見出し画像

なぜ私が未だにフィル・ゴードンの『緑本』を初学者におすすめするのか

みなさまこんにちは、のぞみん(@NozomiN_Poker)でございます。

2021年9月に、ポーカーを新しく始めた方向けにおすすめの本を紹介したnoteを公開しましたが、多くの反響をいただき嬉しく思います。

さて、今回は上の記事で取り上げた一冊の本について私なりの意見を述べていきます。

なお、この記事もよろしくポーカー初級者向けとなっております。

中上級者の方には「なにいってんだこいつ」と思われるかもしれませんが、そのときはブラウザバックをお願いいたします。

『緑本』ってなに?

今回取り上げるのは5年以上ポーカーをやっている人なら誰しもが読んだことがあるであろう名著『フィル・ゴードンのポーカー攻略法 入門編』(通称『緑本』)。

著者であるフィル・ゴードンは生涯獲得賞金230万ドル超す世界最高レベルのポーカープレイヤーであり、彼が今までに対戦してきた実戦の中から、また彼が多くの後陣に教えを授けることで逆に学んだことの全てを15年間ノートに取り続けた知識の全てを詰め込んだ一冊です。

確率、分析、哲学、心理学、戦略、数学といったポーカーに必要な知識・情報が分かりやすく書かれており、ポーカープレイヤーの間で長年「バイブル」として愛されてきた本です。

『緑本』は化石なのか?

原著『Phil Gordon's Little Green Book』が発売されたのが2005年、翻訳されて日本で発売されたのが2010年と、発売から10年以上経過しています。

現在では、GTOやsolverと言った概念が浸透しプレイヤーが最適解を見つけることが容易くなったため、「『緑本』に書いてある戦略は通用しない」「もはや化石」とまで言われるようになります。

もちろん、現代ポーカーではあまり通用しない戦略も紹介されていたりします(何しろドンクベットという概念がない時代の本なので……)。

しかし、昨今新規ポーカープレイヤーが急激に増えたこと。そして、その新規プレイヤーが少しでも「ある程度勝てるようになりたい」と思っているなら、あえて「化石」であるフィル・ゴードンの『緑本』を初学者におすすめします。

正直な話、化石と言われている『緑本』でも、読んでおけばエムホールデムならプロフェッショナル帯、ポーカーチェイスならダイヤモンド帯になることも可能です。

それほど、ポーカーアプリの中ではポーカーの基本ができていない人が多いのです。

『緑本』が物足りないと感じてもらって初めて、他の書籍やGTOの勉強、solverの解析などを行ってもらえればと考えています。

私が未だにフィル・ゴードンの『緑本』を初学者におすすめする理由

理由1 文字が大きく1ページあたりの文字数が少ない

私が緑本を推す最大の理由がこれです

今現在、日本で出回っているポーカーの専門書のほとんどはあまりに文字数が多く、文字も小さくなっています。

参考までに、同じく初級者向けと言われている『エド・ミラーのポーカースクール』は、1ページあたり最大31字×27行の837字で構成されています。

それが300ページ以上もあるのですから、ポーカー初級者が読むにはハードルが高いと思います。

それに比べて『緑本』は1ページあたり最大27字×23行の621字で構成されています。

数字上ではそこまで差はないかもしれませんが、箇条書きのところや図表が豊富なため、視覚的にはかなりの差を感じます。

近くに大きな書店がある方はぜひ一度、両者を見比べてみてください。

ポーカー初学者にとってどちらがとっつきやすいかです。

理由2 巻末の用語集が充実している

ポーカーを始めたての方にとっての鬼門が「専門用語の多さ」でしょう。

ポーカーはアメリカ発祥(諸説あり)のゲームなので、専門用語はほとんど英語で難解です。

例えば「スーテッド」「アンダーザガン」「インプライドオッズ」「ダブルベリーバスター」などなどなどなど…………

大体のポーカープレイヤーなら理解できるのですが、初学者にはさっぱりだと思います。

『エド・ミラーのポーカースクール』は、それなりの知識がないと読むのに苦戦してしまいます。

一方『緑本』も専門用語が出てくるには出てくるのですが、巻末に用語集があるので、読んでいてわからない用語が出てきた場合にすぐに調べることができます。

理由3 簡単にではあるが確率まで網羅している

『緑本』第8章「確率と数学」では、いわゆる「4倍と2倍の法則」のほか、「ポットオッズ」についても言及されています。

このあたりは現代ポーカーでも通用する(と言うより知っておくべき)知識です。

ポーカー初学者が他と差をつけられる部分かと思います。

理由4 情報が古いとは言えポーカーアプリ内なら十分通用する

『緑本』の原著『Phil Gordon's Little Green Book』が発売されたのが2005年。

もうすぐ20歳になるこの本、やはり情報の古さは否めません。

しかし、それでも現代で通用するようなポーカーの基本が詰め込まれた一冊。

上記でも言った通りエムホールデムならプロフェッショナル帯、ポーカーチェイスならダイヤモンド帯でも十分通用します。

ちなみに私は最近ポーカーチェイスしかプレイしていませんが、ダイヤモンド帯でも『緑本』で言われていることができていないプレイヤーは多いです。

理由5 AmazonのKindle Unlimited会員であれば無料で読める

『緑本』を始めとした「フィル・ゴードン」シリーズはAmazonのKindle Unlimited会員であれば無料で読むことができます。

「エド・ミラー」本はまだKindle Unlimitedの対象になっていないため、書店や通販などで購入する必要があります。

まとめ

以上が私が『緑本』をすすめる理由です。

正直なことを言うと、成功している昨今の若いポーカープレイヤーはこんな古い本を読んでいないと思っています。

でもそれは、もとから「ポーカーうまくなりたいから勉強するぞ!」という意識があるから難しい書物やGTOなんかで座学ができているのです。

そうではなく「なんとなくだけどポーカーで勝てるようになりたい」という方には、今回の『緑本』はおすすめです。

「ポーカーアプリで勝てないけどガッツリ勉強するのもなぁ」という方にこそ手にとって頂きたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?