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9 スペイン巡礼8日目 ~ ナヘラからグラニョンへ

フランス国境にある巡礼の出発地点であるサン・ジャン・ピエ・ド・ポーを第一日目として数えると、今日がちょうど巡礼第2週目に入ったところだ。

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ナヘラからグラニョンまで今日も順調に27キロの道のりを歩いている。

どちらも写真をみるとこじんまりとしているそこそこの大きさの町である。

もちろんスペインも自動車道が整備されている。見るとA-12という道だ。ここ沿いを歩かされていると思う。巡礼者が多いので、車との接触による交通事故を避けるように巡礼路は幹線道路を避けて歩くように設計されている。主要道路沿いは市有の農地も多く、あっちの農地沿いの道、こっちの農地沿いの道と、余分な行程をたくさん歩かさられるのだ。だから27キロではなくて、プラス数キロの距離を歩いているだろう。

巡礼路にはさまざまな道標が配置されている。どれも黄色い矢印が目印だ。帆立貝の貝をあしらった道標もある。貝の筋が集まったところが欧州各地からの巡礼路の集まったサンチャゴを象徴する。ついでに書いておくと、道路工事があったりすると、この黄色い矢印が消されて、別の場所に書き換えられ、順路が変わったりするそうだ。

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さて、今日5月1日の巡礼宿スタンプをみると、

・La Rioja

・Granon

・Camino De Santiago

とだけ書かれていて、グーグル検索しても、それが一体どの巡礼宿かは特定できない。

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ぼくがよく泊まっていた公営の巡礼宿の一つが、ここらしいが全然記憶にない。トホホッ。

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巡礼路カミーノ・フランシスは、以下の地図上の右上パンプローナあたりから左上サンチャゴまで、ほとんど西へ西へとほぼ真っ直ぐ伸びていて、この町は全行程の三分の1、ブルゴスの手前にある。

その日も、ナイキのテニスシューズを履いて左足の人差し指は青黒く腫れ上がり、その痛みを我慢しいしい、左足を引き摺りながらの歩きだった。多くの長距離巡礼者がぼくのような足のトラブルを抱えて旅をしている。

理由はいろいろだが、主な理由は、

・靴があっていない

・荷物を持ちすぎている

・バックパックの背負い方が良くない

老婆心ながら、マジでスペインを巡礼したい人は、<巡礼に出る前>に①良いトレッキングシューズを選んで、②バックパックの背負い方を研究し、③実際に持っていくものをバックパックに詰め込んで20〜30キロほど歩いてみて欲しい。本番の巡礼前に、仕事休みを使った日本での予行演習はとても大事だ。もちろんぼくのように旅の中でドツボにハマって、苦しんで、もがいて、調整していくという手荒なやり方もあるが。

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この巡礼記も9回目になるが、実際に行ったこのスペイン巡礼が17年も前のことで、いまだに、いつ、どこで、何があったか、ほとんど覚えていない。しかし、あるエピソードを思い出した。

・ある町にたどり着いた

・何かの拍子に歯の治療に使ってあるインレイ(銀の冠)が取れた

・スーパーでの食糧購入がてら歯科医院を探してその町を歩いていた

・前に地元の人と思しき二人連れの女性が歩いていたのでつかまえた

・身振り手振りで歯のインレイが取れて歯科医院を探していることを伝えた

・すると私たちについて来いと身振り

・親切にもある歯科医院に連れて行ってくれた

・なんと歯科医院に行く途中の二人連れに遭遇していた(巡礼の途中でよく起こるという「偶然の一致」)

・歯科医はぼくの歯を削りたそうだったが明日次の町へ旅立つので断った

・代わりにインレイを接着剤で歯にかぶせ直す応急処置を頼んだ

・治療代を聞いたら親切にもいらないと言われた

・ぼくはそれを医者の好意と思ってその無償の治療を受け取りお礼を言った

他の巡礼者の記録を読むと、この巡礼者の治療についてはさまざまな話がある。巡礼者は無料とするという慣例があるとか。それは公営の病院だけだとか。外国人の治療は手続が面倒なので無料にしているだとか。いろいろ、いろいろ。

つづく