【続編③〜第二章 「3.健康づくりのための運動のポイント」】これならできる!運動指導初心者の指南書〜特定保健指導、介護予防指導などで必ず役立つ!
我々はどうしても「不安」なことに関心がいきます。これは当然のことで、不安なことから身を守る、つまり生命を守ることは生き物として最大の関心事です。早く不安を取り除きたいから、痛みのあるところを頑張って動かしたり揉んだり摩ったりするわけです。
「五十肩」で辛い経験をお持ちの方は思い出してみてください。リハビリではかなり辛い運動指導もあったかもしれませんが、早く治したいので必死になってリハビリ通いされたことと思います。半年から長いと一年ほど通い続けてようやく楽になってきたかと思いきや、今度は反対の肩が痛み出して、「五十肩」がうつった⁈、みたいな話をよく耳にしますが、五十肩はもちろん感染するようなものではありませんね。
ではどういうことかと言いますと、五十肩のリハビリを頑張っている間、反対の調子の良い肩のケアーを怠っていた、ということです。
先ほども述べました通り、人は不安材料を早く解決させたいので、五十肩で痛めた肩は一生懸命に治すのですが、その最中に、調子の良い反対側の肩のケアーもやっておけばよかったのですが、それこそ調子の良い方は放置したまま。治療に掛かった半年から一年という時間の経過と共に調子が悪くなってしまった、ということですね。
常日頃から、自分の体に関心を持っておくことは大切で、少し体を動かしてみると異常を見つけるチャンスができます。
そして、違和感を感じた時は、まずは調子の良い方、気持ちよく動かせる運動をしっかり行い、違和感のある方は程々に動かしておくことです。
友達から無視されることってとても辛いですよね。それは自分と自分の体の関係も同じで、最も身近な存在である「自分」からの声を無視してしまったら、「自分」は病んでいきますよね。
健康診断は年に1回ですね。その前後は節制したりして、健康に関心が向く機会になっているかもしれません。健康診断では、血液検査や、心電図など、目では確認できないところを客観的に知る機会になりますのでそれはそれで意味はあると思いますが、でも年に1回ですよね。それ以外の364日は自分の体に関心持つことをしてますか?
こんな話聞きませんか? 健康診断では異常はなかったんだけど、その後何ヶ月後に癌が見つかって・・・
健康診断の時に測定した血液や内臓のデータはその時のものです。当たり前の話ですが、体は毎日、いや、その瞬間瞬間、変化しています。先ほどの調子が良かったはずの肩の話も、健診で問題なかったのにその後に癌が見つかった話も、普段から体にもう少し関心を持っていたらその異常にもっと早く気がついていたかもしれない・・・
健診以外の364日、つまり普段から自分の体からの声を聴いてあげることの大切さを改めて認識していただきたいのです。
その時に、すこし背伸びをしたり、腕を回したり、体を捻ったり、屈伸したりなどの軽い徒手体操、あるいはラジオ体操程度の運動を生活に取り入れて、その時に体からの声をしっかり聴いてあげて下さい。
体はきっと喜んでくれます!それは健康な生活の支えとなってくれるはずです。