【所感】イシューからはじめよ

目次

はじめに 優れた知的生産に共通すること
■序章 この本の考え方―脱「犬の道」
■第1章 イシュードリブン―「解く」前に「見極める」
■第2章 仮説ドリブン(1)―イシューを分解し、ストーリーラインを組み立てる
■第3章 仮説ドリブン(2)―ストーリーを絵コンテにする
■第4章 アウトプットドリブン―実際の分析を進める
■第5章 メッセージドリブン―「伝えるもの」をまとめる
おわりに 「毎日の小さな成功」からはじめよう

無数の問題に囲まれる中、いま何に取り組むか

この本は、圧倒的に生産性の高い人に共通する問題設定&解決法を伝える本だ。ここで書かれていることは、仕事だけでなく、あらゆることを考えるうえで応用できる基本的な思考法だ。

いま私は家庭人であり、仕事人である。妻の前では夫であり、子どもの前では親である。仕事のなかでは、自分のミッションがあり、その周りに上司や関係者が多数いる。お客様もいる。親の前では「子ども」としての側面もある。

それぞれの立場において、多数の問題が横たわっている。

その問題は、社会構造が由来のものもあれば、いたって個人的なものまで幅広い。歩けば問題にぶち当たる。自分自身の1日24時間という限られた時間の中で、自分がより良く生きていくために、やるべきことを決め、取捨選択していきながら生きている。それは意図的にしろ、意図的でないにしろ、必然的に選択をしている。問題があるのはわかっているけど、放置しているものもある。

小さな例え話。
「家の床が物で散らかっている」という問題に対して、放置するタイミングもあれば、片づけて綺麗にするタイミングもある。そこには優先順位がある。
また物で散らかっているを解決する手段もいろいろだ。いま目の前の物を片付けることもできるし、そもそも原因に目を付けて、新しい物を家に持ち込まないようにすることもできる。

無意識にしろ、意識的にせよ、大小問わず、日々問題に取り組んでいる。

この本ではいくつかの大事なメッセージが書かれているが、(私が感じた)最も大事だとメッセージは、問題の絞り込み、本書では『イシュー度』と言われていることである。

『僕の考える「イシュー度」とは「自分のおかれた局面でこの問題に答えを出す必要性の高さ」』
『世の中にある「問題かもしれない」と言われていることのほとんどは、実はビジネス・研究上で本当に取り組む必要のある問題ではない。世の中で「問題かもしれない」と言われていることの総数を100とすれば、今、この局面で本当に白黒をはっきりさせるべき問題はせいぜい2つか3つ』

今、この局面で取り組むべき問題の絞り込みができる、つまり『イシュー度』を上げることができれば、自分の生産性を上げるファーストステップができていることになる。

「いま」考えるべき一つのイシュー

いよいよ明日2022年10月19日、衆議院議員総選挙が公示されます。いま考えるべきイシューの一つ。それが選挙である。
この本の視点から、選挙に向けて、発想を飛ばして考える。

衆議院議員の任期は4年。
これからの4年間、いま考えるべきイシューは何か、そして自分自身はどれを優先するのか、それを意思表示する場が、この衆議院議員総選挙になる。
現在の社会に横たわる問題は、大小関係なく、無数に存在する。政治がそのすべてに手を付けることはできないし、するべきでもない。限られた任期のなかで、限られた工数のなかで、社会的にポジティブインパクトが相対的に大きいものを選ぶのが大事だ。
更に、ゴールにたどり着けるかも考慮が必要だ。社会的にポジティブインパクトが大きいと思われるものでも、国民の間で議論が進んでおらず、実行に至らないだろうと思われるものは、今取り組むべきイシューにはなり得ない。(もちろん、時期尚早だとしても意思表示が大事という考え方もある)

1票をその手に持つ、投票者として、社会を俯瞰し、いま取り組むべきイシューの観点から投票したい。

#読書の秋2021
#イシューからはじめよ
#安宅和人

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