見出し画像

ぜんぶGIGAのせいだ

年末にGIGAスクール構想がぶち上げられて、教育界の一部がテンヤワンヤしてます。高知県に住む1人の教員として「危機しか感じない」ので、知らしめます。

GIGAスクールって?

GIGA = Global and Innovation Gateway for All だそうです。GIGAスクール。文科大臣様からも以下のようなメッセージが。

12 月 13 日に閣議決定された令和元年度補正予算案において、児童生徒向けの1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備するための経費が盛り込まれました。
Society 5.0 時代に生きる子供たちにとって、PC 端末は鉛筆やノートと並ぶマストアイテムです。今や、仕事でも家庭でも、社会のあらゆる場所で ICT の活用が日常のものとなっています。社会を生き抜く力を育み、子供たちの可能性を広げる場所である学校が、時代に取り残され、世界からも遅れたままではいられません。

取りやめになっちゃった英語の四技能とか、共通テストの記述とか、あれよりも強烈なメッセージですぜ。これ。予算つけるから、やるぞと。PCは文房具と一緒なんだよ。マストアイテムなんだよ。でも、急に言ったら「揃えられない!」とか文句言うんだろ。だからさ、予算つけるから。文房具に予算つけるから!文房具を使える環境にも予算をつけますからー!

と言っているように感じてます。実際に、関わっている方の話を直接聞いてきたのもありますけど「マジやるしかない」が伝わってくる。というか、教育に対しての危機意識がスゴイ。ここまで熱くなって取り組んでくれていることに感謝です。

『未来の教室』プロジェクトで、学びをSTEAM化や個別最適化しようとプロジェクトを動かしているのは経産省。文科省じゃないです。浅野大介さんは教育のイベントに飛び回って後援されている素敵な方。HeroMakersでもお世話になっております。文科省だけじゃなく、経産省もなんですよ。ここに総務省も内閣官房もタッグをくんで、「やる」って。これは、ラストチャンスでしかないです。

児童生徒1人1台コンピュータ

そんなことして大丈夫なの?という、ありきたりな声が学校現場から聞こえてきそうです。子どもなめんな。スマホもってても、ちゃんとやることを指示したら試料取ってくるし。わかんないところは駆使して理解しようとするし。

そもそもPCを活用せよというのは「子供たち1人1人に個別最適化され、創造性を育める教育ICT環境を」ってことなんだけどね。個別最適化したら、学校ってところのひとは「まずい」って言うらしい。何がまずいのかよくわかんないけど。「学校が壊れる」とか「学校の威厳がとか」よくわかんないことを耳にする。

とにかく、児童生徒が使うことを好ましく思ってない環境が多くあることは間違いない。だから「学習者用端末の標準仕様」を例示して、1人1台ですよ!と。検討するとか、どうとかのレベルじゃないですよ。国が持たせよ!ですから。いままで何も言ってなかったのに「1人1台」ですもの。

学習者用端末

学習者用端末なんですよ。端末じゃなく。持たせろよ!ということでしょ。これ。で、例示されているのはiPadやChromebookやSurfaceっぽい感じなんだけど、「十分な通信ネットワークとクラウド活用の下でのブラウザベースでの活用が大前提」って書いてあるんよね。「クラウドはデータがどこにあるのかわかんないから不安だ」とか「インターネットに繋がったら何をされるかわからないからオフライン(もしくは、制限をかけまくってYouTubeとか見えないように・・・)」って、文鎮化思考を「だめー!」と言ってるような資料になってます。フツーの端末でいいんすよ。ブラウザでネットが見れて必要なアプリを導入出来て、個人持ちの。だって、鉛筆やノートと同じような扱いだもの。

校内LANの整備

「クラウド活用はもとより、大容量の動画視聴やオンラインテストをストレスなく行えること。」もう、動画見ること前提です。児童生徒全員が同時に動画視聴に耐えうる環境を作りましょうと。そのために、校内LANの構築に予算をつけますよと。「令和2年度までに、全ての小・中・高校・特別支援学校等で校内ネットワークを完備 (1/2補助)」ですって!令和2年度までにですよ。来年度までに!「うちネットワークあるからー、大丈夫!」じゃないですよ。児童生徒全員が同時接続できる校内のネットワークを作ることですから。結構厳しいと思う。ネットワークがあっても、全員が同時接続する想定なんてしたこともなかっただろうから。

で、恐ろしいのは、来年度までになんですね。それ以降、予算出ないってことですよ。もはや「考えるな、すぐやれ!」じゃん。これぐらい劇薬でいいと思う。検討したら、石橋を壊すまで叩くのが学校だから。前例がないって。前例のないことやろうとしてんだから!

全ての教職員がすぐに使えるように

学校でICTなんて活用したことない…(これに関しては、どうしてそれで仕事ができんだ?と不思議でならないのだが。言及するとまとまらないので割愛する)って教員がなぜかいる。活用のノウハウまで公表するから、「とっととやれや」と。全ての教職員がすぐに使えるように文科省の資料に太字で書かれていることがちょっと笑えた。生徒に偉そうに言う前に、やろっか。

ということを地方は…

この年末に、こんな動きが活発になっていることを地方(高知)は(たぶん)気づいてない。ボク自身はあちこち飛び回って、情報の出どころの方々と会うことでインプットしていて、それでも今回の勢いのよすぎる改革にビビっていますけど、この動きの熱量を肌で感じ取っているのかは疑問。

昔ながらの方法にだけしがみついて、なんとかなるって思っていたら大間違い!現状維持は右肩下がり。学校社会はこれまでそうしてきたわけで。地方の学校ほどそうしてきたわけで。これ、もう、待ったなしです。(実はこれまで待っててくれたんだけど)ある知り合いからは「衝撃に備えよ」と言われてましたが、それでもその衝撃に気づけないんじゃないかと。なので、年末のお休み返上して、GIGAスクールの資料まとめて放り込む準備です。

まずは、このサイトを読むといい。

調達仕様書の案まで出してくれてるし。

だから、情報をまとめるために、夜中までPCの前に。。。学校休みなのに。。。

ぜんぶGIGAのせいだ。いい意味で。


いただいたサポートは、誰でも教員と会って話せる『会いに行けるセンセイ』の活動に利用させていただきます。