧になってください。
※お申込みしていない方でご覧になりたい方はお問い合わせください。

お問い合わせ

info@sakaiwokoete.jp

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