ロッテ・佐々木朗希投手と阪急・山口高志投手

 前の記事の続き(?)です。

 「佐々木朗希投手に施術がしたい! あのケガは私の案件だと思うんです!」と、アポイントメント無しに押しかけて大学時代の先生相手に、100%素面・100%本気でくだを巻くというか駄々をこねていたら、「ファンなの?」と訊かれました。
 う。……。ファンなのか、と言われると素直にそうとも言いにくいので(なんせ試合は見ないしSNSとかも追ってないし)、いや、あの投球フォームの美しさがですよ!とひとくさり語って、「だからあのフォームが、ケガなんかで変わるようなことがあってはイヤなんですよッ!」と締めくくると、「ああ、それでわかった」とひとり納得された先生は、佐々木投手は阪急の山口高志投手と同じタイプの投げ方だと思う、佐々木投手に比べると身体の折る位置が低かったように思うけれど、あの人も、当時の標準からするとずいぶん速い球を投げていたよ、と言われました。

 帰宅してからYouTubeで確認すると、……うーむ、確かに。先生が言われたとおり、山口投手と佐々木投手では〈前転〉の軸の位置が違っていて、山口投手のほうが低いから印象は少し異なりますが、タイプはまったく同じです。
 は――、素敵。やっぱりこの型で投げる人はいるのだな……山口投手のフォームに感じ入るとともに、突撃されて整体屋の自論を無理やり聞かされて、なのにすぐに連想を開いて新情報をくださるなんて、先生もどんだけすごいねん、頭が下がりました。

 先生は、「山口投手は腰を悪くされたんでなかったかな」と記憶を手繰られ、もしもそうであるなら、投球のリリースの瞬間に肩を傷めがちな通常フォームに比べると、〈前転〉型のフォームは軸を支える筋肉周辺を傷めがちなのかもしれません。軸が少し高い佐々木投手の場合は内腹斜筋に負担がかかり、少し低い山口投手は腰に負担がかかる(腰のどのあたりかまでは確認してませんが)――その差も、そう考えると納得です。


 ちなみに、野球少年なお客さん(もちろん私よりずっとお若いかたです)に山口投手の話をすると、「知ってます! めちゃくちゃ速かったって有名ですよ」とおっしゃってました。またもや、私が知らなかっただけのようです。やれやれ。

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