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WEEKLY OCHIAI「日本茶をアップデートせよ」

日本茶アンバサダー ブレケル・オスカル氏を招いてのWEEKLY OCHIAI「日本茶をアップデートせよ」。

スウェーデン マルメ出身でありながら日本茶に魅せられたオスカルさんは、日本茶の良さを国内外で発信していらっしゃいます。

日本茶は、昭和生まれの筆者の家庭でも幼いころから日常に溶け込んでいました。しかし、最近ではペットボトルのお茶を買うことが多くなり、急須で丁寧にお茶を淹れる時間はなかなか持てずにいます。

そんな日本茶に向き合うことで、今、何を感じるのか。
日本茶の再興をどう考えるのか。

文化的な時間が始まりました。

オスカルさんと落合さんと日本茶

オスカルさんが日本茶に興味を持ったきっかけは、高校の授業で日本の近代化の歴史を知り、そこから明治の偉人、岡倉天心の『茶の本』を読んだことだったそう。

岡倉天心といえば、明治の日本で伝統的な日本のアートを守り、海外に発信した人物です。

一方、平成の岡倉天心といえば落合陽一さん。

東洋のカルチャーとテクノロジーで社会の再構築を提唱する新著『デジタルネイチャー 生態系を為す汎神化した計算機による侘と寂』が大反響を巻き起こしていますが、禅の考え方やその行動様式が体系化されたお茶の世界に落合さんも興味を持っているようです。

しかし、そういったお茶に代表される東洋文化や歴史的系譜について、私たち日本人は自信をもって海外の人に語ることができるでしょうか。

そこで、日本茶が抱える課題とその再興について議論が展開されました。

日本茶をめぐる現状と課題

日本茶の輸出量はここ数年、増加傾向にある一方、国内消費は落ちつつあります。

<緑茶の輸出量の推移>

<お茶の価格と消費性向>

とはいえ、国内消費が落ちている理由は、コーヒーや紅茶など、緑茶に代わる飲み物が普及したことにより選択肢が増えていることのあらわれでもあるので、一概にネガティブなことではないとオスカル氏もいいます。

ただ、日本茶のような優れたものが海外に情報発信されていないことが問題だと話します。

オスカルさんも高校生の頃、日本茶に興味を持ち、日本茶に関する情報を探したそうですが、ほとんど入手できなかったそうです。

一方、落合さんは、日本人として日本にいながら、ホンモノの茶葉と接する機会がないため、その良さを再発見する機会がないことを課題視します。

ホンモノのラーメンとカップラーメンが別物であるのと同じように、ホンモノの日本茶とコンビニで売られているお茶は、本来全然違うものです。もちろん、カップラーメンにも良さがあるように、コンビニのお茶も良いもの。ですが、ホンモノの茶葉とは決定的に別物です。

ホンモノの茶葉に触れることで、その違いを知ることが大切だと落合さんは話します。

日本茶の再興に向けて

では、リーフのお茶を再興するためには、何が必要なのでしょうか。

忙しい落合さんは、家庭用のエスプレッソマシーンのように手間がかからずお茶を淹れられる装置があるといいのに....と話します。

一方のオスカルさんは、忙しい人こそ、急須でお茶を淹れる時間を持つことでリラックスすることができるのでは、と話します。

1分あれば、急須でお茶は淹れられます。

ほんの少し手間がかかることが、マインドフルネス効果も生む。そんな風に捉えなおせると改めてお茶に向き合えるかもしれません。

更に、ウイスキーにおけるシングルモルトのように、日本茶にもシングルオリジンをブランドとして確立し、日本茶のフラッグシップにするとよいのではないかとオスカル氏は話します。

番組中、落合さんは茶葉を直に食べ、「アミノ酸の味がして美味しい」と話していましたが、そんな新しい味わい方も提案されると楽しみが更に広がりそうです。

最後に、日本茶の最も贅沢な味わい方のひとつ、「氷水だし」をオスカルさんが伝授します。

氷を使うことで、日本茶の甘みと旨味を引き出すことができるそう。更には、底が平たい形の急須を使うことで、茶葉が重なることなく均質に水に浸すことができます。普通のお茶より少し長い3分間、宝石のようにキラキラ光る茶葉を見つめながらお茶が仕上がるのを待つ時間も、楽しめそうです。

* * *

いかがでしたでしょうか。日本茶を語らう文化的な60分間をもっと詳しく味わいたい方は、ぜひ見逃し配信をご覧ください。👇

番組放送後、ツイッターにもたくさんの声が寄せられました。

影響を受け、早速オスカルさんの著書『僕が恋した日本茶のこと 青い目の日本茶伝道師、オスカル』を購入したという方。

抹茶カフェに行かれた方も。

アシスタントの石山アンジュさんは、京都でお茶屋さんに行かれたようです。

知れば知るほど楽しみが増す日本茶の世界。

7月26日(木)にはNewsPicksアカデミアイベントでオスカルさんのイベントも開催されますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

尚、番組内で紹介されたお茶はこちらのサイトで扱われています。

※本記事は、2018年6月20日に放送されたWEEKLY OCHIAI「日本茶をアップデートせよ」の内容をまとめなおしたものです。(ゲスト:落合陽一、ブレケル・オスカル、モデレーター:佐々木紀彦)


編集:柴山 由香

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