聴いてもらえなかった話


人に聴いてもらえず、話すのを諦め、心の奥底で歪みのようになってしまっている話をする。

これからする話は、全て私から見たものであり、私の主観である。とても偏っている。登場する人の実際は分からない。私も知ろうとしなかった。つまり、私も聴いていない話になるのだが。

それを踏まえて読んでほしい。


バイト先に、本当に仕事をしない人がいた。
これをAさんと呼ぶ。

引き継がれた仕事をほぼせず、時間がありませんでしたとまた引き継ぐような。
そればかりか、マニュアルにないことを自己判断でお客様に伝えてしまったり、マニュアルに書いてあることを自己判断ですっ飛ばしたり。融通を〜の範囲ではないレベル(マニュアルが大事な仕事なのでとても困った)。
その場しのぎのため、別の人が被害をこうむることになり注意はされていたが、流すような人だった。

職場からの電話に出ない、シフト出さないはしょっちゅう。シフトの時間に来ないまま、電話をしても出ず、穴を空けることも。電話は気づかなかったではなく掛かってきてないと言っており、すぐにバレるような嘘をつく人だった。

明らかな人為的ミスを指摘した際、「この店幽霊出るって知ってます?」と幽霊のせいにしてきた時は、あまりにもアホらしすぎて注意するのも馬鹿らしくなった。

こんな感じの人なので、仕事の引き継ぎがなされていないことが続いた際には疑われてしまうと思う。実際疑われ、私から注意をするようにと言われた。関わりたくない気持ちが強く、必要最低限しか関わっていなかったのだが、頼まれたからにはやらねばなるまい。

それとなく伝えるか…と雰囲気の良い時に「引き継ぎができていない時があったから、気をつけて」(実際はもう少し柔らかくだが)と伝えた。

するとどうだ

引き継ぎましたけど?
誰かが(引き継ぎを書いたメモを)捨てたんじゃないすか?等

とにかく自分のせいじゃないの一点張り。
まあそうなるよな、実際そうだったのかもしれないし。でもこっちも言われただけなんだよな。(一応証拠なるものがあるから伝えてほしいと言われているわけではあるのだが。)

Aさんはそのまま拗ねるだけ拗ねて、最終的に無言になり帰宅。
私に伝えてと言った人に結果を伝えると、まあ変な言い方はしてないでしょう?と言うだけ。あとは知らんぷりであった。

そのままAさんとの関係は悪化した。(Aさんは別の人に散々愚痴をこぼしていたらしい)

この流れから分かっていただけると思うが、Aさんには幾度となく話を聴いてもらえず困らされてきたのだ。


さて、ここからメインは別の人にうつる。
Bさんと呼ぼう。

Bさんも同僚で、親しかったため、これまでにもAさんのことはよく相談していた。

今回のことがあって、ついに私は爆発してしまった。
延々とAさんの話をし続け、最終的にAさんの愚痴に繋がってしまったのだ。

有る事無い事ではない、有ったことを延々と言い続けていた。
伝えてと言われたから伝えたにも関わらず、何故私に感情をぶつけられなければならないのか。何故伝えてと言った本人は関係ないふりをするのか。私が悪いのか?!今までどれだけ困らされてきたか分かってんのか!…と思ってしまうほどに、とにかく心が限界だった。
心の底からのSOSだった。

話をしている間、Bさんはゲームをしていた。序盤からずっと。まあまあそんなにカッカするなってと言い、こちらを全く見ていなかった。
消化不良である。私がほぼ泣きそうになりながらグチグチと言葉を並べ続けていたら、くるりとこちらを向き、怒鳴った。

とても大きな声で、怒鳴った。

衝撃すぎて何を言われたかは覚えていない。

何もかもがスーッと引いていった。その後のことは本当によく覚えていない。ひと通り怒ってスッキリしたのか、またゲームに戻った…はず。そのまま特に何もなく日常に戻った…はず。私は戻れなかったが。


限界を迎え、ただの愚痴となってしまい、それを延々と続けていた私も勿論悪い。

しかし、こちらが真剣に話しているのにゲームをし続け、上の空で、まあまあばかり言うのはどうなのだろうか。

その上、怒鳴られた。
怒鳴るか?

私が悪いのは充分分かっている。愚痴を延々と聞かされるのはつらい。申し訳ないことをしたと思う。

ただもう少し私が辛い思いをしていることを気にかけてくれたら。


私がBさんの相談や愚痴を一度でも適当に流したことがあったか?

ゲームをしながら、スマホを弄りながら聞いていたことがあったか?

Bさんの感情を蔑ろにしたか?


家庭環境が辛い話も、仕事の辛い話も、対人関係で悩んだ話も、これまでどんなにつらい人生を歩んできたかという話も、私は全部覚えている。100%ではなかっただろうが、とにかくよく聴こうと心がけていた。

今までそんな風に聴いてくれた人はいなかったとBさんは言ってくれた。
私はそれがとても嬉しかった。

Bさんも聴いてくれるのだと思っていた。


これ以降、Bさんと積極的に連絡を取ることはなくなり、もうBさんの話を聴くことはなくなった。

Aさんは仕事を辞めた。


まあそんな特にオチのない聴いてもらえなかった(同時に聴かなかった)話である。

私にも悪い所があるから、人に話しづらかった。この文章でもきっと自分の悪かった所をしっかり言葉にできていないと思う。
見つめ直せる日が来たら、書き直すかもしれない。


最後まで聴いてくれてありがとう。


アメ

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