楽しいことをする

今日は代休だった。

休みの日にしかできないことをしてリフレッシュしたくて、焚き火に行ってRRRという映画を観に行くという計画を立てていた。しかしめんどくさい。めんどくさいしめんどくさい。
独身の大人には休みの日に一日中家で寝るという選択をする自由がある。小雨が降っていて焚き火は無理かなと思ったし、最近気分が陰寄りなので家で寝ていようと思った。そのほうが楽。家にいるのは間違いなく楽。気づいたら出かけるのをあきらめるしかない時間になっていたらいいのになと思った。そんな考えが行ったり来たりして、最終的に「今日の計画を昨日SNSに書いちゃったから」というしょうもない見栄で計画を遂行することにした。

近所の薪屋さんに薪を買いに行く途中、友達から連絡が来たので電話で仕事の話などをした。気持ちわかる〜と思ったり、自信を持ってほしいと思ったりした。人のことだと軽やかで健やかで優しくて前向きなことが考えられる。自分のこともひょいと軽く扱いたい。

準備をして(わたしの焚き火は電車移動で全て荷物を手持ちなので「ぐりとぐら」みたいだなと思う)焚き火をする場所に向かう電車で、突然不安に襲われた。たまにこういうことがある。生活に支障をきたさないけど、健康ではない状態。頭の中に嫌な妄想が広がって、帰りたくなる。同時にM-1の決勝進出者発表の動画を見て感動もしている。感情がごちゃごちゃ。
家に引き返して、もう何もかもなしにして映画も観るのやめようかな…と思ったけど、行き先のほうが近いようなところまで来てしまっていたので帰るのをあきらめて焚き火する場所まで向かった。
駅から歩いて焚き火する場所に向かう時もなんとなく不安で、全く楽しくなかった。

バーベキュー場には、わたし以外に二、三組くらいしか人がいなかった。休みの日に行くとおしゃれで高度なキャンプをしている人が多いので、この状況なら堂々としょぼくれた焚き火が楽しめる。
焚き火をするのは三回目だったので、空気を送ると炎が大きくなるとか、細い薪から始めるといいとか、改善点がわかってきていた。今度焚フレ(焚き火フレンド)と焚き火をする予定なので、「お湯を沸かす」「肉を焼く」ということができるのか試してみるのが今日の目的だった。

細い薪に火をつけて、買ってきた火吹き棒で空気を送るとすぐに大きな炎が生まれた。その上に適当に網を乗せて、百均で買ってきた直火OKの鍋でお湯を沸かしてみた。おしゃれさはない。拍子抜けするほどあっという間にお湯が沸いて、「お湯を沸かす」が成功した。嬉しい。
大きな炎がキープされていたので、買ってきた肉を焼いてみることにした。適当に網に乗せて少し様子を見て、すぐにひっくり返したらいい具合に焼けていて、焦げることもなく焼き肉が完成した。買ってきた焼肉のタレを紙コップに入れて、それにつけて食べた。おいしい。楽しい。「肉を焼く」もできた。

電話していた友達から自己PRの文章が送られてきたので、ここをこうしたらいいんじゃないかと添削した(そんな話をしていたので)。炎はぼうぼうと燃えていてあたたかい。添削するのは楽しい。時間をかけて完成させて送る。達成感があった。

本格的に寒くなってきてから焚き火をしたことがなかったので、今回改めて、焚き火はあたたかいということがわかった。人がいないのでいつも聞いているミルクボーイのラジオを大きい音で流して楽しんだ。この頃には不安感はゼロで、火のことしか考えていなかった。火を好きになりすぎて、街を燃やしたりする人になってしまったらどうしようという不安はあった。

もしかして、わたしの不安は暇だからなのかな…?となんとなく思っていた。そして今日の計画を達成できたのは、「好きな住民」という日記を書いて、心地よくなることを選べる人の魅力を再認識してそれが少しだけ心に残っていたのも理由だったのかなと思った。自分の小さな思いを文字にすることは大事なのかもしれない。と思ってこれも急いで書いた。
漫画を読むことすらめんどくさくなっていたけど、楽しいっぽいことはやっていきたい。

これから映画を観に行く。すごく面白いらしくて、感想を書いている人達はみんなどうかしているようなテンションになっていたのでわたしもそうなりたい。

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