見出し画像

新型コロナウィルスが突きつけるサプライチェーンの変化

若干古いニュースだが、私たちの生産体制を支えるサプライチェーンが機能しなくなっていている。私が生計を立てている仕事においても、押釦スイッチやブレーカー、光電センサなどベーシックな部品の調達が極めて困難になっている。東南アジアにおいて、樹脂の生産が滞っているとの話だ。

この仕事をしてきて十数年以上になるが、いまだかつて経験のないことである。

昨今のサプライチェーンの崩壊は、これまでの生産のあり方の問い直しを地球から突きつけられているのかもしれない。エコロジカル・フットプリントという概念がある。生産品がどれだけ環境負荷をかけているかを測る指標である。

インドネシア工場で生産されたリニアガイドが3日で航空便で生産品がつい最近まで届いていたのは、地球に負荷をかけた異常な流通体制だったのだ。

3Dプリンタの真髄は、従来の大量生産体制とサプライチェーンをひっくり返す可能性である。小ロット生産の可能性、そして、サプライチェーンに関わる輸送コストの極小化の可能性である。

精度云々でケチをつける人は未だにいるが、鋳物と一緒で精度が欲しい箇所は研磨すればいいだけだ。研磨屋さんが3Dプリンタを持てば相乗効果が見込めるだろう。

この記事が出された頃よりも、サプライチェーンの機能不全は深刻化している。生産のあり方を根っこから問い直し、サプライチェーンの再構築を進めることが急務である。

生産とはなにか? 設備投資とはなにか? この問いは負債とはなにか?の問いにつながる。設備投資をするためには借り入れが必要だからである。この点は次回触れていこう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?