8月28日

きのうおとといと一歩も外に出なかったので久しぶりの外界。汗が噴き出している。エアコンが苦手なので夏場もつけずに過ごすことが多いけれど、暑いと心身の動きがひどく鈍くなるので効率が悪いというか無駄だなと思いこの何日かはずっと冷房の中にいた。当然ながら快適だった。でもどうしたって足先は冷えるし、何となく正解がわからないぼんやりとした違和感みたいなものが残るのだった。

この一週間くらいはほとんど毎日パンケーキを焼いている。わりと新しい鉄のフライパン(柳宗理のやつ)にようやく油が馴染んできて綺麗に焼けるようになってきた。パンケーキのいいところは、それがなんであれ“パン”で焼かれたものである限りパンケーキと呼ぶことを許されている、その懐の深さである。間違いない。いつも種の配合はいろいろだけど、わたしはふわふわの軽いのよりむっちり詰まった感じのものが好きだから水分少なめで焼くことが多い。そうすると綺麗なまん丸に焼くのは難しいのだけど、背が高いパンケーキになるからなんか嬉しい。粉は大豆粉とオートミールとオーツのふすま(というやつを最近初めて見つけて愛用している、最強の粉だと思っている)と米粉、片栗粉も少し。今朝はブルーベリーとココナッツフレークを入れた。ブルーベリーとココナッツの組み合わせはとても好き。

そういうわけで最近はめっきり小麦粉から遠ざかっていて自分で作ったものだけを食べている限りはグルテンフリー生活なのだけど、考えてみればやっぱり調子が良いような気がする。ちゃんと自分が自分の範疇にあるような感覚。せっかくだししばらく意識的に抜いてみようかな。

自分の頑なにさ、曲げられなさについて今朝は考えていた。我ながら面倒くさいとも思うし、場合によってはひとをも巻き込んだ面倒くささであるかもしれない、それについて申し訳なく思う気持ちは少なからずある、がしかし、なぜそんなにも頑なに曲げることができないかということを考えてみれば、それはやっぱりわたしは自分の直感や予感、つまり本能的な感覚を圧倒的に信じているからなのだった。そして他の事由(周りの目とか人間関係とか遠慮とか)を優先し自分の声を無視してなにかの決定を下した場合あとで必ず後悔する結果が待っているということを経験から知っているからなのだった。だから従うよりほかに仕方がない、という言い方も出来る。

だけどもちろんそれはわたしの中の世界において、ということであって、もっと大きい世界においてはその限りではなく、特に最近はなるべくたくさんの意見を聞きその上で考えたい、と思っている。それ自体もその線引きも簡単ではないけれど。

水曜日に映画と映画の合間に性懲りもなく本屋へ行き(だって映画館のすぐ下の階がジュンク堂だったから)またあれこれ買いそうになるもいやいや、と思い止め、だけど最近は頭を使う本ばかり一生懸命読んでいるから合間にフラットな気持ちで読むものが欲しくて西加奈子の『うつくしい人』という小説の文庫を一冊だけ買ってきた。合間合間の休憩に少しずつ読もうと思って買ったのに、読みはじめたらやっぱり面白くて、短いのもあってあっという間に読み切ってしまった。どことは書かれていなかったけれど、瀬戸内の島が舞台のモデルになっていた。瀬戸内の島々のいくつかには何度に分けて行っていて、そのどれもとても好きで良い時間を過ごしたのでまた行きたくなった(かぼちゃは発見されたのだろうか)。主人公はわたしよりいくつか歳下で、ちょうど数年前の自分みたいな考え方をしていて、本当なんだか自分みたいだった。

BE AT TOKYOのウェブサイトにて昨日インタビューが公開されました。なんだか大きな言葉が並んでいて、小走りに逃げて物影に隠れたくなるような気持ちも少しあるのですが、わたしとしてはたまたまそこに自分がおり、たまたまそこに自分の想いがあった、ということに尽きると思っています。多岐に渡って色んな話をする機会をいただき感謝しています。いろんなこと、自分自身のこと、改めて考える良いきっかけになりました。取材場所は地元池上です。よろしければご覧くださいませ。

健やかな、日々でありますように。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?