【転載】 年間超過死亡数が10万人超で戦後最大になった。コロナ以外の急病人や急死者も急増

週刊現代 

2023/02/14 

「超過死亡が年間10万人以上で戦後最大」の謎…専門家「今、コロナ以外の急病人や急死者が増えている」

日々、患者と接する医療者たちは、うすうす「おかしい」と気づき始めている。あまりに多い「不審な死」の背後に何があるのか。コロナ禍3年間のデータを精査して、浮かび上がってきた理由とは。

原因不明の死者が増えた

「朝から、足がふらつくんです。右手と右足が、なんだか痺れているような感じで……」

こう訴える60代男性が、千葉県印西市の千葉新都市ラーバンクリニックを訪れたのは今年1月12日である。男性に基礎疾患はなく、いたって健康体。診察しても明らかな麻痺はなかったが、念のため頭部のMRI検査を行った。院長の河内雅章氏が言う。

「すると、脳の中央部の血管に直径8ミリほどの小さな梗塞(血液の詰まり)が見つかったのです。

血液の流れをよくする抗血小板薬を処方しましたが、その後、症状が悪化したため入院しました。梗塞が小さかったので、しばらく治療し、無事に退院しましたが、いったいあれは何だったのか。

昨年秋ごろから、こうしたケースをちらほら目にします。当院が経営するグループホームでも、それまで元気だった高齢の入所者が2人相次いで亡くなりました。死亡診断書には『老衰』と書きましたが、私自身、納得がいっていません」

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原因不明の急病人、急死者が多すぎないか―いま少なからぬ医療者が、こんな違和感を抱きながら日々働いている。

その直感は、数字のうえでも裏付けられつつある。昨年1月から10月末までの「超過死亡」が全国で推計9万人を超えた可能性があることが、国の統計から明らかになった。12月分を合わせれば、年間10万人に達することは間違いない状況だ。

そもそも「超過死亡」とは何か。名古屋大学名誉教授で小児科医の小島勢二氏が解説する。

「平時には、全国で年間にどのくらいの人数が亡くなるのかという数値は、ある程度予測することができます。超過死亡とは、その予測値を超えて亡くなった人数を指します」

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