続・〈ストレスへの施術〉のタイミングを考える

 「〈ストレスへの施術〉のタイミングを考える」の続きというか追記です。

 まずは、これまでに私が理解したことをまとめると——、
 みぞおちに〈モヤモヤ〉が溜まる状況には二通りがあって、ひとつは、過去の深刻なストレスが芯にあって、それによく似た状況でストレスを受けると反応しやすくなっている。この場合、芯のモヤモヤが改善できると、ストレス耐性がぐっと向上する可能性がある。
 もうひとつは、芯になる深刻なストレス状況は経験していないけれど、日常的にそこそこしんどいストレスに曝されていて、日常的にモヤモヤが溜まる。

 そして私の疑問は、このふたつ目の場合に、実は隠れた芯があるのか・ないのか、だったわけです。
 で、拝見する限りいかにも芯は無さそうで、ご当人的にも芯的経験の心当たりは特に無く、けれど日々の日常的ストレスには大いに心当たりがある、とおっしゃるお客さん(=Pさん)に施術していて、「必ずしも芯は必要ないのかもしれないな」と結論しました。
 芯があると事態は深刻になるけれど、特段、芯が無くてもストレスは溜まる、と、ごくまっとうな結論です。

 ちなみに〈みぞおちのモヤモヤ〉というのが私の〈交感神経ストレス仮説〉のキモで、〈ストレス状況に怒り・反発を覚えて、でもそれを「いま表現してはならない!」と強力に自制したことで交感神経に不具合が生じる〉みたいな理解です。それがみぞおちのモヤモヤとなって現れる。
 まあ、不具合と言ったって神経自体がどうとかなっているのでなく、消化不良の神経伝達物質がそこらへんでダマになってるとか、精々そんなことでないかと想像しますが。そうじゃないと、私の施術程度で改善できるとは思えませんから。

 で、そのPさんにそんな概略を話していると、「じゃあ私はずっとストレスが溜まり続けるということですか?」と訊かれ、とっさに、「あ、でも受け流し方は上手くなっていくのかも」。深く考えずに答えた自分の言葉に、私自身が納得しました。
 そうだ。人間が発達し・成長するものである以上、ストレスの効果的な受け流し方を自分なりに編み出して行ければ、今後、モヤモヤは溜まりにくくなるはず。これは大事なことです。

 芯がある人の施術がうまくいったときほどには、パッと目立った大変化は生じないかもしれませんが、日々溜まったモヤモヤを適当にごそごそ施術で散らしつつ、日常のストレスを適当に受け流す訓練を積んで行くことができれば——、そしてそれらを受け流せる度量がやがては身に付くとすれば、それこそが本質的な〈改善〉と呼べるでしょう。
 これは大事な、良い納得だと思います。もちろん、言うは易し、ではあるでしょうが……。

 別のお客さんとは、「私がみぞおちに施術するのでなく、〈このオイルでマッサージすれば自分でモヤモヤがほどけますよ〉みたいな手立てがあると、来店してもらう手間が省けますよね」という話をしてました。まあ、そんなオイルがあるのかどうか、私自身はあんまりそういう意味での〈モノ〉に期待するタイプではないので、見つかる見込みは低いとにらんでいますが、言った以上は、近々それらしいお店に探索には行ってきます。何かしら、お、と思うものが見つかれば、また報告します。

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