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東京日記13「ピアスの穴」

2023.12.20

今日は今日のこととかあんまり書く気分でもないので関係ない話します。
先日友人とピアスの話をして思い出したこと。

わたしは、耳に穴があいている。ピアスをつけるために、一つの耳に一つずつ。
大学生になってすぐ、ピアスがあけたくて友だちに教えてもらったレディースクリニックでお医者さんにあけてもらった。
中学生くらいの時にピアッサーで友だち同士あけているのを見ていた。わたしも誰かにあけてもらおうかと考えていたが、穴が斜めにあいてしまうと大変なことになると聞いたので、信頼できそうなお医者さんに行くことに決めた。今でも斜めにあくことで何が大変になるのかわかってはいない。

クリニックについて、名前を呼ばれて椅子に座らされて、穴をあける位置を確認した。耳たぶの下寄りにあけるのが流行っていると聞かされて、そうすることにした。今なら下寄りにすることはないかもしれない。流行りなんてなんの参考にもならないもの。
位置を決めたら、「はい、あけます」とそこからはあっという間だった。ただ、しっかりガツンガツンと耳に体にくる衝撃が2回。とても痛かったと記憶している。あけてもらって、そのままトイレに行ったら目の前が真っ白になった。貧血のように具合が悪くなった。あけるところを自分の目で見たわけじゃないのに、自分の体に穴があいたいという事実がなかなか怖かった。
貧血のような症状はすぐに治って家に帰る。

家族にピアスの穴あけたよと報告。
すると父があけたのか、となにかスッキリしないような返事をしたので理由を聞くと
「いや、だって体に傷をつけたってことだろう」と言った。

そうか、父にとっては大切な子どもの体に傷がついたということだったのか。
大切な、とかそういうことは言ってなかったように思うけど、なんとなく感じた。
大切なんだ。父にとって、わたしって。だからたとえピアスの穴でも、傷がついたことにもやっとした何かがあったんだ。

そんなこと、お父さんがそんなふうに思うなんて、一切考えてなかった。そうだったんだ。

そうだったんだと思ったこの時のこと今でもとても覚えている。忘れられないと思う。

ピアスをあけたこと後悔はしてないし、あの時父に相談して反対されてたら反抗したかもしれない。でもお父さんの気持ち少しでも考えてあげられていたらよかったなと思った。パピーごめんよ。
大切に思ってくれてありがとう。

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