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詩人 まどみちおさん死去

「ことばを大切に」

詩人で、子ども達の心の世界を大きく広げてくれた「まどみちお」さんが亡くなられた。104歳でいらしたと言う。教育、とりわけ幼児や小学生教育を行う者として、何度もまどみちおさんの詩に触れてきたと思う。それは、時代を超えて愛されてきた。今でも、子ども達の身近にまどさんの詩がある。「ぞうさん」「一ねんせいになったら」はよく歌った懐かしさもある詩だ。

昨年は「やなせたかし」さんが旅立たれた。何故、年配の方の作品が今でも子ども達の心を引きつけ、捉えるのだろう。私は、時代を象徴する歌手である「キャリーパミュパミュ」さんに、まどさんの「おしゃべり すいとう」という詩を重ね合わせていた。

おしゃべり すいとう
 
ぼくの せなかで おしゃべり すいとうが
ぱぷちゃぷ ぺぷちょぷ ちゃぷん

おんぶで えんそく うれしいなって
ぱぷちゃぷ ぺぷちょぷ ちょぽん

たかーい やまに いくんでしょって
ぱぷちゃぷ ぺぷちょぷ ちゃぷん

ひろーい うみも みえるんでしょって
ぱぷちゃぷ ぺぷちょぷ ちょぽん

たかーい やまと
ひろーい うみ!

はやく いこうよ はやくって!
ぱぷちゃぷ ぺぷちょぷ ちゃぷん

この詩は、水筒の中で揺れて音を出す、その音がとても可愛い。読む内に、半濁音で表現した拗促音の発音練習になる。この詩を読むときの、子どもの表情をまど先生はご存じだったのだろうか。実際にこの詩を読む子どもの表情の可愛いこと。私はまど先生の詩が大好きだ。「石ころ」という詩がある。この詩は、どこか深く考えさせられてしまう内容だ。

詩とは、多くの言葉を並び立てたりしない。連と連の間に隠れた言葉や、表現がある。子どもに向けた詩であっても、十分に大人が読み込める内容がまど先生の詩にはある。
こうした作品が未だに幼児や小学生に読む継がれているのは、日本語の持つ音の広がりなのだろう。シンプルなことばが、優しいことばが、そして、どこか懐かしいことばが散りばめられているからだろう。

また、大切な人を失った。私達は、もっと自分たちの生まれた国のことばを大切に守って行かなければならない。ことばは文化そのものだ。こうした精神が真に国を愛する人の心に繋がる。それは、ナショナリズムを煽るような国の政策からは決して生まれないものだ。

まどみちお先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。素晴らしい詩をありがとうございました。

2014/2/27


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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