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ラジオで話せなかった安室奈美恵のすごさについて

安室奈美恵のすごさはまだまだある! ラジオで語れなかったもう一つのすごさとは

普段、Webメディアを中心にダンスエンターテイメント系の記事を書いている筆者ですが、先日静岡エフエム放送の方から生放送番組への出演依頼をいただき、電話出演しました。

詳細を書きますと、9月5日に静岡エフエム放送でオンエアーされた"k-mix おひるま協同組合"という番組に出演。この日は【世代間ダンストーク】ということで

「数多くのダンサー・ダンスアーティストに取材経験のある、Webメディア・You Style編集長のNOZOTATSUさん」

という素敵な紹介のもと、ダンスについてコメントするという中々重要な役割を任せていただくという嬉しい内容でした。

加えて、この日は9月16日に芸能界を引退する安室奈美恵をフィーチャーした【安室奈美恵1Day Special】ということで、安室奈美恵のすごさについても語ってほしいという依頼もあり、ダンスと安室奈美恵でお話をさせていただくことに。

出演前に担当者の方と打ち合わせをし、話す内容も入念に決めていましたが、実際に話す時間は約5分。生放送なので状況も尺もその時の状況で変わります。
そんな状況下で、ダンスのことや安室奈美恵のことを話させていただいたのですが、安室奈美恵のすごさという話題で、もう一つだけ語れなかった部分があるので、コラムにしたいと思います。

ダンスライターとしての独特な観点だと思いますので、興味ある方は最後まで見てもらえると嬉しいです。

お昼間協同組合 公式サイト(9月5日分のブログにトーク内容が紹介されています)

https://www.k-mix.co.jp/hirukyo/


安室奈美恵を灯台に例えた話

そもそも、なぜ番組に出演することになったかというと、昨年筆者が"ミーティア"というWebメディアで執筆した「安室奈美恵の引退が、ダンサーに与える影響を考えた」という記事を、担当者の方が見てくれたことがキッカケでした。

http://meetia.net/music/amuronamie-dancer/

そこで、ダンスのことや安室奈美恵のことについて話してほしいとのことでしたが、安室奈美恵について語るのであれば、上記の記事とは違う切り口のすごさを話さなければいけません。
まぁ、そんな決まりはないのですが、ライターの意地!! というやつですね(笑)

ミーティアの記事では「安室奈美恵は、ダンサーにとって夢の職場だった!」ということを熱く語っていますが、今回のラジオ出演では「安室奈美恵は、ダンサーにとって暗い海を照らす灯台」という風に紹介させてもらいました。

・・・。これだけでは意味がわからないですよね。どんな話をしたかというと

バックダンサーを志望するダンサー向けの内容になりますが、ダンサーという仕事は、どうやったら仕事に繋がるのか、どうすればバックダンサーになれるのか、どうやったらお金をもらえるようになるのか、技術をビジネスに変えていく流れが他の職業と違ってかなり曖昧です。
アーティストや芸人みたいに事務所に所属するというわかりやすいルートもないですしね。

つまり、何も行動しなければ実績もお金も生まれませんし、ダンサーとして世にでることはいつまでたってもできないでしょう。

"何をすればいいのかわからない"。そんな状況を"暗い海"に例え、安室奈美恵はそんなダンサーにとって道しるべとなる灯台だという話をしました。

日本のトップアーティストである安室奈美恵を目指すだけで、ダンスを必死に練習し、オーディションをたくさん受け、人脈が広がる。たとえ安室奈美恵のバックダンサーにならなくても、その過程で自分のやりたいダンスやついていきたいと思うアーティストとの出会い、ショーダンサーとしての実力や振付師との技量など、ダンサーにとって大切なものをたくさん得ることができるという意味で、安室奈美恵はダンサーにとって重要な存在なんです。
ラジオに鼻息の荒さが乗っかってやいないか心配になるくらい、語りながらどんどん気持ちが熱くなっていったのを覚えてます(笑)

ただ、筆者は時間の都合上語れなかった、安室奈美恵に対してすごいと思うことがもう一つ残っていました。

メディアで語ったことはないのですが、せっかくなのでコラムにしたいと思います。


まだ、どこにも書いていない、話していない、安室奈美恵のすごいところとは

もったいぶらずに書きますと、筆者が安室奈美恵のすごいと思ったところは"歌詞に気をつけている"ということです。

以下は、NHKの番組"ニュースウオッチ9"のインタビューで語られた内容なのですが、デビューから今までの自身を振り返る中で、お子さんの話になった時にこの話が出てきます。

何をするにも息子がいてという考え方だったので、できるだけ歌詞とかも変な言葉がないかとか注意しながらやっていました。
英語で良くない表現やスラングがあったりとか、教育上良くない言葉がないかを常に考えてました。
私が何かをしてしまうと、彼(息子)が後ろ指をさされてしまうと思って、いつかママの息子でよかったと言われるには、どういう仕事の姿勢でいけばいいのかとか、そういうことも考えつつやってきたと思います。

インタビュー引用:ニュースウオッチ9内 インタビュー

母親として息子を思う気持ちが、楽曲やパフォーマンスに反映されているという内容ですが、実はこの話、ダンスシーンにも通じる部分があるんです。

近年のダンスシーンでは、中学生以下のキッズダンスシーンや高校ダンス部の盛り上がりがすごく、全国で10代向けのコンテストや発表会、ショーイベントが増加。多くのキッズダンサーや高校ダンス部がイベントに出演しています。

そのダンスチームやダンス部を大人のコレオグラファーが指導並びに振り入れをするのですが、ここで歌詞問題が出てきます。

音楽のノリがいい! かっこいい! という理由先行で、英語歌詞の意味を理解せずに、子供に過激な歌詞の内容でダンスを踊らせるということが起こるようになりました。
急に盛り上がったダンスシーンですから、当時はそういった英語歌詞とキッズダンサーに対するコンプライアンスがおいついていなかったこともわかります。しかし、イベントによっては、英語が聞き取れるお客さんから「あんな過激な内容の曲を子供に踊らせるなんて信じられない」といった、クレームも届いたりするほど、考えさせられる事案になっていたのも事実です。

今も完全になくなったわけではないですし、振付師の考えもあるので100%否定できるものではないですが、この件に関して筆者がダンスイベントを取材してきた中で印象的だったことがあります。

2016年に開催された"Shibuya StreetDance Week 2016"内で開催された、高校ダンス部の頂点を決める"SSDW CONTEST"でのことです。

http://meetia.net/event/ssdw2016/

そのコンテストで審査員を担当していた、TRIQSTARという世界的実績を持つダンスチームのだーよしさんが、コンテストの総評として

「洋楽を使っているチームで、振付&衣装が歌詞の世界観に合っていないところがありました。これは振付師の責任によるものですが、ちゃんと歌詞の内容を理解してダンス作品を作らないと伝わりません」

と、厳しめの言葉を投げかけます。

だーよしさんは、マドンナのバックダンサーを務めていたこともあり、海外で活躍しているので、英語歌詞に敏感というのもありますが、プロであれば国関係なく歌詞の意味を理解してアウトプットとクリエイトをすることが、ダンスをする上で重要なことだと注意喚起していました。

そういったエピソードを踏まえると、安室奈美恵の「子供のために歌詞の内容に気をつけていた」というのは、アーティストとしてだけでなく、人間としてのプロ意識が非常に高かったのだなとしみじみ考えてしまいます。
ダンスシーンではここ数年の話ですが、安室奈美恵はお子さんが生まれた時から注意してきたとのことですから、十数年前からずっと意識してやっていたことになります。

そういった意味でも、安室奈美恵というアーティストは、ダンスシーンの先を進んでいたなと筆者は思いました。

本当にすごいアーティストです。

というのをラジオで話したかったのですが、改めてコラムを書いて悟りました。

無理です!!

時間が足りませんね(笑)。それだけ語ることの多いアーティストだということでしょう。

なので、コラムに残しておきます。

本当に安室奈美恵というアーティストが日本に現れてくれてよかったと思う、今日この頃です。

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