大山で惨敗
今日の計画は往復ケーブルカーで阿夫利神社の下社までは手抜き。そこから奥社への参道で大山の頂上へという算段。奥社で頂上へ向かうのは久々。いつもヤビツ峠から登って見晴台コースで下社に戻ってくるという楽ちん?コースなので、先日の筑波山で四苦八苦したことで、ちょっと体力ダメダメになっていることを実感。そこでゆるゆるの山登りだけじゃなくて、ちょっと丹沢の洗礼を受けてみようかと王道の大山の参道コースを選んでみた。でも下から登って上まで行くのはちょっとキツいかなということでケーブルカー。結局のところはやっぱり楽ちんを選んでいるんだけど。ということでケーブルカーの始発は9時からなので本日はわりと遅い出発。部屋を6時過ぎに出て横浜駅。相鉄線で海老名。そこから小田急線で伊勢原。そしてバスに揺られて大山ケーブルカーまで。バス降りたらのんびりコマ参道の階段をえっちらこっちら。ケープカー駅に到着。まだ始発前らしく切符売り場の窓口も閉まっている。ゆっくりきたつもりだけど、わりとバス時間かからなかったみたい。今日はいい天気で最近になく気温も高い感じ。でもね、半袖Tシャツの人がケープカー待ってる人の中にいるんだけど。そこまではあったかくないでしょ。窓口開いた。10人ぐらいの行列。阿夫利神社往復で!。登りのケーブルカーに乗るのって、考えてみれば初めてかも。高尾山も御嶽山も登りでこの文明の力を使おうと思ったことないから、今回はよっぽど警戒感があるのかな?。ま、そんなことはいや。乗り物乗るのは、理屈抜きで楽しいし、楽はできるだけしたい。そういうことで座席に座り込んで発車を待つ。始発ということなのか、車内は立っている人出るほど満員。まもなくケーブルカーは静かに動き始める。あっという間に下界は遠くなっていく。わずか数分で大山寺駅を軽油して終点に到着。上から見下ろすレールの先はかなりの急勾配。恐怖感じる。さて、ケーブルカーを降りて下社への階段をヨイショヨイショ。この登り口ってスゴイの一言。天まで届きそうなほどの壁のような階段。初めて大山に来た人はこの階段見ただけで怖気付いてしまうだろう。そして上に着いたとこで大きな達成感に浸ってしまうかもしれない。でもこの階段はほんの軽いプロローグに過ぎないことをすぐに思い知らされるだろう。階段は見た目ほど難儀しないで登り切れたけど、その後の岩岩の登りはやっぱキツい。登り自体急だし、ガレた道が歩きにくい。一歩一歩足の置き場を慎重に見つけて足を持ち上げて高度を上げていく。顔を持ち上げると、どこまで続いているだ?的な登り。さすがに観光地なだけあってドンドン人が登っていく&登ってくる。自分のペースで歩くことがかなり難しい。休憩するベンチはわりとあるんだけど。オバさんの社交場になっているから休むこともできない。ちょっと開けた場所で立ったままでも水でも口にしたいと思ってもおじさんが溜まっててデカい声でわめいたり、バカ笑いしてる。とっとと通過。そういやここ富士見台だった。富士山もそこそこ見えてたはず。写真撮ればよかったかな。こうやって一度も休憩することもなくヤビツ峠へと降る分岐にきてしまった。ここからはさらに険しい岩道が始まる。ちょっとでも息を整えようと思って、ヤビツ峠の方に少し行って、水筒から水を少し供給。ついでに丹沢の表尾根を林越しに眺める。かっこいいな。気がつくと人がついてくる。違うよ。こっちは下りる道だよ。頂上はあっちだし。ま、どうでもいいか、他人のことなんて。どこにでも行けばいい。人と同じ方向に安易に着いていくのが、日本人の道徳だしね。そんなことほっといて自分は参道の方に戻る。着いてきた人はどうする?。きっとまた着いてくるんだろう。最後の急登、慎重に慎重に頑張って登る。ちょっとでも水飲んで息をつけたので身体が動く。さ、もうすぐだよ。岩道を登り切ると、まもなく最初の鳥居が現れてきた。お邪魔します。さあ、ラスト階段。登り切ると最後の鳥居。秦野方面の絶景が現れる。相模湾もすぐそこに見える感じ。神奈川県民に馴染みのある大山。一番目にしている山。その頂上からは神奈川県のほとんどを一望できるはず。うちの近所からだって大山は毎日のように見えるんだから、ここからだってうちの方も見えるはず。そう思うと感慨深いものがあるんだよ。と想いに耽っている間もなく、しゃべくりまくりのうるさいおばさんの集団が続々到着。頂上の休憩スペースももちろんこんな人たちに占拠されている。ここで休むのは無理だな。と思って階段下のトイレがある横の休憩所を覗いてみるがそちらからもバカ笑いするおばさんの騒音が聞こえてくる。大山はアクセスも良くて登りごたえもちょっとあっていい山なんだけど、自分的には台無しの感じがする。当分は来なくていいかな。というかもう来ないかな。ほぼ休むことなく登って来たので、さっきの岩の急登を降りるには体力心配。このまま見晴台まで下っていってそこでカップ麺食べよう。そうと決めたら頂上退散。見晴台までの下り道に入ったら静かになった。少しは自分のペースで行動できるようになったかな。と思うのも束の間。はるか後方からおばさんのけたたましい笑い声が響いてくる。追手は巻いてないみたいだ。さすがに手強い。でもこっちの道は険しくないから易々と接近を許してない。ただこの道は長いんだよな。そこそこ下るとだんだん疲労が出てきた。お腹すいたよなあ。もうおばさんの気配なんてどうでも良くなってきた。早く見晴し台へ!。それだけをモチベーションに下るんだけど、着々と足が思い通りに運ばない状況に陥ってくる。やばいよな。見晴台の手前に鎖場とかあるんだよな。無事にやり過ごせるか?。徐々に抜かれる人も増えてきた。どうぞどうぞお先に。こちとらもう限界も近いもんで。そうこうしてるうちに鎖場が見えてきた。もうカッコなんてどうでもいい。とにかくこの現場を無事に通り過ぎること。思い通りに足が運ばない。慎重に慎重に。ゆっくりゆっくり。極度の緊張。なんとかこなせた。オッケー!!。グッジョブ!!。ああ、ここ過ぎればあとはそんなに難所はないはず。ちょっと安心した。それも束の間見晴台まで最後の登り。こんなとこ登りあったっけ?。いつもは意識すらしていなかった場所。やっぱり今日はどうにかしてる。目の前にした登りは見上げるほどの急登のように思える。それでもなんとか登り切ると見晴台のベンチが見えてきた。やっと着いた。助かったー。ベンチに雪崩れ込む。ふぁー、しんどかった。おばさんが来ようが、おじさんが来ようが、ここはどかない。当分はこのベンチは自分のものだ。誰にもゆずらない。さあ、今度こそしっかり休もう。まずはちょっと水含んで。カップ麺にポットのお湯を注ぐ。こんな状況でも、スマホで写真を撮ってる。それからポータブルバッテリー出して充電。もうできたかな?。カップ麺の蓋を開けてフォークで麺を啜ってみる。もう良いかな。そう思ったら、貪るように麺をかきこむ自分がいた。あー、こんなにおなかすいてたんだな。今まで何度も何度もカップ麺食べてきたけどこんなに美味しいと感じたことはなかった。たとえ、お湯が冷めていて、麺はやわらかくなっていたけど、謎肉や小海老などの具は噛むとジャリジャリとしてた。やっぱりお湯がちょっと冷めてしまって十分に具がふやけなかったんだろう。今度新しいポット買おうかな。お腹膨れたらずいぶん元気回復した感じがする。さっきまでもう歩くのも無理って感じだったけど、もう一度大山の頂上の方に顔向けて黙礼して、さあ帰ろうという気持ちになった。今日は散々な敗戦投手気分だったけどここはキチンと敗戦処理して無事に帰ることにしよう。一息吐いて立ち上がる。下社への下山道。うん、足がちゃんと動いている。さっきまでの道と比べたら、メチャ平坦なこともあるけど、あんなにへばっていたのがまるでウソのようだ。感覚的にあまり気づかないけど、食べることとか休むことってほんとに大事なんだな。それと今日の大反省点は人の行動に惑わされてしまったこと。おばさんのおしゃべりとかに煽られて自分のペースを見失ったこと。もっとメンタル強くしないと。体力とかギアとかそういうとこじゃないとこも大事だ。そういうこと思い知らされた。今度は着々と歩きにきます。山の神様今日もありがとうございました。
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