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塀の内と外から祈りでつながる。10月8日(土)14時~開催「受刑者と共に捧げるミサ」、そのはじまりと込められた願い

NPO法人マザーハウスが毎年主催している「受刑者と共に捧げるミサ」。今年も、10月8日(土)にカトリック麹町教会(聖イグナチオ教会)主聖堂で行われます。受刑者のために祈る時間、塀の向こうを想像する時間を多くの人と共有できればと思っています。


受刑者と共に捧げるミサのはじまり

この「受刑者と共に捧げるミサ」のはじまりは2018年10月に開催したものでした。マザーハウス代表の五十嵐さんがこのミサをはじめようと考えたきっかけは、2016年の「いつくしみの特別聖年」の中で、教皇フランシスコが11月6日を「受刑者の聖年」と定めたことにあるといいます。教皇フランシスコは、この受刑者の聖年において、受刑者やその家族のため、そして刑務官や教誨師を含め、刑務所の内外で受刑者の支援に携わっているすべての人・機関のために祈るよう呼び掛けたのです。

「受刑者の聖年ミサ」(カトリック中央協議会)
https://www.cbcj.catholic.jp/catholic/holyyear/jubileemercy/1106-2/

2016年11月6日に「受刑者の聖年ミサ」がイグナチオ教会で開かれ、五十嵐さんもこのミサに参加し、刑務所のことについてお話をされました。そこで、五十嵐さんはこれを自分でやりたいと考えたといいます。

2017年12月に、菊池功大司教(東京教区)が着座され、縁があった五十嵐さんは「受刑者のためのミサ」について大司教に司式を依頼し、2018年10月にマザーハウス主催の最初の「受刑者のためのミサ」が実現しました。教皇大使にも共同司式をしていただきました。

受刑者と共に捧げるミサの特徴

このミサの特徴は、主に福音朗読と共同祈願の部分にあるそうです。

共同祈願では、「受刑者のために」「少年院の子どもたちのために」「入管で収容されている外国人のために」「受刑者の家族のために」「受刑者を受け入れる教会のために」「受刑者を受け入れる社会のために」「被害者と遺族のために」、それぞれの祈りを呼びかける箇所があります。最後の「被害者と遺族のために」祈るのは、昨年から取り入れられました。

福音朗読は、聖書の中のどの部分を朗読するかを、五十嵐さんが毎年決めており、毎年違うとのこと。この朗読のあと、菊池大司教より朗読箇所に関する説教があります。今年は、『マタイによる福音』10章26〜31節の以下の箇所が朗読されます。

「人々を恐れてはならない。覆われているもので現されないものはなく、隠されているもので知られずに済むものはないからである。わたしが暗闇であなたがたに言うことを、明るみで言いなさい。耳打ちされたことを、屋根の上で言い広めなさい。体は殺しても、魂を殺すことのできない者どもを恐れるな。むしろ、魂も体も地獄で滅ぼすことのできる方を恐れなさい。二羽の雀が一アサリオンで売られているではないか。だが、その一羽さえ、あなたがたの父のお許しがなければ、地に落ちることはない。あなたがたの髪の毛までも一本残らず数えられている。だから、恐れるな。あなたがたは、たくさんの雀よりもはるかにまさっている。」

『マタイによる福音』10章26〜31節

これは、五十嵐さんのこれまでの活動を支えたもののように思います。社会復帰をするときにある「恐れ」、前科があることを社会にオープンにすることの「恐れ」、その「恐れ」があると隠したり嘘をついたりします。その恐れが膨らむと、生きづらさにつながっていきます。
しかし、神様の認めた愛のある行動は恐れずにやりなさい、その行動を神様は見てくれているし、正直であることで理解してくれる人も必ずいる、そうした言葉として受け止め、背中を押されて、五十嵐さんはこれまでのマザーハウスの活動をしてきたのだと思います。

塀の内と外から、祈りでつながる

マザーハウスと関わっている受刑者には、この「受刑者と共に捧げるミサ」の案内・式次第を送付しており、同日同時刻に、塀の内と外から祈りを通してつながろうという思いがあります。

コロナ禍以降、ライブ配信もしておりますので、ぜひ受刑者のために祈ってください。

(文責:風間勇助)

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