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岸田NISA、1800万投資のマネーゲームが始まる。

2024年から岸田NISA(新NISA)が始まる。

岸田NISAでは、投資上限額が1800万と従来に比べて大幅にUPする。更に最大20年(一般NISAは5年)と定められていた運用期間も撤廃され無期限となった。売却した際の投資枠の復活もあり、私のような中間所得者にとっては100点満点の改正だったと思う。投資家からの人気が冴えなかった岸田政権ではあったが、今回の岸田NISAで一気に個人投資家を味方に付けたと言えるだろう。

高い評価に値する岸田NISAであるが、これは国民が投資上限額である1800万をいかに早く埋めることが出来るかのマネーゲームであると私は思っている。無理のない範囲で投資することは当たり前のことだが、複利効果を最大限に得るためには、少しでも早く1800万の投資を完了させる(ゴールする)ことが最も資産効率を上げることは言うまでもない。

我が家のように夫婦で非課税枠を全て使い切ることが出来れば、3600万を投資に回せる。これにiDeCoも加えれば4000万以上を非課税運用できるわけだ。これで老後資金に向けた資産運用の不安が完全に払しょくされた。

1億円を貯めたいとか、新たな事業を始めたいとか、優雅な老後生活を送りたいなどの夢が無ければ、岸田NISAと iDeCoだけを満額埋めさえすれば、あとは趣味や旅行など好きなことに自由に使ったとしてもFIRE後の生活は安泰だ。そのぐらいに投資上限額1800万を無期限で運用できるメリットは大きいと言えるだろう。


私は、このマネーゲームに参加するため、全ての非課税枠を埋めるには、今後いくら必要となるのか計算してみた。

○ 岸田NISA 
1800万×2人
合計3600万
○ iDeCo
夫婦の年間合計拠出額 42万
42万×18年(42歳から60歳まで)
合計756万

投資可能額
3600万+756万=4356万

我が家の場合は、非課税枠を全て埋めるには4356万が必要となる。

私は50歳での早期退職を目指しており、今後も働いている間は年間200万を投資に回していく予定だ。50歳までは残り8年あるので、想定外の支出が無ければ、まずは1600万(200万×8年)を準備することが可能となる。

次に退職金。50歳まで勤めれば勤続28年で退職金は1500万〜2000万は貰えそうだ。退職金の一部を税金や子供の学費等に充てるとしても、1400万は投資に回せそうだ。

これで3000万は埋められる。

残りの1356万は、今運用している保有資産1300万を充てるつもりだ。

保有資産の中には、個別株(N社2000株)、レバナス、東証債券ETF(2621)、全世界株式インデックスファンドなどが含まれている。これら全てをeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)に振り替える予定だ。

岸田NISAでは、全てオルカンに投資するつもりだ。3600万も非課税運用できるのであれば敢えて大きなリスクを取る必要はない。ミドルリターンで十分だ。世界経済の成長と共にリターンをもたらす全世界株式投資型の投資信託(オルカン)は、最も分散された低コストのインデックス商品である。

岸田NISAのように無期限で投資できるのであれば、長期で確実にリターンを得ることのできる投資先を選択すべきだ。個別株のように一攫千金を狙う必要はない。だから、私は成長投資枠も含めてオルカンだけに投資する。


それともう1つ、オルカンに投資する理由がある。無期限であれば、例えば30年後、あまり考えたくも無いが、私が認知症になるかもしれない。もしくは不慮の事故に遭うかもしれない。病に倒れるかもしれない。その時、残された家族は妻と子供だけとなる。妻は節約は得意だが、投資の知識はない。

残された家族のことを考えれば、あれこれと色々な投資商品に手を出すことは管理が杜撰になるだけでリスクでしか無い。

その点、分散が十分に効いているオルカンなら投資の知識が無い妻が運用を引き継いでも安心だ。毎年決まった月にオルカンを定率売却して、不足部分は現金で補えば良い。シンプルな運用であれば、妻や子供たちにも資産運用の引き継ぎが容易に出来そうだ。これは、投資の神様であるバフェットが妻への遺言で、S&P500と米国短期国債で運用するよう記していることとも通じるものがあると思う。


岸田NISAは個人投資家にとっては非常に有難い税制優遇制度だ。

これまで、日本では貧困層に対する優遇制度ばかりがクローズアップされてきた。しかし、岸田NISAiDeCoふるさと納税といった中間所得世帯に対する優遇措置もここ数年でだいぶ拡充されてきたと思う。防衛費増税反対とか政府の政策に愚痴をこぼす前に、まずは勤労者に向けたこれら税制優遇制度を国民は最優先に活用していくべきだ。外食や車、携帯の買い替えを我慢するだけで節約はできる。今まで投資とは無縁だった方は、まずはiDeCoから始めてみては如何だろうか。

このままでは、投資をする人としない人、今後貧富の差が拡大することが目に見えている。コツコツとリタイア後の為に貯蓄をしてきた人が、目先の娯楽に負けて散財してしまう人のために金融所得課税という形で税金を払い、貧困層を救っていかなければならないような衰退した日本にだけはなって欲しくは無い。

私は、岸田NISAを夫婦で非課税枠3600万を埋めるというマネーゲームをクリアすることを人生の目標に据えたいと思う。傍から見れば、お金に執着した虚しい人生と思われるかもしれないが、クリアすることで得られる幸福度はこの上なく高いことを確信しているからだ。

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