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博子の海外留学記(学校生活編)

博子さーん、ちょっとここで今更なんですが、エグモントってどんな学校なんですか?
 
エグモントホイスコーレン(校名)のようなホイスコーレはデンマークに沢山あって、ファルケ ホイスコーレという17歳半以上であれば、国籍・人種・宗教を問わず誰でも入学できる、試験なし成績表なしの全寮制の大人の学校よ。

前回「授業というと課題やらレポートが大変そう」とのコメントがあったけど、本や筆記用具、必要な授業はゼロ。
部活動みたいな感じで文化系と体育会系にわかれて様々なクラスの中から選択するの。

アウトドア、カヤック、ヨット、ボルダリング、ヨガ、ダイビング、映像、Photoshop、ギター、ジャズ、料理、変わり種だとゲルつくり(モンゴル人の住処みたいな)、ラブショップ(愛について語る)などなど魅力的な科目が目白押しよ。
 
この中から、私は、体育、歌、ヨット、テキスタイルデザイン、ジャズ、絵を選択したよ。
たくさんの貴重な経験や思い出のつまった授業の話はまたお話しするね。

ここでまた私のアシストに関して触れるね。

前回お話しした毎日の当番さんは、不思議な縁で巡り会った3人の日本人女子で、 彼女たちは私のアシスタントであり同級生。

全ての授業にはヘルパーティーチャー、通称ヘルティーがいるので、当番さんだからいつも一緒にいるってわけじゃない。
学生やりながら、アシストはアルバイトみたいなイメージかな。
実際、アルバイト代も発生するよ。

これは、デンマーク発祥の障害者のパーソナルアシスタンス制度(PA制度)に基づいていて、学校は、障害を持つ学生+アシスタント学生という構成。
障害に応じてアシスタント数が決まるんだけど、大体2、3人かな。
もっとわかりやすく言うと、障害を持つ学生をボスとした4〜5人のチームの集合体なの。
 
あくまでも、みんなエグモントの学生はみんな平等!
決して、障害者だけが浮いたり、アシスタント学生だけ固まって何かやったりじゃなく、自然に共同生活してる。
いろんな種類の人が生き生きと混じり合ってね。

うーむ、この感覚をなんて表現すりゃいいんだろ。 すごく難しい!

言葉で「障害者も健常者も共に学ぶ学校」と聞くとどんな風景が真っ先に目に浮かぶ?

私は、車いす用のトイレにエレベーター完備のバリアフリー空間で、控えめに微笑む車いす学生の車いすを押す学生と、2人を取りかこみ頬笑む学生が数人いる風景が見える。
ついでに、さぞかし目頭を熱くするような美談の宝庫じゃなかろうか〜などと妙に期待したりして、その風景に色をつけるなら、淡いパステルカラー。
言葉で表すならば、ふれあい、ほほえみ、ひだまり。
日本人が好きな福祉の表現よね、がはははは!
少なくとも、私の想像力ではそんなもんよ。

とにかく、まーったくそんなんじゃない!と、私と同じような想像した人たちには激しく伝えたい!

説明するのが難しいくらいの未知の経験、、、私はこの感覚を味わえたことこそが宝だと言い切ることができるよ。

学生に加え、校長先生を筆頭に、魅力的な経歴を持つ先生方とヘルパーティーチャー、寮母さん的役割のスタッフ、広大な敷地や学校内のメンテナンススタッフ、厨房、事務員さんの総勢約400人くらいで、一般的なホイスコーレの中ではかなりの大所帯だったみたい。

広大な敷地内はノーバリアはもちろん、車いすユーザーでも入れるプールに、ウォータースライダーもあるし、近くのハーバーには歩けずともヨットに乗り込めるリフト付き!

それに、アシスト慣れしている学生が周りにウジョウジョしてるので、障害を持つ者にとってマサシク、パラダイスなのよ〜ん。

そんなパラダイスの話、引き続きご期待くださいね。

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