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【特集:シン・ニホン公式アンバサダー3人が語る】ここは、「シン・マナビバ」だった。

先日、第二期シン・ニホン公式アンバサダーが正式に始動しました。

第二期シンニホン公式アンバサダー_リリース

そして本日から第三期の募集がスタートします。(ご応募はこちら

「シン・ニホン公式アンバサダー」とは、『シン・ニホン』という本を読者が読者に広げていく、という新しい試みです。応募された方は、全7回のアンバサダー養成講座を受講したのち、正式にアンバサダーに就任していただきます。

今回は、第二期メンバーとして晴れて「シン・ニホン公式アンバサダー」に就任した伊勢 菜砂さん(以下「なずな」)、西川 伸一さん(以下「しんちゃん」)と、第一期メンバーとしてすでに読書会を実施されている野口竜司さん(以下「のぐりゅう」)のお三方をお招きし、

「シンニホンファシリテーション講座とはなにか」
「どんな人が参加して何をしたのか」
「この場で何を得たのか」

について、お話を伺ってみました。

メンバープロフィール

西川 伸一(しんちゃん)

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第二期の盛り上げ隊長。瀬戸内海に浮かぶ男木島で暮らす5人家族のパパ。かつてはバンコクに住む。議論の構造化と尽きることのない知的探究力で、チームメンバーからの信頼はあつかった。得意なことは、英語、WordPress、リモートワーク、大勢の人たちと楽しく何かをやること。

野口竜司 (のぐりゅう)

のぐりゅう

みなに慕われる第一期の兄貴。類まれなファシリテーション技術と周囲への気配りは、メンバー憧れの的。「すべてのビジネスはAIと共に」がモットーで、株式会社ZOZOテクノロジーズでは「VP of AI driven business」を務める。著書に「文系AI人材になる: 統計・プログラム知識は不要」がある。

伊勢 菜砂(なずな)

なずな

第二期の暴れん坊姫。何事へも全力投球する姿でメンバーの心を鷲掴みにした。第二期で、自主勉強会を主宰したのも彼女。愛嬌たっぷりのマシンガントークで『シン・ニホン』への「愛」を語る。好きな食べ物は白米。来年から大学生になる。

2020年8月14日 Zoomにて

参加のきっかけ

ー まず、そもそもシン・ニホン公式アンバサダー制度になぜ応募したのか、きっかけについてお伺いできればと思います。なずなさん、いかがでしょうか?

なずな 友達3人で応募したんですよ。私が入ってる学生団体で『シン・ニホン』が必読書となっていたんです。「シン・ニホン公式アンバサダー制度があるみたいだから、応募してみる?」と軽い感じで応募して、3人のうち私だけが受かりました(笑)。

ー のぐりゅうさんはどうですか?

のぐりゅう はい。『シン・二ホン』が出るちょっと前に僕も『文系AI人材になる: 統計・プログラム知識は不要』という本を出しまして、そこで目指してた方向と、安宅さんが『シン・二ホン』を通じて発信しようとしてる方向が同じだったんです。

ー なるほど。

のぐりゅう かつ、僕が書いた本よりも上位のレイヤーから、日本全体を俯瞰して述べてありました。だからこそ、僕の本の「親」と勝手ながら呼ばせていただいています。そういった点で『シン・ニホン』を尊敬していたので、アンバサダー制度があることを知った時は、すぐ申し込みました。

しんちゃん ふみおさん(書籍『シン・ニホン』のプロデューサー。「シンニホン」公式アンバサダー養成講座では講師を務めた)の「12のタレント。『シン・ニホン』アンバサダーに就任した人たち」というnote記事と、「第二期アンバサダーを募集します」っていうTwitterの投稿を同時に見て応募しました。

ー 第一期のアンバサダーの人の個性がとてもよくわかる記事でしたよね。

しんちゃん ちょっと話を『シン・ニホン』との出会いに戻すと、「WEEKLY OCHIAI」で安宅さんが描いていた「開疎化」の図がきっかけです。それを見て「なるほど!」と。

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(資料:安宅和人「そろそろ全体を見た話が聞きたい2」ニューロサイエンスとマーケティングの間 2020-04-04)

しんちゃん 僕は男木島という瀬戸内海の小さな島に住んでいるのですが、コロナ禍で、みんなステイホームで家の中にいなきゃならない状況でも、(男木島はもともと人が「疎」なので)自由に外を散歩できるし、島の中を見渡してもいつもの生活だったんですね。そのとき「この暮らしすごくいいな」って思ったんです。

ー つまり、都会のように「密」な状況ではないからこそ、普段と変わらぬ生活が送れることに素晴らしさを感じたということですね。

しんちゃん はい。加えて、リモートワークも10年ほどやってきた私から見ると、コロナの影響で働き方のデジタル化が早まったのは追い風でした。瀬戸内海の小さな島からオンラインで働くという生き方は、これまではオルタナティブだったのに、大きな会社も学校も含めてオンラインでの活動が、急にメインストリームになってきたという感覚があったんです。

リモートワーク、男木島で暮らすこと、デジタルの力を活かして世界とつながっていくことなど、僕がなんとなく価値を感じていたことを「開疎化」というひとつの図でパッと表現して見せてくれたのが安宅さんでした。番組を観てすぐ『シン・二ホン』を買ったんです。読んだらもうすごかった。僕のために書かれた本かと思いましたし、さらに広い未来をみせてもらいました。

どんな人が集まったのか?

ー では次に、アンバサダー講座にはどんな人がいたのかをお聞きしてもいいでしょうか?

のぐりゅう 第一期のメンバー構成は、シニア層とジュニア層にはっきり分かれてて、大体30代前半~と、院含めた学生、もしくは社会人1年目の方みたいな層の2つに分かれましたね。

ー そうでしたね。

のぐりゅう シニア層に関しては、「自分の技が何で、それで自分はこう生きてる」ことをはっきり持ってる方が多かった。ジュニア層の方々は、自分の技はこれから確立していくフェーズであるものの社会課題を自分ごと化できる力強いメンバーたちが集まっていました。

シンニホン

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*上は第一期メンバー、下は第二期メンバー。なんと、第二期には高校生が三名もいました。

ひとりで読んでいては得られない気づき

ー 「シンニホン」公式アンバサダー養成講座では、

①メンバーを各グループ(3~5名)に割り当てる
②各グループの担当回では、事前に章のまとめと「問い」を考えてくる

といったやり方で進めました。

今回のように、複数人で本の内容を咀嚼し、新たに「問い」を立て全員で議論することを通じて「本」へアプローチする。出すべきアウトプットも、単に本の理解だけではなくて、出すべき「問い」を考える、「問い」への回答を考える、など非常に多様でしたよね。普通本って一人で読むものなのに、実際みんなで取り組んで見てどうでしたか?

なずな ひとりで読んでるときには気づかない場所に気付けますよね。

のぐりゅう 私も同じように感じますね。

なずな 「問い」にしてみて初めて考えることとかもあったし、「問い」を立てて話すことで、各章の内容について深く考えることができた。

ー つまりストレートに本への理解を深めようとするのではなく、「問い」を軸に考えることで、新たな発見があるということですね。

のぐりゅう 私の場合、「他の方はそこに着目するんだ!」という驚きがありました。「自分の頭にはそこまで強く残っていなかったことを、他の方は非常に重要だと考えている」こと自体が気づきだった。

講座中は、修行期間だと思っていた

ー 事前に文章を読んでくるだけではなく、回によっては課題が出たりとかなりハードなプログラムだったと思いますが、ぶっちゃけ大変でしたか?

しんちゃん 僕の場合は、自分のキャリアを考え直す時期だったこともあり、仕事に比較的余裕があったので、「修行期間」と思って本腰を入れて取り組んでいました。なので、時間や気持ちといったリソースを用意できた状態で参加できていましたが、逆にいうと、それくらいの知的体力をかなり求められる読書会だったと思います。

「講座の2時間だけ集中すればいいや」というわけではなく、準備する時間もあるし。(講座で)受け取った刺激はそのままにせず、翌週までにパワーアップしておきたかった。他の人の話を聞いて触発されたことを調べたり、話に出てきた本を読んだり。

のぐりゅう ありますよね。

ー つまり、「本の理解だけでは終わらないぞ」ということですよね。

しんちゃん はい。振り返ってみると、ファシリテーションの技術やノウハウを学びながら、そのひとつ上の視点から、「どう場を設計するか」、「議論するとは何か」、「問いとは何か」みたいなことをすごく考えました。

のぐりゅう なずなさんはどうでした?

なずな 初回はサラって読み直して臨んだんですけど、参加者の皆さんと対等に話そうとしたら勉強不足だなって感じて、翌週から臨み方も変わりました。「これもしないといけないんだ、これもしたほうがいいな」みたいに自分に求めるものが段々増えていった。

ー これだけ聞くと、参加するのに尻込みする方もいそうですが…(笑)。

のぐりゅう でも加えて伝えたいのが、「多様性が認められている場」ということですよね。キャラクターとしての多様性もそうだし、本をどれぐらい読んでるかってことについても、べつに深さはそれぞれですし。かつ、「どんなことを発言するか」に関しても広く「多様性」が認められてますよね。

しんちゃん 毎週の2時間は、めちゃめちゃ集中してガッとやるので緊張感はあるけど、一方で、どんな意見を言っても一見突飛に見えるような問いを立てたとしても、笑われたり怒られたり失笑されたりはしない。だからこそ、みんなパフォーマンスが上がってたと思うんですよね。

ー 心理的安全性が担保される場だったというか、「なにを言っても大丈夫」という雰囲気はありましたね。

しんちゃん 講師である岩佐さんは「あなたの言うことにほんとに興味あります。だから、なんか言ってください。」というスタンスでした。講師や他の参加者に「すべてを受け止めます。」って言われたら、脳の本気度がキューって上がるじゃないですか。

のぐりゅう やっぱり、講師や運営側の皆様のキャラクターの影響かな。安心感がありましたよね。

全員がファシリテーター

ー 他のコミュニティーとの違い、今回この場がうまくいった理由について気がついたことはありますか?

のぐりゅう あるとき講師のふみおさんから「全員がファシリテーターだよ」と言われました。あのメッセージが、周りへの配慮、気遣い、もしくは自ら場を良くすることに対して、背中を押してくださったような気がしますね。

なずな 『シン・ニホン』という1冊の本を広めるために集まってきた人たちであることと、毎回ふみおさんが持ってきてくれたテーマ*がすごく良かったんだなって思います。

(編集注:講座では、「他人に関心を持つ」「エゴイストになろう」など毎回テーマが発表され、それらを意識した議論が繰り広げられました。)

のぐりゅう あと、安宅さんの醸すキャラクターに助けられている気もしますよね。この場にはいなかったけど、本を通じて安宅さんの愛が伝わってくるというか。

「シン・マナビバ」

ー 最後に、ぜひこれからアンバサダーに応募される方に向けて、一言お願いします!

しんちゃん 僕は、この読書会に参加してパワーアップしました。ファシリテーション技術だけではなく、もっと大事なことを学びました。『シン・ニホン』にも書かれていますが、これからの時代の知的生産で人間に求められる、未知のデータ、現象、課題に触れたときに、「新しい問いを立てる力」のことです。「新しい問いを立てる力」というのは、まだ考えたことがないけれどもその先に新しい解や気づきがあるかもしれないと期待することです。アメリカの首都はどこか、4x5はいくつか、というような答えが分かりきった問いを発するのは簡単です。でも、知を拡張するためには、知らないことを問わないといけない。たとえば、「データ×AIが指数関数的に発達していく未来において、人間としての価値は何なのか?」を問い続けることもそうです。原理的に難しいことですよね。

ー その問いの立て方を学んだということですか?

しんちゃん はい。「新しい問いを立てるための知的態度」ですね。普段は、人の話なんか、聞いていないことが多かった。(自分の意見をどうやって伝えようとばかり考えていた。)だけれど、まずはとにかく聞いて、自分の中の触発を待ち、問いの形にして議論に貢献するという、知的態度の転換を、読書会を通じて体得するという場でした。
問いを立てるための前提となる、言葉を丁寧に使う、相手に伝わるように簡潔に述べる、多様な背景を持つ人の話に興味を持つ、新しい見方が生まれるように議論に貢献するという「知的態度」も意識するようになりました。

ー いつか、しんちゃんが講座の途中で「仲間ができた」と言っていたがすごく印象的でした。ただし、仲間が欲しいからここに来た人はいなくて、『シン・二ホン』を広めたいという思いできたからこそいい仲間ができた、という順番がとても重要だった。

しんちゃん 全員、日常に帰っていったらその先でやることがあるんですよね。それぞれが活躍していく場所はバラバラなのに、同じような志が感じられる。「ああ、向こうでも頑張ってるんだな」と思いながら日々過ごせるのは、すごくいい集団だなと思います。

ー なずなさんはどうですか?

なずな 『シン・ニホン』を読んで行動したいと思った人が年齢に関係なく集まった場でしたが、結果的に自分より経験の多い人たちに囲まれて、(いい意味で)甘えたりすることができたんですよ。

進路のことに悩んだとき、「話を聞いてください!」とFacebookに書き込んだらみんなが「聞くよ!」といってくれました。多種多様な人たちが集まっていた分、自分がこれからどう生きようかっていうのをすごく考えるようになりました。いろんな生き方を教えてもらった場でもあるし、自分はどう生きたいのかを真剣に考えるきっかけになった場でもあります。

ー ありがとうございます!のぐりゅうさんからもいいですか?

のぐりゅう アンバサダーのみんなは、例えるなら、幕末の同志みたいでしたね。『シン・ニホン』に対する理解を深め、自分の志をもとに、どう次の行動を起こすかを考えている人たちの場でした。

何かを成し遂げるために一緒に学ぶ友という感じだったので、ちょっと過激だけど幕末の吉田松陰先生の塾のようだったなと(笑)。また、僕がこの場を名付けるとしたら、「シン・マナビバ」になると思います。
 
ー 「キュウ・マナビバ」とはどう違うんですか?

のぐりゅう 旧来型の学び場はあくまで知識を得ることが中心だったと思うのですが、シン・ニホン公式アンバサダーが集まる場は、知識を得るだけの場ではなく、行動を起こすための知恵と動力をもらうための場でもありました。さらには、同じ方向を見て、共に行動する仲間と出会える場所でもあります。そういった意味で、「シン・マナビバ」としてのアンバサダーの集まりは、皆様にとっても貴重な場所になると思います。

ー 今日はありがとうございました!

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第三期シン・ニホン公式アンバサダーの募集もすでに始まっております。期間は、8月26日~9月6日。ご応募の詳細はこちらをご覧ください。