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私が実践する小型成長株集中投資はお勧め出来ない理由

私は時価総額が小さい小型成長株に集中投資をしています。

これは「極めてリスクの高い投資」です。

そのため、他人にはお勧め出来ません。

私は、N社へ500万以上の金額を投資していますが、今年の2月には、含み損が最大で400万を超えることがありました。

投資を開始して僅か半年程度で車が1台買えるだけの含み損を抱えていたことになります。

小型成長株はプライム市場(旧東証一部)に上場されているような大型株とは異なり、発行株数が少ないため、流動性がありません。そのため、少しのニュースで上下に大きく株価が変動します。

成長株は株価に期待値が上乗せされるため、投資家の様々な思惑により振れ幅が大きくなる訳です。

約4000社ある上場企業の中から、1社に絞り込んで集中投資することは、ダイヤの原石を見つけるのと同じで、難易度も非常に高いと言えます。

私のように長期投資と割り切り、倒産しない限りは10年以上保有するという強い意志が無い人には向かない投資手法であることは断言できます。


私は現在N社の株を1700株保有しています。

今は株価が低迷し、値幅も小さくなっていますが、株価が上がれば、1日の値幅は大きくなります。

株価の値幅について、日本取引所グループに参考となる資料がありましたので載せておきます。

内国株の売買制度 | 日本取引所グループ (jpx.co.jp)

今のN社の株価は1500~2000の範囲内ですので、最大の値幅は400円。私が保有している株数1700を掛けると1日に最大で68万の資産が動きます。

私が初めてN社を購入した時は株価が4000円台でしたので、最大値幅は700円、つまり1日の資産変動幅は119万です。

この先、株価が上がり、10000円を超えた場合には、最大値幅は3000円、なんと1日に510万も資産が動くことになります。

信じがたい話ですが、実際に株主が大きな損失を被ることになった小型成長株の暴落は過去にも起きています。N社と同じAI関連企業のAIinside(4488)という成長株は、値嵩株(株式分割をせずに株価が高いままの株)ということもあり、一時株価が96000円まで上昇しました。その後、株価は暴落し、現在の株価は4360円まで落ちています。暴落時は、1日に7000円下げる時もありましたので、私のように1700株も保有していたら、たった1日で1190万を失うことになります。AIinsideが値嵩株だからこの結果を招いた訳ではありません。株式分割していた場合でも、保有株数が倍々に膨れ上がっていくため理論上は同じことです。


このように成長株の集中投資というのは、極めてリスクが高い投資手法であることがお分かり頂けたと思います。AiinsideもN社と同様に「発行株数が非常に少ない」会社です。その上、経営陣が過半数の株を保有しているため、市場に出回っている株は僅かです。これが、小型株の一番のリスクとなります。市場に出回る株(浮動株)が少ないということは、株主が少ないことを意味します。つまり、ネガティブなニュースが出れば、少数の株主が一斉に売り始めるため、株価に歯止めが掛からなくなります。投資をしていると、どうしても上がることばかりをイメージしてしまいがちですが、値動きが激しい小型株の場合は、暴落した際の損失が計り知れないものとなります。

小型成長株への投資は、会社経営陣の人柄を見極め、投資先の事業内容に興味関心があって、事業の成長を後押ししたいという強い信念が無いと長期投資なんて出来ません。集中投資するとなれば、投資先の会社と共存するぐらいの覚悟が必要です。

リスクが高いということは、大きなリターンが見込めることも事実ですが、生半可な気持ちで巨額の利益に目がくらんで小型成長株に淡い期待をするのは止めた方が賢明です。その裏には大きな損失を被る危険性が常に潜んでいることを肝に銘じておくべきです。

個人投資家が機関投資家に株式投資で唯一勝てる方法は「長期投資」です。そして、小型成長株に長期投資するのであれば、大きな変動幅にも耐えられるだけの「リスク管理」は必須です。その上で、本気で応援(支援)したい会社を見つけることが出来て、長期で保有し、投資先の会社と共存する覚悟があるのであれば、小型成長株への集中投資を投資戦略の一つとして取り入れることは否定しません。

実際に私は小型成長株であるN社に集中投資をして、大きな含み損を抱えています。しかし、投資したことに後悔は無く、むしろ安くなった株価で更に買い増していきたいと考えています。これは強がりや意地になっている訳ではありません。このくらいに長期的な目線で、腰を据えて投資先の会社の行く末を見守るぐらいでは無いと、小型成長株への集中投資はメンタルが持たないことを最後にお伝えしておきます。



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