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2023年の振返りとZENKIGENの2024年

明けましておめでとうございます。

2024年は、元旦に地震で幕が明けました。私は、妻の実家がある新潟にコロナ以降4年ぶりに帰省し家族で過ごしておりましたが、震度5の強い揺れを体験し震撼するところから1年がスタートしました。妻の実家は海からも近いため、人生で初めて高台に避難することになりました。結果的に大きな被害を受けなかったのですが、テレビやSNSの映像や画像がこの地震の大きさを物語っています。被災された方にお悔やみを申し上げ、いち早く復興することを願ってます。後述しますが、2024年は地震に航空機事故と凡そ想定できる次元を超した出来事で幕開けしましたので、激動の1年になる覚悟で経営して参ります。

さて本題ですが、2023年の振り返りとZENKIGENの2024年をまとめていきます。

2023年の数字的な振り返り

・創業6年で保有データ数は約470万件を突破し、1年間で168%増加するなど増え続けています。
・採用DXサービス「harutaka(ハルタカ)」の利用者数は295万人を越えました。これだけの多くの方に、人生の大きな岐路で使っていただくインフラになりました。
・2021年にリリースしたAIプロダクトで解析した動画数は26万件を突破し、こちらも加速度的に増え続けています。

■人と組織について

2022年4月に3名の新卒社員を迎え入れました。
4月に入社してまだ社会人経験一年未満のメンバーは既に最前線で大活躍してくれており、会社にもとても良い影響を与えてくれています。ついでながら2021年入社の社員は、先輩社員も驚くほどの活躍をしてくれています。間違いなく近い将来の柱としてZENKIGENを支える代になるでしょう。

去年と同じ感想ですが、このフェーズの会社に飛び込む自律性の高いメンバーばかりなので立ち上がりは非常に早く、既になくてはならない存在としてチームに貢献しており、やっぱり新卒採用をして良かったと強く思います。

続いて、採用DX事業での取り組みについて

■面接品質改善サービス『harutaka BI』の提供を開始

ZENKIGEN、採用DXサービス「harutaka」にて、面接動画のAI解析によりデータドリブンな採用施策改善を実現する面接品質改善サービス『harutaka BI』を正式提供開始

パーソル総合研究所の労働市場調査によると、2030年には約650万人の人手不足※が見込まれ、国内の人材獲得競争はますます激化すると予想されています。企業ではこれまで以上に人材を採用することの難易度が上がります。「採用力」は企業成長に大きなインパクトをもたらすことが予測され、テクノロジーやデータを活用した採用プロセスの高度化の必要性が高まっています。

※出典:パーソル総合研究所・中央大学「労働市場の未来推計2030」
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/spe/roudou2030/

企業の「採用力」を向上させる構成要素の一つとして面接品質の向上がありますが、現状では面接がブラックボックス化しており、その内容把握が困難な状況にあります。また、面接への同席や録画を通じて面接内容を明らかにしようとするケースでは、「面接数が膨大で調査に多大な時間を要する」「定性的にしか面接評価ができず、評価者によるばらつき・属人化が生じる」といった課題があります。

そこで、採用力の向上を目的に、面接品質改善サービス『harutaka BI(ビジネスインテリジェンス)』の提供を開始しました。面接動画データのAI解析により、「言語」「非言語」「時間」の観点から面接担当者ごとの面接スキルの可視化と定量化が可能となりました。
また、面接担当者の属性情報や応募者に対する評価結果など様々な採用関連データも含め、企業の面接品質向上を目的とした定量的且つ総合的な分析・検証が可能です。

先行事例の大塚商会様とUSEN-NEXT HOLDINGS様の取り組み概要はこちらをご覧ください。
ZENKIGEN、大塚商会と共同で面接動画のAI解析をもとに「面接担当者のタイプ別分類モデル」を構築
USEN-NEXT HOLDINGSとZENKIGEN、「就活維新 -RecruiTech® for U.-」にて、動画AI解析を用いた面接担当者のスキル可視化に着手

当然ながら『harutaka BI』は、ZENKIGEN完全オリジナルなサービスです。

昨年10月にラスベガスで開催された世界最大のHRテクノロジーカンファレンスに5年ぶりに参加しましたが、面接をここまで科学している会社もサービスも存在しないことが明確になりました。HR領域の中の面接という狭い領域ではありますが、我々が世界最先端であるということは大きな自信であり誇れる実績だと思いますので、今後は更なる深掘りと領域を広げていきます。

続いて主なメディア掲載とアワードをいくつか抜粋して。

■主なメディア掲載

・朝日新聞にて、採用活動における「harutaka」の活用について取材

2022年11月にリリースされた「ChatGPT4」を機に、今年はAIとの共存について多くの方が考えた一年だったのではないかと思います。USEN-NEXTグループは、5年前よりエントリーシートでの応募をやめ、弊社「harutaka」の「エントリー動画」を導入いただきました。動画は採用担当者様の評価に加え、AIが人柄や論理性などを定量化します。また、「ライブ面接」も活用いただき、AIから助言される面接担当者の話し方や表情などのフィードバックを参考にしていただいております。

実際の記事はこちらからご覧ください。(有料記事となります)
https://www.asahi.com/articles/ASR4Y5GFLR4NULFA01V.html

・J-WAVEのラジオ番組「STEP ONE」に出演

2023年9月より、「NewsPicks」のプロピッカーを務めており、NewsPicks×J-WAVEのコラボ企画でNewsPicksプロピッカーが気になるニュースやトピックスを専門的な視点で読み解くコーナー「SAISON CARD ON THE EDGE」に出演させていただき、「24卒就活生の55.8%が「内定後」に辞退。学生の本音は?」の記事についてお話しさせていただきました。

元々「企業が学生を選ぶ」新卒採用でしたが、今は「学生が企業を選ぶ」ものになっている中、内定を出しても多くの学生が辞退してしまい、内定承諾率の低下に悩む企業が多いという記事です。この問題点について、内定辞退者のうち約75%が「面接官の態度」を理由に決めている点をあげました。

より良い面接体験を与えるためにも、harutakaのAIを活用したアプローチ方法を紹介させていただきました。

詳細はこちらからご覧ください。
https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/ontheedge/10164.html

■主なアワード

厚生労働省主催 令和5年度「輝くテレワーク賞」(テレワーク推進企業等厚生労働大臣表彰)にて特別奨励賞を受賞いたしました。

ZENKIGEN、厚生労働省 「輝くテレワーク賞」で特別奨励賞を受賞



ZENKIGENは、社員の様々なライフステージに寄り添った働く環境の提供を目的として、創業時の2017年より現在まで一貫してフルリモート・フルフレックスの制度を推進しており、その取り組みを評価いただき、今回の受賞となりました。

これまでもHRテクノロジー大賞など、様々な賞をいただいておりますが、国からの表彰は初めてなので、とても嬉しいです。今後は、経済産業大臣賞や内閣総理大臣賞をいただけるような会社に進化していきたいと思います。

当日の動画や資料はこちらからご覧ください。

■初のお客様感謝祭

昨年11月に若手社員が企画しZENKIGEN初のお客様感謝祭を実施し、50名近いお客様に集まっていただきました。
お客様から、こんなに楽しい交流会は初めてとか、他の企業の人事の方と話せて学びになったとか、harutakaがなければ採用できないほど助かっているとか、ZENKIGENの社員はみんな良い人ばかりとか、どうやったらこんな優秀で気持ちの良い人を採用出来るのか?という嬉しい言葉を多くのお客様に仰っていただきました。

今年一年で最も多幸感溢れた、涙腺を抑えるのが1番辛い1日となりました。
いつもご利用いただいているお客様と、日々サービスを進化させ、お客様に届けてくれている社員、関係する全ての方に感謝しかありません。

孫さん、柳井さん、永守さんが共通して仰る「1人では何も出来ない」を改めて実感する1日となりました。
今後は、このような機会を多く設け、お客様同士の交流を通じて採用の高度化に貢献して行きたいと思います。

■人的資本経営推進協会の活動

ZENKIGENの活動とは直接は関係ありませんが、私が立ち上げ代表理事を務めている一般社団法人 人的資本経営推進協会も2023年は本格的に活動しておりました。

特に11月に開催したカンファレンスは、経済産業省/ 金融庁/ 経団連に後援していただき、本気で人的資本経営に取り組んでいる先進企業のCHROの方々にご登壇いただき、リアル参加者は、CHROを中心に人事の方が100名、後援していただいた経産省、金融庁、機関投資家、メディア、スポンサーの方など合計200人の満席、オンラインで約800名、合計約1,000名の方にご参加いただきました。

https://hc-m.org/summit/2023/

終了後のアンケートでも満足度が92%と、初の試みでしたが大成功と言って良いイベントを開催することが出来ました。しかしながらイベントを成功させるために協会を作ったのではなく、「三方よし」、「人本主義」など企業は利益だけでなく人を大切にし、事業を通じて社会の発展に貢献するという日本古来からある日本型経営により企業価値を向上して行くことを目的にしています。人的資本の開示が始まった元年で立ち上がった協会の活動により、多くの企業が人的資本経営に力を入れていくきっかけになるよう継続して活動していきます。

「人的資本にファイナンス思考」というタイトルで日経新聞に私の考え方を取り上げていただいた記事はこちらです。https://www.nikkei.com/article/DGKKZO69548470U3A320C2TCJ000/

2023年のテーマであった「盤石」について


毎年社員総会ではその年度のテーマを発表していますが、2023年は「盤石」でした。盤石とは「成長」とか「飛躍」とかと比べると地味な感じがしますが、大きくジャンプするためには一度屈むように、近い将来成長が急加速する時に備えて「盤石」にするという極めて前向きなテーマです。

高層ビルが、岩盤に杭を深く打ち込むことであれだけ高いビルが立つように、ZENKIGENが大きく飛躍、進化するためにも岩盤に杭を打つように地盤を固め「盤石」な会社、組織、プロダクトにする1年にするということです。

ことあるごとに「盤石」と言い続けた結果、社内の至るところで「盤石」がキーワードになり、あらゆる場面で意思決定の基準となりました。特にプロダクトとセキュリティについては盤石と言えるレベルに向けてメンバーがかなりコミットしてくれました。

このフェーズで全社一丸となり、将来を見据えて「盤石」に向けた行動で一致出来たことは、強いチームだと言えると思います。

また組織の面でも「盤石」と言えることがありました。

グロースするスタートアップが組織崩壊を起こしたことがあるというのは良く聞く話ですが、事業戦略や環境変化、経営者の問題など要因は多岐に亘りますが、私が見聞きした感覚では「ミドルマネジメントの未熟さ」により組織崩壊することが多いのではないかと感じています。

サイバーエージェントの藤田社長が、25、26歳の頃から繰り返し言っていた言葉を思い出します。
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組織が大きくなると、社長の言葉が直接社員全員に届かなくなる。故にマネージャーが必要である。マネージャーは社長の言葉や会社の戦略を、自分の言葉でメンバーに伝えなければいけない。それがマネージャーの役割である。
逆に、メンバー目線で一緒に経営を批判するようなマネージャーは、最悪な存在である。
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そんなニュアンスのことを言ってましたが、まさに藤田社長が言う最悪なマネージャーが跋扈するようになれば、スタートアップは凋落の一途を辿ることになるでしょう。

私の大きな仕事として、ミドルマネジメントの育成が2023年の大きなテーマでした。故にこれまでずっと続けて来た全社員との1on1は希望者だけにして、経営幹部との会議を増やし、部長と毎週1回、マネージャーとは2週間に1回1on1をして対話量を増やしました。ここで経営方針について、経営の意思決定について、日々のマネジメントでマネージャーが悩んでいることなどをテーマに対話を続けて来ました。

それだけが原因ではありませんが、マネージャー達の視座が格段に上がり、表情も発言内容も、振る舞いさえ大きな変化がありました。そしてしばらくしてメンバーにも変化が表れ、組織全体が活性化して来ました。この変化は誰の目にも明らかであり、創業以来、一番組織の状態は良いと言えると思います。

次に取り組むことは、マネージャー候補の育成です。事業と組織はどこかのタイミングで急拡大します。前述の藤田社長のコメントは社員100名の頃から言ってましたが、300人、500人、1000人と続きます。よってミドルマネジメントの育成は永続する会社には絶対的に必要なことと言えます。

長くなりましたが、2023年のテーマであった「盤石」はまだまだ完璧とは言えませんが、一定の効果が出たと思っています。

以上が2023年の振り返りでした。

最後に、2024年はどんな一年にするかについてです。

ZENKIGENの2024年


激動の幕開けとなった2024年。

昨年はSaaSショックが起き、ロシアのウクライナ進行、イスラエル・ハマス間の戦争、北朝鮮の繰り返されるミサイル発射と続き、2024年元旦の地震と航空機事故が起こるスタートとなりました。

昨年の投稿で、「世界的な大激変の2022年でしたが、2023年も複雑性を増し、不確実で近未来を見通すことすら困難な1年になると思っています。」と書いていましたが、その複雑性は益々増して、この1年がどうなるのか予測が一段と難しくなっていると感じています。

こんな時だからこそ、原理原則に立ち返るべきかと思います。より「盤石」な状態を目指し、お客様と向き合い価値を届け続けること。現状維持は衰退の始まりと心得て、新しい領域に積極的にチャレンジすること。キャッシュが切れたらゲームオーバーのため、売上拡大と共にキャッシュインとコストのコントロールを厳密に行うこと。強い経営チームを作るために本音で対話をすること。強いマネジメントチームを作るために体系的に育成と抜擢を行い、先を見据えた組織作りを行うこと。

そして絶対的に行うことは、面接で世界最先端のポジションを獲得したので、今後は領域を拡大することです。採用DXとは採用のやり方そのものを変えることであり、今でも一部貢献できている部分もありますが、日本の採用は、感覚的にはデジタル化は進んだが、まだ50年前とほぼ変わらない採用が続けられており、DXにはまるで到達していないと思っています。

データとAI、アナリティクスというZENKIGENの強みを活かし、50年以上本質的に変わらなかった採用・就職活動を根本からデジタルトランスフォーメーションしていく仕掛けをしていきます。

以上、例年以上に長くなりましたが、2023年の振り返りとZENKIGENの2024年についてまとめました。

これまでと変わらず『テクノロジーを通じて人と企業が全機現できる社会の創出に貢献する』という当社のビジョンの実現に、メンバーと力を結集して邁進して参ります。

株式会社ZENKIGEN                            
代表取締役CEO
野澤比日樹


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