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四原因説の構造

難しいタイトルを掲げてしまいました。ただ、話の順序として必要であるため挿入させていただきます。

アリストテレスの四原因説は、質料因・形相因・作用因・目的因の4つから構成されるとお話しました。その中では、質料因と形相因が深く結びついていて、作用因と目的因が深く結びついています。

質料因と形相因の関係は分かりやすいかもしれません。料理で言えば、材料とレシピの関係です。材料だけあってもレシピや作り方がわからないと料理はできません。製造業でいえば、素材と図面の関係になります。

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哲学の世界では、質料と形相は対立概念で論じられることが基本となっています。実は、先日記載した「不動の第一動者」は、純粋形相として位置づけられています。「不動の第一動者」については稿を改めて、アリストテレスの形而上学として詳しく説明する予定です。

それとの対立概念で第一質料というものもあります。何にでもなりうる初歩的な素材を指すようですが、こちらは私はあまり詳しくないので解説はしません。

作用因と目的因は抽象的で分かりにくいかもしれません。目的を実現するためには作用や働きかけることが必要です。ビジョンが絵に描いた餅で終わらないためには、実際に作業をこなしたり働きかけることが必要です。前者が目的因で後者が作用因です。

最後に今日のまとめです。下記の図解は、四原因説を重視して4つ(あるいは8つや16個)に腑分けして図解することを試みているEquivalent eXchangeというブログからの引用です。

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質料因(Formal Cause)と形相因(Material Cause)、作用因(Efficient Cause)と目的因(Final Cause)が対立概念であることが図示されていて、私にとってはとても興味深い図解です。

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英語が強い方だと、各々を前置詞で説明したこの図解の方がフィットするかもしれません。「~へと作られる」(made into~) と「~から作られる」(made from~)を対置して暗記したことを懐かしく思い出します。

今日はとりあえずこの図解でイメージしていただければ十分です。


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