スマホ依存 VOL.6
あなたのITリテラシーはどの程度であろうか?
今回は「スマホ」に特化してみる。
以下に示す「ジョブズ親テスト」はスマホ依存防止学会が発信しているもので、次のような説明をしている。
自ら様々なデジタルツールを開発したにもかかわらず、我が子にデジタルツールを持たせなかったアップルの創業者スティーブ・ジョブズにちなんで、子どもの特性をよく理解し、子どもをスマホの危険から守る意識の高さを測定するものです。得点が高いほど、用心深い、つまり、ジョブズ親レベルが高いことを示します。
間違えやすいものからあげていくので、順次チャレンジしてみていただきたい。
Q1.車にも便利さと危険があるように、スマホも一つのツールであり、要は使い方の問題である。 ①そう思う ②ややそう思う ③そう思わない
答えは③
【説明】
車とスマホはどちらも長所短所はある。しかし、決定的な違いがある。それは、車には危険性はあっても依存性はないということ。毎晩、用もないのに車を乗り回し、遅刻がやまないとか、ガソリン代で借金がかさむ、とかはない。しかし、スマホの場合は起こる。依存性のあるものを単なるツールと考えるのは誤り。依存性のあるものを子供に与えるのも誤り。
Q2.これからの時代、子どもがスマホを使うことを避けることはできない。
①そう思う ②ややそう思う ③そう思わない
答え ③
【説明】
緊急時の連絡手段が欲しい。当然の気持ちと思います。ただ、その目的としては、必ずしもスマホである必要はありません。メールと通話機能に特化した「子どもケータイ」で十分です。
物騒な事件もあるし、という人もいます。帰りが遅く心配したが、スマホで連絡が取れホッとしたとかですね。しかし、犯罪の発生を防ぐ目的ではスマホの力は限られます。むしろ、スマホを持っているからと、以前は避けていたような危険にも子どもを晒しがちになります。子どもも「スマホで連絡する」と親が予定を尋ねてもいちいち説明しなくなります。こちらから連絡しようにも、LINEも通話も応答なし、なんて珍しくもありません…。
それどころか、子どものたった1つの投稿から誘拐やストーカーが始まります。
また、防犯で与えたはずのスマホが犯人に悪用され事件に気づくのが遅れたり、初期捜査が誤った方向に誘導される危険すらあります。GPSで分かるのはあくまでスマホの位置だけです。
親としては,「家族はみんなLINEでやり取りしている。だからLINEが使えた方が楽」。気持ちはわかります。でも、大人や家族の「楽」ってそこまで大事なものなのでしょうか…。
<補足>
日本ではギガスクール構想が推進されている中、スマホをなくすことは現状難しいが、その使い方について、親は学校に「合理的配慮」を求め、デジタルツールを学校だけに限定する使用方法にすることで、子供のスマホ所有を引き延ばすことを社会全体で進めていくことが重要。
大人の使用と子どもの使用は別。子どものうちは、周囲の大人の理解と協力で、スマホの使用を避けることも可能。
現に、欧米などのテック企業のエリート社員の間では、子どもにデジタルツールを持たせない家庭が増えており、そうした学校も人気。
日本のICT教育用のタブレットは、学校に合理的配慮を求めることで、家に持って帰らないことも可能。個人用のスマホは持たせる必要はない。
Q3.スマホ依存を防ぐには、何でも話せる親子関係が何よりも大切である。
①そう思う ②ややそう思う ③そう思わない
答えは③
【説明】
親子関係が良いことに越したことはない。
しかし、スマホによる脳の変化で依存症になってしまえば、良好な親子関係は崩壊してしまう。
<補足>
「スマホ依存となったのは、人間関係が悪いからだ。子どもはスマホに逃げ場を求めている」という言い方を聞くが、仮に、いくら善意の優れた人間関係があったとしても、それだけでは依存物質・製品による脳の変化は防げない。
※そもそもなぜ逃げ場が必要になるかと言えば、人間関係の問題以上に、脳の劣化が起きているからでもある。
スマホによってもたらされる脳の変化はコカインなどの薬物と同様であると判明している。
スティーブ・ジョブズが自分の子どもには渡さなかったのはなぜか・・・
この考え方は、「親子関係はよい」と考えている保護者を油断させるということにもなりかねい・・・
Q4.子どものゲーム依存と大人のギャンブル依存とでは、子どものゲーム依存の方が、はるかに治療が難しい。
①そう思う ②ややそう思う ③そう思わない
答えは①
【説明】
小児の脳は大人よりも柔軟性が高い。従って、スマホによる脳の劣化も急速に進む。
子どもと大人では脳の働きが違う。10代の子どもの脳は成長の過程にあり、
理性を司る前頭葉が発達している途中である。
<補足>
脳の劣化も早いが、それに加え、子どもは自己コントロールが弱いことも問題。
大人は病気になれば病院に行くが、小さい子供は病院に連れて行くことは簡単ではない。
Q5.人を相手に将棋をした場合と異なり、アプリですると脳の前頭前野は抑制されてしまう。
①そう思う ②ややそう思う ③そう思わない
【説明】
光トポグラフィーで脳の働いている場所を調べると、コンピューターを相手に将棋をすると前頭前野の働きが抑制されることがわかっている。従って、アプリ相手の将棋もコンピューター同様の事態になることが考えられる。
<補足>
もしリアルな場面(人相手)であれば、負けていても最後まで我慢するが、アプリならリセットしてしまえば済んでしまう。
前頭前野は単に「考える」だけでは働かないことがわかったと言える。
「怖そうな相手でドキドキしても我慢して続ける」とか、「負けそうで嫌になっても我慢する」などの対人関係での忍耐や思いやりをするときに働いていると考えられる。
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