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【もしもシリーズPart2】難病当事者と考える「合理的配慮」ってなんだろう

難病を患っていたって地域で暮らしている
難病を患っていたって買い物に出かける

もしも、あなたの仕事先に難病のある方が来たらどうしますか?

-お店の中に入れるかな?
-会話ってできるのかな?
-メニューは見れるかな?
-私はどうすればいいんだろう…
-他のお客さんはどう思っているかな…

このシリーズ(#もしもシリーズ)は、街中のいろいろなお店に難病の方が来た場面を切り取っています。

「合理的配慮」が求められる今、私たちと一緒に考えてみませんか?
もしかしたら、そんなに難しいことではないのかもしれません。


もしもシリーズの目的

  • 難病当事者の地域での暮らし方から合理的配慮の理解を推進することを目指す一般向けコンテンツです。

  • 様々な職業の方が、難病当事者に対してどのような接客をしているかをシリーズ化して発信していきます。

  • 当事者視点ではなく、対応職種の視点で描くことで気軽に目にとめてもらうことを目指します。


Part2について

お店は、焼き鳥屋さん。
こだわりの備長炭で焼き上げた焼き鳥が自慢のお店。

入口は、少しの段差だけ。
入ろうとするとすぐに店員さんがドアを開けて出迎えてくれます。

「いらっしゃいませー!」

車いすに乗った彼女の行きつけだというこのお店は、最初に行ったときにはこんなにフラットではなかったそう。
次に行ったときには改修されて今のように。

車いすに乗った彼女は友人とヘルパーさんと3人で席につきます。
前に食べておいしかったもの、
前に食べ損ねてしまったもの、
お酒とともにおいしくいただきます。

箸を器用に使う彼女ですが、レバ刺しは箸ではつかめなかったようです。
すると彼女は「すみませーん」と店員さんに声をかけて

・・・・・・


合理的配慮とは

2016年に施行された障害者差別解消法は、2021年に改正されました。
この改正のポイントのひとつが、障害者への合理的配慮が、公的機関だけでなく民間事業者にも義務付けられたことです。(2024年4月から)

場面ごとに「対話」を通して、過度な負担とならないよう、最も良い配慮の方法を一緒に探すことが必要です。

詳しくは、内閣府ホームページをご覧ください。

  • 障害者差別解消法の改正に関するリーフレット

  • 障害者の差別解消に向けた理解促進ポータルサイト

  • 事例データベース

などが掲載されています。

どんなものが差別にあたるの?
(事業者側は)具体的にどんなことをすればいいの?
(障がい当事者側は)どうやって申し出たらいいのかな?

障がい種別に応じた事例なども載っています。
ぜひご覧になってみてください。

Part1もぜひご覧くださいね!


出演してみて

出演してくださったズン・ジャフェイさんよりご感想をいただきました。

ここ数年で、日本ではバリアフリーが進み、アクセスしやすいお店が増えました。バリアフリーの進展は顕著ですが、今でも小さな壁に行き当たり、もやもやすることがあります。

それで、外出先で素晴らしい発見をしたり、友達と貴重な思い出を作る機会を知らず知らずのうちに失っています。

合理的配慮、例えば少しの段差を減らしたり、座席へ案内するだけで、難病のある方にとっては大きな助けとなります。それにより、「心配なく、そのまま行けばなんとかなる」と感じることができます。

このような積み重ねが、仕事における挑戦や人間関係の構築に対して、勇気を持つきっかけになります。

誰もが一時的に障害を持つ可能性があり、年配の方と外出する機会がある中で、そうした状況でも暮らしやすい環境を作るために、障害を持つ私たちができることは、街に出て自らのニーズを伝えることかもしれません。

合理的配慮は、状況に応じて異なる解決策が必要であり、大幅な改装をしなくても、小さな思いやりが大きな役割を果たします。

ズン ジャフェイ
東京在住2年目、当事者研究の博士課程在学中。
趣味は街歩き、語学、映画鑑賞。

ジャフェイさん、ご出演およびナレーションを頂戴し、本当にありがとうございました。


助成

もしもシリーズPart2は、
一般社団法人 日本難病・疾病団体協議会(JPA)
令和5年度難病患者サポ―ト事業

の助成を受けて作成しました。


おわりに

Part2では、

  • どこで:飲食店で

  • だれが:電動車いすに乗っている難病の方が

  • なにを:焼き鳥などを

  • どうした:食べ(飲み)に来た

という場面を切り取りました。

ご協力くださった、炭火焼鳥 千鳥足 白山本店 の皆さま、あたたかいご協力とおいしい食事を本当にありがとうございました!
皆さんもぜひ行ってみてくださいね!

来年度は、また違った場面を切り取りたいと思います。

私を撮影しに来て!
うちではこんなことがあったよ!
という方はご連絡を。
もしかしたらお願いをするかもしれません。


お問い合わせ

NPO法人境を越えて

境を越えては、身体がどんなに不自由でも、その人らしく地域で暮らせるしくみ作りを目指す、障がい当事者と介助者が中心となって活動するNPO法人です。
知ってもらう育てる繋がるという3つの柱を軸に、8つのメインプロジェクトを行っています。
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