見出し画像

投資で失敗しているからこそ今がある

私が初めて投資をしたのが、17年前の「25歳」の時です。同年代の中では、投資に興味を持ったのがかなり早い方だったと思います。
当時、YouTubeは存在していませんでしたので、投資の勉強は本と投資系ブログ、ヤフー知恵袋から学ぶしか方法はありませんでした。

初めて読んだ投資本は「バフェット投資の王道」という本です。表紙に書かれていた「株の長期保有で富を築く」「短期売買や分散投資では真の富は築けない」「世界最高の投資家バフェットは、長期投資で大富豪になった」というフレーズに心を打たれたのを今でも覚えています。この本の選択は間違っていなかったと思います。

当時、社会人となって3年目だった私は、この先も今の会社に長く勤めるんだろうなと漠然と考えていたため、バフェットの教えのとおり、「長期投資」を実践することを決意しました。

当時は、海外の個別株はもとより、SP500などの海外のインデックスファンドに投資できる環境が整っていませんでした。つまり、日本の株式に投資するしか選択肢がありませんでした。

そこで、色々とインターネットで調べた結果、「長期投資」を強く推奨していた澤上篤人氏が代表を務めていた「さわかみ投信」という信託会社に出会いました。

さわかみ投信」は、投資の原則と呼ばれる「積立投資」を既に採用しており、「引き落とし先の口座」と「月々の引き落とし額」を書面に書いて、郵送で送るだけで簡単に積立設定が出来ました。

今はインターネットの普及により、オンライン上で簡単に積立設定が出来る時代になりましたが、当時の「さわかみ投信」の手続きも書面とは言え、手続きは初心者でも簡単にできる良心的なものでした。

私は、月5万とボーナス月20万の年間100万で積立を開始しました。
ここまでは、今振り返ると100点満点に近い下準備だったと思います。
日本のアクティブファンドとはいえ、「リーマンショック」や「東日本大震災」よりも前にスタートした積立投資ですから、継続していれば、おそらく今頃は複利の恩恵を受けて、かなりのリターンが見込めていたと思います。

とある日、最近はあまり見掛けなくなりましたが、若林史江さんが表紙を飾っていた「あるじゃん」というマネー雑誌に出会います。
長期投資」が重要であると頭では分かっていても、投資マインドが全く身についていなかった私は、「あるじゃん」の推奨銘柄を買えば儲かるものだと思い込み、個別株投資に舵を切り始めました。これが失敗の始まりです。

早速、楽天証券の口座開設を行い、個別株投資を始めます。取引履歴には、今でも当時の売買記録が残っています。
2005年5月16日 ネクシィーズ 1株 43,050円
2005年5月16日 テイツー   1株 16,650円
2005年5月17日 バリュークリックジャパン 1株 7,100円
2005年5月20日 アルデブロ  1株 40,950円
2005年5月20日 イー・アクセス 1株 67,100円

既に上場廃止となっている会社もいくつかありますね(苦笑)
雑誌で推奨されている「10万以下で買える個別株を買いあさる」という、投資初心者にありがちな失敗を犯しています。

最終的には「PERが低いから割安」という短絡的な発想で、投資先を「双日」に集中させるべく、「さわかみ投信」を僅か半年で解約するという暴挙に出た結果、「約200万」のお金を失って「4年間」に亘る個別株投資から身を引くこととなりました。

私が大失敗を犯した個別株投資の期間は2005年5月から2009年3月までです。
2008年に起きた「リーマンショック」の影響を、総合商社である「双日」が大打撃を食らったことが損失額に拍車をかけました。

その後、結婚して貯金が少しずつ増えてきたところで、今度は「FX」に手を出します。「FX」は個別株投資以上に神経をすり減らします。
FX」は土日以外は1日を通しての値動きとなり、特に米国市場が開く夜間は値幅が一段と大きくなります。夜更かしして、チャートに張り付く不健全な生活が今度はスタートです。

為替」というのは、様々な要因が合わさって値が動くため、単純に経済情勢に比例するものではありません。10年後の未来を予測した時に、世界全体の株価が右肩上がりで伸びていくことは概ね予測できますが、今よりも円安になっているか円高になっているかの為替予測は極めて困難なことです。

結局、「FX」は昼間に活動する一般的なサラリーマンには向くはずもなく、早々に身を引くことになりました。

以上が私の投資における失敗です。
今振り返ると、これらの失敗を「20代~30代前半の若いうちに経験できた」ことが、今の投資マインドに繋がっていると考えます。
実際に、我々の世代(40代)でインデックス投資に37歳で目覚めたのは、世間一般的に見れば早い方かと思います。
投資の失敗が10年ずれ込んで、今頃「FX」に夢中になっていたら、おそらくFIRE達成はまず無理ですし、定年まで働いて住宅ローンを何とか返済できるかどうかのレベルだったと思います。

投資の失敗が今の投資マインドに生かされているのであれば、若いうちから投資に興味を持っていたことは、結果として良かったのかもしれません。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?