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高配当株投資よりもインデックス投資!

バンガードの創業者であるジョン・C・ボーグルの著書で「インデックス投資は勝者ゲーム」という本があります。

最初のページに著者の結論が述べられているのでご紹介します。

株式投資で成功する戦略とは、アメリカの上場企業の株式すべてを、極めて低いコストで保有すること、である。そうすることで、これらの企業が配当や利益成長というかたちでもたらすリターンのほぼすべてを獲得することができるのだ。

インデックス投資は勝者のゲーム
By JOHN C BOGLE

昨年は世界の株価指数が軒並み下落していたことから、高配当株投資に人気が集まりました。確かに高配当株投資は、下落局面でも安定した配当金が得られるため、投資家の心理に安心感を与えます。また、配当金を多く出す企業は財務基盤がしっかりとしており、経営が安定した成熟企業が多いため、成長株(グロース株)と比べて株価も安定しています。

しかし、2030年FIRE達成に向けた私の投資戦略に、高配当株投資は含まれていません。

その理由として、正社員として働いている段階では、安定した給与を取得しているため、配当金を得る必要性を感じないからです。

毎月又は年に数回得られる配当金は、約20%(外国株式の場合には約27%)の税金が引かれた後に、手にすることになりますが、その配当金を自分で再投資することになれば、確実に運用効率を下げることになります。

本気でFIRE達成を目指すのであれば、配当金が出たから「旅行に行こう」「美味しいお肉を食べに行こう」という発想にはならないでしょう。

私は、投資は将来(リタイア後)の資産形成と考えているため、旅行に行くのであれば、配当金では無く、給与の一部を旅費として積み立てていけば良いという考えです。

高配当株投資でリタイアを目指している人も、配当金は出来るだけ再投資したいはずです。しかし、実際に配当金として手元に現金が振り込まれれば、心理的には娯楽に目が眩んでしまうことでしょう。

仮に再投資するにしても、配当金を投資するタイミングを計る必要があり、やはり効率的とはいえません。

低コストのインデックスファンドを購入し、ファンド内で自動で再投資してくれる方が運用効率が高いはずです。

2024年から始まる岸田NISAでも高配当株投資は可能です。

しかし、高配当株投資で配当金を得てしまうと、再投資するにも投資枠を新たに使うことになり、配当金は非課税となっても運用効率が悪い。

配当金を得ることで、下落時(暴落時)の安心感を得たいという考えもありますが、むしろ私は、下落時(暴落時)こそインデックス投資の絶好の投資チャンスと考えており、配当金を得ることは投資チャンスを逃すことにも繋がります。

給与取得者であれば、配当金が無くても生活に困ることはないはずです。

結論としては、高配当株投資は給与取得が無くなったリタイア後に検討する投資戦略であり、少しでも早くリタイアを目指したいのであれば、ファンド内で自動再投資してくれるインデックス投資が最も運用効率が高いというのが私の考えです。

最初に紹介しました「インデックス投資は勝者のゲーム」の趣旨を引用するならば、「インデックス投資は上場企業の株式を全て保有することで、配当や利益成長というかたちでもたらすリターンのほぼ全てを獲得する」ことができます。

その都度リターン(配当金)を受け取るよりも、リターンをファンド内で再投資する方が効率的であることは言うまでもありません。

特に、ここ最近人気を集めている米国株式や米国上場のETFで配当金を得る場合には、国内の税金20%が引かれるだけでなく、米国の税金も引かれた上で配当金が支払われるため注意しましょう。

米国の税金は確定申告により、一部還付されますが、投資初心者には手間が掛かる上に、還付された金額を再投資するとなれば、更に運用効率を下げることになります。

「米国株式」と「高配当」という人気のキーワードに踊らされて、投資初心者が手を出すのは賢明ではありません。慎重になるべきです。

どうしても高配当株投資をやりたいのであれば、国内株式で運用する方が、まだマシでは無いかと思います。私はやりませんが……。

高配当株投資を完全に否定している訳ではありません。

高配当株投資は、下落(暴落)局面では力を発揮します。

ポートフォリオの一部に組み入れることは戦略としてアリだと思いますが、配当金を得るのではなく、ファンド内で再投資してくれる投資信託を選択する方が、運用効率の観点からみたら賢明でしょう。

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