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言語が絡むと簡単に、意図せずレイシストになる日本人がいる。悲しい事実。

レイシスト Racist 人種差別主義者
と聞いて何を思い浮かべますか?

迫害、暴力、個人の能力や資質・性格を無視したレッテルばり。偏見。

黒人差別に始まり、白人至上主義。劣等民族としてどこぞの人種を扱う。
未だ人間が解決できていない問題の数々の根っこに無自覚の差別がある気がしますね。

レイシストと言われると、結構激しいことをしている人たちが思い浮かびますが、もっと身近にありえるのです。

こと言語が絡むと簡単にレイシストになってしまうケースを散見します。今日は実例を交えてそのあたりを紹介できれば。

人種差別と能力での区別

言語学習者の中には、人種差別と能力差の区別がついていない人がいます。
平気で「白人のあの人が言うからこの英語が正しい、インド人のあなたの英語は間違っている」などというわけです。英語の正しさと人種は全く関係がないから。

「英語ネイティブが言うから正しい」と言うならわかります。
殆どの場合それで問題ないでしょう。

でも、相手がインド人だったり、フィリピン人だったりすると英語の間違いを指摘された時に素直に聞けない。そして、比較として「白人のオーストラリア人の友達は〜でインド人のあの人は間違っている」などと主張する。

その言い回しは、ど真ん中レイシストです。

悲しいかな、これは実話です。
白人のお友達がいらっしゃる方に見受けられたケースです。そのお友達も、特に意識していないのにレイシストの片棒を担いでいるとは思ってないかと。

「白人」も「オーストラリア人」も「インド人」もそれを枕詞に個人について言ってしまえば、差別です。個人の英語能力と国籍や肌の色は切り離して考えるべき要素です。

英語ネイティブの定義

ちなみに、よくある偏見で、これももういい加減うんざりだと思ってる人も多いと思うのですが、

英語ネイティブ=白人

の構図って偏見ですからね。英語ネイティブは、英語を母語として使っている人たちのことだと思うのですが、

母語=幼時に自然に習得する言語。

なので、人種や国籍、住んでる場所など全く関係が無いです。インド人でも母語英語(英語ネイティブ)とかあるし、黄色人種でも母語英語(英語ネイティブ)とかも全然ある。想像すればすぐわかることだと思いますが。。。

Eigoooを運営していると、白人から教わりたいです。っていうフィードバックを受けることがあるのですが、さすがにそれは、、、。と思ってます。ほんとに。

グローバルな感覚が大事。

スキルとしての英語ももちろん大事ですが、英語を勉強してこれからグローバルな人間になろう人には、それと一緒にグローバルな感覚も養うべきです。ていうか英語以前に身に着けてほしい。

文化と文化の接点になる人間がレイシストでは目も当てられない。
なんのためにわざわざ英語を学ぶのです?

多様性を理解して、目の前の1個人について偏見で語らないでほしいのです。

差別と区別がわからない人のための例文

どんな表現が差別になるのか明示しておきます。それすらもわかってない人が多いのではと危惧しています。

差別的な表現
「あなたは日本人だから英語が下手。」

非差別的な表現
「あなたは英語が下手。」
「日本人は(平均的に、比較的に)英語が下手。」

対象の個人の属性をもとに、その人について何か判断をすることは差別になります。
一方で、個人の能力について判断するのは特に差別にはなりません。失礼かどうかは別ですが笑

また、ある属性全体を統計的に判断するのも差別にはなりません。ただ、この場合は注意が必要です。統計的に間違いが導かれる場合があるからです。

統計的を利用した差別

日本人は諸外国と比較して英語ができないことは、各英語試験の平均点を見れば明らかです。
そのため「日本人は比較的英語ができない」は真で、差別ではありません。

ただし、この事実を持って「だから、日本人は言語学習能力が低い低脳な民族」と言ってしまうと差別になる可能性が高いです。

「英語試験の点数が取れない=英語ができない」までは正しくても、
「英語ができない=言語学習能力が低い」までは、100%真だと導けないからです。

“可能性が高い”としたのは、1要因としてもしかしたら本当にそれが該当する可能性があるからですが、他の要因として、
- 英語の学習の方法が悪い
- 島国で英語が必要性が低く、学習モチベーションが比較的低い
- 母語と英語の違いが大きく、英語習得のハードルが他の言語を母語とした場合と比べて高い。
などさまざまな“言語学習能力”とは別のものが簡単に挙げられます。
この状態では、「英語ができない=言語学習能力が低い」までは、100%真だと導けずそう言ってしまうと間違いですし、ただの根拠なき罵倒になってしまいます。そして差別につながると。

統計のミスリードはそこかしこにある。

前述のようなわかりやすい間違ったケースばかりであればいいのですが、いろいろなメディアで統計をミスリードに使っている(意図せず使っている)ケースが多々あります。

ご自身の発言もそうですが、そういった外部のソースの言っていることも統計的に、科学的に正しいかどうかは都度判断して行く必要があります。

過失的なレイシストにならないために。

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