ウクライナ紛争開始以来、ロシアから撤退した欧米企業はわずか8.5% - 調査結果


2023年1月19日午前10時39分

AFP via Insider Paper

まとめ

・昨年ロシアがウクライナ侵攻を開始したとき、EUとG7に本社を置く1,404社が、ロシアで活動する合計2,405の子会社を所有していた

・昨年11月下旬までに、ロシアで少なくとも1つの子会社を売却した企業は120社、つまり1,404社のうち約8.5%に過ぎない

・米国に本社を置く企業の撤退が、欧州や日本に本社を置く企業よりも多い

・米国といえども、ロシアで活動する米国子会社のうち、完全に売却されたのは18%未満

・日本企業の15%、EU企業は8.3%の子会社しか売却していない

・ロシアに子会社を残した企業のうち、ドイツ系が19.5%、米国系が12.4%



❇︎❇︎❇︎ ロシアから撤退した欧米企業はわずか8.5%:調査結果 ❇︎❇︎❇︎

スイスの調査によると、モスクワのウクライナ戦争に対する怒りが広がっているにもかかわらず、ロシアから撤退した西側企業はごく少数にとどまっているという。

ザンクトガレン大学とローザンヌのIMD研究所の研究者は、昨年2月に始まったロシアによるウクライナへの本格的な侵攻以来、EUおよびG7諸国に拠点を置く企業のうち、実際にどれだけの数の企業がロシアからの投資を削減したかを詳しく調査した。

ザンクトガレン大学の発表によると、「EUおよびG7企業のロシアからの撤退は非常に限られており、欧米企業のロシア市場からの撤退が大規模であるという説を覆すもの」だという。

"事実上、これらの国に本社を置く多くの企業は、ウクライナ侵攻以来、政府、メディア、NGOによるロシア撤退の圧力に抵抗してきた。"

この研究は、オンラインのSocial Science Research Network(SSRN)(科学的査読を経ない「プレプリント」研究の出版社)が先月発表したもので、ロシアの子会社を持つEUおよびG7企業のうち、子会社を売却したのはわずか10%未満であることがわかった。

モスクワが侵攻を開始したとき、EUとG7に拠点を置く1,404社が、ロシアで活動する合計2,405の子会社を所有していたことが、この調査で明らかになった。

11月下旬までに、ロシアで少なくとも1つの子会社を売却した企業は120社、つまり約8.5%に過ぎないことが、研究著者のニッコロ・ピサーニとサイモン・イヴェネットによって明らかにされた。

米国に本社を置く企業の撤退が、欧州や日本に本社を置く企業よりも多く確認されています。

しかし、米国といえども、侵攻が始まって以来、ロシアで活動する米国子会社のうち、完全に売却されたのは18%未満であることがわかった。

一方、日本企業の15%、EU企業の8.3%しかロシアから売却していないとのことだ。

ロシア子会社を残した企業のうち、ドイツ系が19.5%、米国系が12.4%であるとのこと。

また、ロシアで活発に商業活動を行っているEUおよびG7企業の税引き前利益のうち、撤退した欧米企業の占める割合は6.5%に過ぎないことも明らかになった。

また、ロシアで働く従業員総数の15.3%を占めている。

これは、平均して、ロシアに残る企業よりも、撤退する企業の方が収益性が低く、従業員数が多い傾向があることを示している、という。

これらの結果は、「欧米企業が、自国政府が地政学的ライバルとみなすロシアの経済圏から彼らを切り離そうとする意欲に疑問を投げかけるものである」と大学の声明で述べられている。

以上