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これだけ言っても?

「なぜ言うことをきけないの!」

子どもはよく同じことで親から叱られます。親も「なんで分からないの」とつい怒ってしまいます。こんな光景はどこの家庭でも見られることでしょう。ただ、このようなことが度々おこると親も子育てに自信を無くし、イライラしてきます。この光景を冷静に振り返ると、子どもに感情をぶつけていたり、くどくどと話をしている自分に気づきます。これは特別なことではなく、相手が大人であれば理性や理論で訴えることができます。でも相手は子どもです。

子どもは3歳を過ぎたころから叱られることが増えてきます。それだけ知能も高まり、物事に関する行動範囲が広くなったということである意味喜ばしいのですが、家事に追われるお母さんは大変です。幼児期の行動は7割から8割が感情と欲求です。ですからいくら言って聞かせても心には残りません。勿論、お母さんの話すことばの意味も感覚的に理解するだけで本当の意味理解ではありません。ではどのように躾ければよいのでしょうか。

幼児期に必要なことは?その答えは経験や体験です。最近の子育て事情は、こぼす、落とす、やぶく、こわす、おる等の失敗をする前に親が先を制してしまいます。失敗は子どもにとってまたとない学習の場です。まずは子どもにとってそれがどういうことなのかを認識してもらう必要があります。遊びに夢中で、いくら声をかけてもなかなか食事をしない子。このような場合は、食事にかかる時間を想定し、その時間が過ぎたら食事を片付けてしまいます。勿論、食事の途中でもです。そして、なぜ片付けられたのかを考えさせて下さい。また、どうすれば良いか、その答えを本人に言わせることです。

子どもには、経験や体験から一つの結果を通して学ばせることが大切です。それを先に親が制してしまうのは、後の処理が面倒くさいからではないでしょうか。お母さんには休みがありません。その大変さの中少しだけお子さんの為に見守る時間をつくってあげましょう。このままでは、お子さんに躾ける時期を通り過ぎてしまいます。親もお子さんと同じでした。皆が通る道、行く道です。子どもの失敗を親子で考える、自然の結果を子どもが理解し始めると子育てもひと段落です。もうひと踏ん張りです。

2013/4/7


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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