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志田塗装さん、影島晋平さん、サムリ・ブラッテルさん、東亭順さん「プロジェクト#35『4つのパースペクティヴ - 例えば風景もしくは黒っぽいなにか』」@アズマテイプロジェクト

入ってすぐの、コンクリート打ちっぱなしの柱には #志田塗装 さんの作品が直に掛けられていて (以前拝見した作品は額装されていた)、剥がされた壁面の肌じみたうねりと、ところどころに開いたひきつれた穴、真皮の覗くような剥がれが、周りの細かなヒビや白い跡と呼応するよう。

向かって右にある、これまた壁に直貼りされた #影島晋平 さんの作品群は、黒々とした海から顔を出す鼠色の流氷めいて、黒と灰が混じり合いお互いに食らうような画面がスリリング。コラージュされたキラキラのシート、その表面に描かれた黒は一層黒々としていて、"流氷" も銀鼠へ深みを増している。

#サムリ・ブラッテル さんの作品は、鉛色の線描が裂け目の如く縦横に走っていて、その稲妻みたいに有機的な流れと、ゆるく波打つ額縁とが響き合う。その分、支持体の矩形が強調されて、回廊のような白地に落とされた痕跡も鮮やか。

影島さんと向かい合うように配置された #東亭順 さんの作品は、支持体である古布に象られた花を、あるものは色づかせ、またあるものは塗りつぶしていて、黒々とした水面に、浮かぶと沈むのグラデーションの中でたゆたう落花のようで、その様が、浮沈の中生きる私たちとも重なる。

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