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店舗からオフィス勤務へ。10年経っても色褪せないピープルビジネスへの想い 〈日本マクドナルド株式会社〉

合言葉はピープルビジネス。コミュニケーションで呼応する

マクドナルドは“ピープルビジネス”である。これは創業者であるレイ・A・クロック氏の「マクドナルドはハンバーガービジネスではない、ハンバーガーを売っている“ピープルビジネス”」だという言葉に由来する。インターンシップを経て新卒で入社した宮坂愛美さんは、社内のコミュニケーションを構築することでそれに貢献している。店舗で培った経験が今の仕事の糧になっているという。

原点はフィールド。ピープルビジネスに貢献したい理由

宮坂さんは現在、インターナルコミュニケーション部に所属している。この部署の役割は、日本マクドナルド(以下 マクドナルド)のブランド、つまりピープルビジネスをよりよいものにすることを目的に、社内コミュニケーションの戦略を立案し、社員やアルバイトスタッフ(以下 クルー)、フランチャイズ契約をしている企業(フランチャイジー)、ビジネスパートナーに向けて会社の戦略や方針などの情報を提供することだ。いわゆる”社内広報”である。

全社会議の開催、社内報の制作、メールの配信など、扱う業務は幅広い。普段は社内に向けたコミュニケーションのみを受け持つ部署だが、マクドナルドが今年で50周年を迎えたことを記念して作られた特設サイトを担当したのは宮坂さんだった。このプロジェクトには、クルーに対する彼女の想いが込められている。

「マクドナルドはクルーのみなさんに支えられている会社です。ピープルこそがマクドナルドの源泉であるということをサイトを通してお伝えすることで、ピープルビジネスというブランドの向上につなげたいという想いがありました」

宮坂さんは店舗(以下 フィールド)で実績を積み、店長(レストランゼネラルマネージャー、以下 RGM)の重責を担ってきた。マクドナルドのピープルの素晴らしさや敬意を伝え合う文化を肌で感じてきた日々、マクドナルドで働いていてよかったと思ってもらえるようにクルーと向き合い過ごしてきた日々が、ピープルビジネスに貢献する彼女の原点なのだ。

「伝えることに関わりたい」。訪れたチャンスに不安はなかった

マクドナルドには、PDS(Performance Development System)という人事評価制度がある。この自らのキャリアプランを策定する機会に、RGMだった当時の宮坂さんは次に目指したい場所として現部署名を書いて提出した。

「マクドナルドの”ファミリー”がピープルビジネスへの誇りを持って、同じ価値観を共有しながら働くことができるよう、ピープルビジネスの良さを伝えることに関わりたい、それを理想の形で体現できるのはどこだろう?と考えたら、インターナルコミュニケーション部でした」

2,000名を超える社員の中でインターナルコミュニケーションに携わることができるのはたったの3名しかいない。まさに少数精鋭の部署である。「なかなかチャンスはないだろう」と思っていたが、前任者が異動になった際に声がかかり、描いていたプランが現実のものとなった。

フィールドとオフィスの働き方が異なるであろうことは容易に想像がつくが、新しい環境に飛び込むことに不安はなかったのだろうか。

「不安というのは正直なくて、楽しみの方が大きかったです。新しいチャレンジにわくわくしていました」

転職をするような気持ちで臨んだ異動の面談では、「自分にもやっていけるのか」という考えが頭をよぎった。しかし、宮坂さんにはフィールドでの経験がある。7年積み重ねたキャリアに自信を持っていた。

理想の形で貢献するために。経験を武器に異世界で見せた奮闘

「飛び交う言語が違うので、本当に転職した気分でした」

オフィスで働きはじめた宮坂さんは、フィールドとオフィスの違いをすぐに実感することとなる。フィールドでは、そこで働く社員やクルーとの日々のコミュニケーションに尽力してきたが、今いる所で求められるのは、数か月や半年先を見据えたコミュニケーションだ。この”時間軸の違い”に衝撃を受けながらも、フィールドでの経験を支えに前進し続けた。

「今お店に何の情報が必要か、どのタイミングが適切かなど、相手の気持ちや状況を考えて情報を精査することに経験が活きていると思います」

フィールドに対してコミュニケーションをする際は、このように情報の受け手が誰なのかということが考え抜かれている。さらに、文字を読む時間さえも惜しいほどに忙しいフィールドでも読みやすい文章にしようと、文の構成には工夫を凝らしているという。届けた情報を自分事として捉えてもらい、お客様のことを想った行動につなげてもらう。そして、その行動の質をより一層高めてもらうことが狙いだ。ピープルのことを想いながら紡がれる彼女の言葉はきっと、まっすぐに届いているだろう。

どんな未来も進んでいける。フィールドの経験が扉を開く

フィールドからキャリアをはじめることの価値を問うと、「マクドナルドの真髄はお店でしか学べない」という核心をつく答えが返ってきた。

「お店に貢献するために何ができるかを考える時にフィールドでの経験が役に立つ。ピープルビジネスを身をもって感じることで、どの部署に行ってもお店のことを考えた仕事のアプローチができるようになると思います」

フィールドを出発地点とするキャリアのその先には、様々な選択肢が待っているようだ。フィールドでピープルビジネスを実践し続ける道もあれば、宮坂さんのようにオフィスからそれを支援する道もある。どの道を選んだとしても、フィールドで目にしたこと、耳にしたこと、成し遂げたことのすべてが、かけがえのない財産となるはずだ。「フィールドであれ、他の部であれ、ピープルビジネスの真髄に対して貢献できるというのは間違いない」。彼女の言葉には説得力があった。

宮坂さんのキャリアは来年で10年目を迎える。彼女のピープルビジネスに対する想いは、色褪せるどころか深まり続けているように見えた。今日もその想いを形にしているに違いない。

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