見出し画像

改造人間×ヤクザ×吸血鬼=『BLOODY ESCAPE -地獄の逃走劇-』

2024年1月5日公開『BLOODY ESCAPE -地獄の逃走劇-』の初号試写に行ってきました。

▲ 場所はイマジカ本社の第1試写室。イマジカ試写室は音も映像も良いし最高!

吸血鬼(ヴァンパイア)一族から抜け出してきた”全身兵器”の改造人間の男が、旧友の妹をヤクザから守りつつ地獄のエスケープ(逃避行)という、荒唐無稽なバイオレンス! この”荒唐無稽”は良い意味です。制作スタジオのポリゴン・ピクチュアズは、これまでに『シドニアの騎士』や『GODZILLA 怪獣惑星』など3DCGアニメを精力的に手がけている、このジャンルのパイオニア的存在。個人的にずっと応援している会社です。とにかく独創的な世界観作りが上手い。勿論本作も。

▲ 原案・監督・脚本は『コードギアス』の谷口悟朗さん ©2024 BLOODY ESCAPE製作委員会

東京がそれぞれ「クラスタ」と呼ばれるグループ分けで独立した街になっている世界で、新宿クラスタに流れてきた改造人間キサラギ(小野友樹)。
普通の人間だった頃の旧友クルス(斉藤壮馬)と再会するも、今や彼は新宿のヤクザ一味にいいように使われて、肩身の狭い生活を送っている。クルスから妹ルナルゥ(上田麗奈)のガードを依頼されたキサラギは、ヤクザと吸血鬼集団の追撃を逃れるため、ルナルゥを連れて地獄の逃避行エスケープスに出る――というあらすじ。

ポリゴン・ピクチュアズが手がけたTVアニメ『エスタブライフ グレイトエスケープ』(2022年)の主人公たち”逃がし屋”のメンバーが、キサラギたちを手助けする役割で参戦。人でも物でも、依頼を受けて目的地まで逃がすのが彼女ら逃がしのプロの仕事。このTVシリーズ未見の人でも楽しめるよう作られている映画ですが、『エスタブライフ』を既に観ている人なら、後半のメンバーたちの活躍ぶりが更に楽しめると思います。

『BLOODY ESCAPE』の主人公キサラギは、開巻早々の容赦ないアクションを見ると非情なクールガイに感じられるが、割と人情家で人の心の機微が分かる奴。キサラギを執拗に追うヴァンパイア一族のトップ、転法輪(山寺宏一)も、歌舞伎町のヤクザ共もみんなイカレている。キサラギは危機を切り抜けて、ルナルゥを新天地に送り届けられるのか? この逃避行に絡むジャミ(内田雄馬)はコメディリリーフの役割ですが、足を引っ張るだけの役立たずではなく、意外にやってくれます。

毎回毎回、オリジナリティ溢れる世界観と個性的なキャラクターで楽しませてくれるポリゴン・ピクチュアズの作品。今回も期待通りの出来であります。バイオレンスが凄いのでPG12区分(※12歳以下の鑑賞者は保護者等の助言・指導が必要)での公開。同社の映画前作『大雪海のカイナ ほしのけんじゃ』とガラリと違う舞台ですが、アドレナリンがドバドバ出るタイプの映画であります。

で、最後にちょっと愚痴ですが。
制作スタッフおよび宣伝部からお声がけ頂いた関係者しかいないはずの初号試写中に、何度も、何度も、何度も、何度も、スマートフォンを見ている人がいました。まぶしいから目立つんだよ…。試写開始前に監督を務めた谷口悟朗さんがスタッフを労う挨拶をして、同時に上映中のスマホの扱いに注意していたのですが……。スクリーン中の作品より手元のスマホが気になるなんて、ちょっとなぁ。作品愛がない人があの場にいたのはしごく残念。映画会社のマスコミ試写でも、上映中の試写室でスマホ見てる馬鹿がいますが(試写状をSTOPしろ!)、完成作の初号試写でこういう人がいるのは論外だろうと思います。


【スタッフ】
原案・脚本・監督︓⾕⼝悟朗
共同脚本︓永井真吾
キャラクター原案︓コザキユースケ、しまどりる
CGディレクター︓⼩⼭⽥諭
⾳楽︓中川幸太郎
企画・プロデュース︓スロウカーブ
アニメーション制作︓ポリゴン・ピクチュアズ
配給︓ギャガ
©2024 BLOODY ESCAPE製作委員会