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目的因が世界と人々を動かす

私が目的因について語るので、「WHYから始めよ!」のサイモン・シネックはどうですか?と聞かれました。

そこで、その情報源であるTEDの動画を見てみました。

面白かったです。アップルやキング牧師、ライト兄弟が際立った存在でありえたのは、WHYから始めるからだと主張しています。まさに目的因から始めているからです。

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サイモン・シネックはこのような図のイメージで、WHYから始めよと主張します。優れた美しい目的があれば、おのずと世界と人々を動かすのだというのです。

この図でいうと、Whyが目的因、Howが作用因、Whatが形相因と質料因に相当することでしょう。

アップルの製品に例えれば、Whyが世界観やビジョン、Howがアップル社の研究開発や生産体制、Whatが個々の製品の仕様や性能といったところでしょう。

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サイモン・シネックはたいていの人はWhatからWhyに志向するが、優れたリーダーはWhyからWhatに向かうというのです。

目的因が世界と人々を動かす

これはアリストテレスが究極の目的因を「不動の第一動者」と定めたことを思い起こさせます。生きとし生ける者が憧れて目指す先のことです。

しかし、アップルの世界観が不動の第一動者でないことは明白です。アップル社が世界情勢や消費者、そして競合との闘いに翻弄されていることはよく知られています。

キング牧師が掲げた平等や世界平和の理念はとても素晴らしいものですが、彼自身が暗殺されたように人間がやることには限界があります。人間は相対の世界に生きるので、常に現象に翻弄されます。

はたして「不動の第一動者」とは何か、アリストテレスが想定していたものもありますし、アリストテレスの形而上学を受け継いだ人たちが想定していたものもあります。

準備が整ったところで、一番むずかしい話に入っていこうと思います。どうぞお楽しみに。

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