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【特集】さよなら、おっさん社会/怒りをぶつけたけど何もなかった(細井雄大)

NewsPicksアカデミア アンバサダー細井と申します。現在29才、監査法人にて主にシステム監査の仕事をしています。また、夜間休日に大学院で学びながら、自分に向いているものを試行錯誤するために、情報サイト構築や外国人への日本語コーチ等もやっています。

NewsPicksとの付き合いは割と長く、匿名・実名だと騒ぎになっている時にNewsPicksを批判するコメントをしてみたり、ポエムみたいな自作の文章をピックして非難轟轟なコメントを頂いたりと、存分にNewsPicksの醍醐味を味わっています。

この度の「おっさん」騒動を機に、アップデートをしない世間・自分に対する思いを綴ろうと思います(たぶんもう騒動去ったけど…)。

満ち溢れる「おっさん」

さて、私は「おっさん」(アップデートしない人)との接点が多い方ではないかと思います。

職場では上司も同僚も、モーレツを是とするプロフェッショナルが集まっており、働き方改革や多様性は仕方なしに受容しているものの、裏では理解に苦しんでいる模様。私が定時過ぎに仕事を離れて大学院に行くことに対する理解もなかなか得られません。

また、大学院でも、家で本を読んでる方がマシかなと思うような講義スタイルや生徒の参加態度が散見されます。ある教授は生徒の態度にキレて講義序盤に帰りました。

そして、たまに行くスナックやバーで会う人達はだいたいいつも同じ話をして、同じ歌を歌います(これは私もです)。

アップデートしてくれ

仕事柄、年配のクライアントも多いのですが、この猛暑の夏でもクライアントの業種や年齢層に合わせて、ジャケットを着なければいけません。しかも、インタビューの議事録は手書き、後から電子ファイルに起こします。

そんなクライアントを相手にするからか、ある上司は「細部に魂は宿る」と言い、自らが作成した資料を何回も見直し、文言の統一や平仄合わせに命をかけています。

効率化の一環で導入されたチャットツールも、ほとんど使われません。(気を遣ってこっちも使えない有様。)

このような昭和臭い仕事の仕方は、実はまだ日本社会の多くを占めているのかもしれません。

下剋上の社会は来るのか?

毎年春になると、「モンスター新人」に関する記事がニュースサイトに出てきますが、私の職場でも「モンスター新人」どころか「優秀な」新人が増えています。

彼らは、新人研修では「Googleで調べて分かることを教える研修って意味あるんですか?」と言うし、皆揃って自分は飛び級で出世できると信じています。

そんな彼らは、実際に入社早々から堂々とプレゼンするし、英語話せるし、ロジカルで、常に何かの努力をしています。

ここまで優秀な若手が増えると、「モンスターおっさん」なる記事もそのうちバズるようになるかしれません。

でも、我々はまだまだ、「おっさん」のやり方、経験のおかげで食っている訳ですから、新人達も「おっさん」から色々教えてもらわないと使い物になりません。

表面的なソフトスキルを磨いても、イノベーティブなアイデアを連発しても、1から10まで運ぶことはかなわないでしょう。

NewsPicksに取り上げられるような若手起業家はむしろ昭和的なモーレツ努力で経験の差を埋めている場合が多いと思います。そして、大体のケースでは、「おっさん」も仲間にしているのではないでしょうか。

いつの時代も、社会自体に「おっさん」はめり込んでいるのですから。

やるせない怒りはどうしたらいいのか?

とかく、何者かになりたい場合、0から1にするカリスマに憧れ、既得権益や古い考えを目の敵にしがちです。

でも、この怒りは大体の場合、ぶつけてもうまくいかないのです。

僕も実際に怒りをぶつけてみましたが、結果として何もうまくいきませんでした。

変革と創造の志士の集いであるグロ―〇〇では、「普通さ、〇〇だよね」といった具合に行動・礼儀について指摘されることが度々あり、つい反発して「中高年が大学に来ても意味ないよ」などと心無い言葉を放ってしまいました。

当然、関係者とは疎遠になりました。

ある時は部署の上層部と私で3次会に行ったところ、説教が始まり、長すぎる理不尽な話にしびれを切らし、途中で反論しました。すると私の人格に対する説教がなされたため、私も激昂し、危うく手が出るかというほどの口論を路上で3時間続けました。

後日、揉めた上司からは反省を促されました。何者でもない私には逆らう権利などないのか。理不尽さに、怒りはしばらくおさまりませんでした。

とはいえ、今の社会を作った中高年の「おっさん」要素にムカついて怒りをぶつけることは、おっさんに育てられ、少なからず「おっさん」が内在する私にとっては天に向かって唾を吐くようなものだったと理解しています。

勿論、ずっと従う気もないし、全面的に腹落ちしている訳ではありません。
ただ、越えるなら、仲間にしてしまうか、無視するか。

いずれにせよ、「おっさん」に歯向かった時点で自分には何もありませんでした。

現状が嫌なら、自身や他者の「おっさん」と向き合いながら、走っていくしかない。

人をアップデートさせるなんて傲慢ですから、自分のアップデートに専念して、人を巻き込むか成果を作るまで忍ぶしかない。

これが、このコラムを書きながら整理した自分の気持ちでした。

2018.7.30  細井 雄大

* * *

写真:大津賀 新也

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