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子ども達の声を聞こう!

「ゼロ・トレランス方式」

先ほど、テレビ朝日から戻り、今日の番組「モーニングバード」で時間の都合上お伝えできなかったことをブログでお伝えしたいと思います。「ゼロ・トレランス方式」とは、寛容度ゼロ指導と呼ばれ、児童・生徒の問題行動への罰則を基準化し、違反した場合に厳格に運用し、校内の規律を維持する指導法です。この指導方式は1997年クリントン政権下で起きた、高校生の銃乱射事件をきっかけとして全米に広がりました。

我が国では、中高生の暴力事件が相次いだ2005年前後に全国で導入が議論されました。橋本大阪市長の突飛な提案ではなく、大阪の現状を踏まえた市のトップが下したものだと言えます。そして、この問題提起は、単なる賛成反対の短絡的な議論ではなく、現実に起きている大阪(実は大阪だけではなく)の教育現場の荒廃をどう対応していくのか、その具体策が求められているのだと思います。

今後、この提案は議論を積み重ね、実施に至るまでは紆余曲折があると思います。しかし、子ども達の成長は待ってくれません。今すぐにでも対応しなければならない生徒達が沢山います。この指導は、案として、子ども達の問題行動を5段階に分け対応するという内容になっています。そして、レベル4・レベル5に該当する生徒達は、クラスから離れ特別指導が行われることになります。この段階で、多くの方は「差別」ではないかと懸念されるのではないでしょうか。ただ、問題を引き起こす生徒達の殆どが低学力です。そして、彼らは、既に成績レベル分けで、時には生徒同士、時には親から、そして教師からも差別を受けているのかも知れません。今回の問題提起は、今まで誰もが切り捨てるか、隔離するの方法しか採れなかった現状にメスを入れ、道に迷った子ども達に手を差し伸べる事なのかも知れません。

現在、小学1年生から大きな学力差が見られる時代です。今、問題を起こしている子ども達への指導が、彼らの未来に繋がるように、また、その予備軍として、問題行動をし始めた子ども達のケアも重要なテーマとなるはずです。今の結果には、原因があります。そして、ここに至る過程が。現状の結果は、子ども達だけの問題ではありません。保護者も、教師も、組織としての学校も、それ以上に地域の大人達が真剣に関わる問題ではないでしょうか。教師は教育指導のプロとして今以上の責任感と使命感を持たねばなりません。保護者は、子どもの、育児から始まる子育てを、外部に丸投げすること無くもっと我が子に目を向けなければなりません。問題行動を起こす子ども達の大半は親の温もりを、愛情を知りません。だから、同じ環境の子ども達と群れるのです。私達は、もっと子ども達の声を聞くべきなのではないでしょうか。彼らは加害者になるかも知れません。しかし、別の角度から見ると弱者であり、被害者であることも事実です。

問題行動を引き起こす子ども達と向き合う大人達は、彼らの心の中のことばを聞くことができる人でなければなりません。力を力で制することは出来ないのです。

そして、自分の未来を想像、考えさせる事です。私は、橋本大阪市長のラジカルな発言しか耳に残っていなかったのですが、今回全てのお話しを聞き、「お父さん」の存在を意識しました。ラジカルなことばであっても、どこか温もりを感じたのです。私は、この指導に賛成です。ただ、持って行きかた、指導場所、指導者の人間的資質、まずは個人指導に徹する、等、子ども達に寄り添い、決して圧力的な対策であってはならない筈です。より慎重に論議する必要はあるでしょう。ただし、子ども達は待っていてくれないので早急に動き始めるべきです。

前回、「はだしのゲン」の時もそうでしたが、橋本大阪市長の提案された本件に対し、短時間で様々な角度から検証、並びに情報収集をされたスタッフの方々にお礼申し上げます。また、教育界にとって重要な問題を取り上げて頂いたテレビ朝日「モーニングバード」の皆様に改めてお礼申しあげます。また、コメンテーターの皆様ありがとうございました。

2014/6/11


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川先生監修!

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