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#09 【入院4日目】 MRI

6時頃目が覚める。7時に朝食を食べ、10時ころにまた寝た。


食事は、部屋に持ってきてもらう。脇のテーブルを寄せてベッドを椅子にして食べている。薄味だけど物足りなくはない。


今日はまたMRIがあるようで、昼食はない。造影剤を入れるのだろうか。看護師さんによると、経過説明は担当医に伝えておくとのこと。だけど詳しいことは聞けていない。


夫から、自宅から持ってくる着替えや、しまってある場所を尋ねられる。

夫宛には担当医のK先生から電話があったそうだ。
緊急性はないが、詳細は明日お偉い先生が来てからになるとのことだ。担当医って、そういうもんなのかな。
直接私にも説明が欲しかった。


MRIが混んでいるのか順番がなかなか回ってこない。

眠り過ぎてぼうっとする。

この日はスマホで「海が走るエンドロール」を読んだ。

勢いで、数冊の漫画と化粧水をAmazonで注文する。ベッド周りの物が増えるから途中からkindleにダウンロードしてもらうように頼んだ。


MRIの順番が回ってくると看護師さんではなく、ヘルパーさんがベッドを下まで運んでくれた。

左腕には点滴が刺さっている。担当医のK先生が造影剤用の針を新しく右腕に刺した。肘を曲げると微妙に痛い位置だ。

「旦那さんは会社はこの辺なんですか?」

間を繋ぐため、様子を伺うための他愛ない声掛けだろうけど(なんで今その話?)と内心思っていた。

「〇〇のあたりなので、そんなに遠くはないんです。今はテレワークの日もあるので。病院に来るにも割と融通効くみたいで」

と、寝ながらただ返す。
夫は、会社には「妻が脳腫瘍で倒れた」とそのまま告げていた。私が友人にぼんやり伝えたのとは違う。その方が、会社を抜けやすいからと。
脳腫瘍というワードの印象はやはり、おおごとなのだ。実際、勿論大事なのだが。


また、大きな白い機械に身体が吸い込まれていく。


MRIを行っている頃、こどもたちのインフルエンザの予防接種も無事終わったらしい。夫と息子が協力し、娘に注射とギリギリまで伝えずに小児科に連れていき、終わってからご褒美にすみっコぐらしのぬいぐるみか何かを買ったとのこと。
息子も注射は嫌いだろうけど、やはりちょっぴり大人だ。大変だっただろうな。

予防接種の予約をしたときは、こんなことになっているとは思いもしない。


夕方、入院して初めてシャワーを浴びた。

少しだけスッキリした。

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