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数指導 何が大切?

「遊びが足りない」

最近、乳幼児にある異変が起きていると言います。乳幼児に「くる病」と呼ばれる骨格異常が多く見られると言うのです。たぶん原発事故による放射線汚染が原因で、多くの保護者が外出を控えたことが原因ではないかと言われています。というのは、くる病は、ビタミンDの不足が主な原因で、その、ビタミンDは太陽光によって作られます。ただでさえ戸外遊びが減少している我が国の子ども達です。原発問題は成長発達期にあるにども達にかなりの影響を及ぼしそうです。

算数学習を通して見られる現象として、子ども達の遊びの範囲が少なくなってきたという事があげられています。遊びだけでなく、何度も申し上げている、生活経験のなさが、思考を産む語彙数を減らし、経験や体験を元にしたイメージ力を低減させています。また、同時に発想力や想像力を低減させました。これでは算数・数学を通じて論理的思考を育てることは難しいでしょう。平成生まれの子ども達は大人顔負けの知識を持っています。しかし、残念なことには、学習や思考力には直結してこないモノばかりです。時に、無駄な知識は思考の妨げとなります。これからの時代は、極論で言うと、「知識を如何に捨てるか」が鍵になるでしょう。知識偏重では思考は育ちません。論議や思考を挟まず知識が物事を決定してしまうからです。そこには、疑問という思考に結びつく探求心もありません。

数指導・算数指導・数学指導と子ども達は具体から抽象の学習へとステップアップしていきます。全ては、具体的体験から始まります。その為には、沢山の生活経験が必要です。社会体験が必要です。そして、多くの会話が必要です。知識偏重から思考力へ変化すると言われますが、実際の所、この方向を示すことの出来る子ども達は限られています。二極化ということばが指すとおり、多くの子ども達は、知識偏重という対象すらなっていません。知識を獲得していないのです。ただし、これは思考に関する知識のことで、芸能界の知識や、ゲームの知識ではありません。

算数学習で学ぶ、その中で最も中心的なことが論理的思考です。子ども達の思考力が落ちてきたそもそもの原因は算数です。論理的に考えるには、具体的経験が必要です。具体的な経験は抽象化(数字や記号)の前に、「もの」に置き換えて考える事で思考の道筋を学びます。この道筋ができていないのです。私たちは、この「もの」をタイルとし選択しました。

思考力を失った子ども達の、その真の姿を蘇らせるために、多くの言語的アプローチが行われ始めています。ひらがな練習帳や書写練習帳、漢字練習帳などがそうです。フラッシュカードも、必要な情報(知識)を厳選して行っています。

タイル指導は、「思考力」重視の方向に答えられるものです。タイルの指導範囲は広く、「モノに置き換える」という抽象思考に即しています。タイルは、加減乗除の計算指導だけでなく、文章問題の際、その解法の為に使用する線分図・テープ図へと応用されます。これからの教育にタイル指導で展開される算数指導は「思考力」を養う為に重要な役割を与えてくれるでしょう。数字だけの指導では表現できない発想力、イメージ力、表現力、実際に触って、操作できるフィジカルな教具はタイルだけでしょう。分析された算数指導、そしてタイル指導は子ども達の強い味方になってくれるはずです。

2013/9/29


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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