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普段通りに、いつも通りに

路上で友人と話しながら歩いていて、騒音で聞こえづらくて何度か聞き返しているうちに、また耳の聞こえが悪くなっていることに気がついた。

思い返してみれば、2、3週間前から、相手に聞き返したり、聞こえたふりをすることが多かった。

3年くらい前から、メニエール病という病気にかかっていて…いや、でも病気というほど大袈裟なものではなく、ただたまにめまいを起こしたり、難聴になったりするだけなのだ。今年は症状が落ち着いていたので、完治したのかと思っていたがまた症状が出てきたらしい。

一時期、大学病院にも通院していたが、治療法が現時点では見つかっていない上に、担当医から「会社を辞めたらどうですか」と言われたので、病院に通うのを辞めた。

とはいえ、放っておけばそのうち治るので、症状がない時は自分でも忘れている。

めまいも、家でリラックスした時にしか出ないので、普通に生活する分には問題ないのだけど、少し厄介なのは、難聴の方だ。

オフィスなどの静かな空間では普通に聞き取れるのだが、テレビの音が大きかったり、街の喧騒の中で話しかけられると、全然聞き取れない。何回聞き返しても、同じ文章で話されると全く聞き取れないので、文脈を汲んで予測するか、諦めて笑って誤魔化すしかない。

相手に失礼だから、なんとかしなきゃなとは思うけれど、いちいち「私は耳があんまり聞こえない時があるので、聞き返すことも多くなってしまいます」と説明していかなきゃいけないのかなとか、でも「通年そういうわけでもないので」と言わなければならないのか思うと、普通に聞こえているふりをして、真面目に話を聞く気がない奴だと思われた方が、圧倒的に楽なのだ。

説明したところで、相手に態度を変えてもらう必要はないし、大きい声で話されても一定の音域が聞こえないので聞き取れないものは聞き取れないし、難聴はストレスが原因なことが多いから、過去の事情を聞かれるのも、話して同情してもらうのも、なんだかね…という感じだ。

noteにもあんまりこのことは書かないでおこうと思っていたのだけど、完治したときに、いま困っていることとか、感じたことを忘れてしまいたくないと思ったので、書くことにした。(忘れているだけで、もしかしたら以前にも書いているかもしれないけど…)もし、将来自分と同じ病気の人に巡り会ったとしても、同情したり、気を使ったりするのではなく、いつもと同じように、普段通りに接するのが1番なのかなと、いまはそう思う。

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