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大宅壮一氏が残した言葉「ジャーナリストの3つの要件」

「ここは青山のマーケット?葉山のマルシェ?」

長崎県と佐賀県の県境近くに広がる、のどかな田園風景。その真ん中に突然現れた平屋の建物。
そのたたずまいや集まっている人たちのファッションから、ここは見ておいた方がいいと直感して立ち寄った場所があります。
五島列島と吉野ヶ里遺跡、有田町を目的に出かけた、今年の春の旅行での話です。

ニューヨークのブルックリンにあるような建物、無造作に並ぶ原色の食器や雑貨、DJブースと音楽。入り口にはジビエバーガーを焼くキッチンカーや、スパイスチャイの鍋を煮立たせる人の姿……。
そこは、マルヒロという波佐見焼の企業の私設公園でした。公園の中に、私の目に止まったマルヒロ直営店や「KOUBA」というガレージなどがあります。

マルヒロのカラフルなマグカップは、10年以上前に近所の雑貨店で購入したことがありました。その後オンラインでも買い足しましたが、年齢問わず地域の人たちが集まり、彼らに愛される場所をつくっている企業だとは、サイトからは想像もできませんでした。

編集者になったばかりの20代の頃、当時の上司に「ジャーナリストにとって大切なことが3つある。本を読むこと。人に会うこと。旅に出ること」と言われたことがあります。かの大宅壮一さんの言葉だと聞いています。

以前ならなかなか手に入らなかったものも、今はスマホがあればすぐに見つけられます。
ただ、そのブランドが何を目指しているのか、どんな人に愛されているかを知りたければ、やはり遠くても面倒でもその場所に行って自分の目で見るよりほかにない。その思いを強くした旅のひとときでした。

(2023.8.10)

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