(freakonomics視聴記録) “A Fascinating, Sexy, Intellectually Compelling, Unregulated Global Market.”(EPISODE 484)

freakonomicsは、スティーヴン・J. ダブナー(Stephen J. Dubner)というアメリカ人の作家、ジャーナリストがホストをしているラジオ番組のタイトルです。freakonomicsは、日本では「ヤバい経済学」として本になっていますが、オリジナルはラジオ番組です。

以下は、英語の勉強のための個人的記録です。標題の回について要約しています。

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今回は、美術品という不透明で流動性の低いマーケットがテーマです。ディーラー、キュレーター、オークション会社、投機家、アーティストが絡み合います。3回シリーズの1回目です。この回では、それほど有名でなかったアリス・ニール(Alice Neel)というアメリカ人画家がどのようにトップアーティストになったのかを見ていきます。

冒頭は、今年のChristie(美術品オークションハウス)で、マティス、ピカソ、ウォーホルといった有名な絵画にまじってアリス・ニールの作品が高額($2.5 million)で取引されたところからはじまります。アリス・ニールは1984年に亡くなりましたが、生前はそれほど有名な画家ではありませんでした。彼女の伝記を書いたPhoebe Hobanや、メトロポリタン美術館のキュレーターで、最近アリス・ニールの回顧展を企画したKelly Baumが登場してその辺りの状況を説明します。

次に、美術品マーケットを研究している経済学者であるCanice Prendergastや、クリスティーズやサザビーズといったオークション会社で現代美術を扱っていたAmy Cappellazzoが美術品市場の特徴について語ります。業界関係者によれば、美術品マーケットはうそやペテンがはびこっている洗練されてないマーケットだということです。

また、美術品市場を研究している経済学者で、最近「How to Become a Successful Artist」という本を出版したMagnus Reschは、美術品市場規模はとても小さく、わりの悪い投資対象だと言います。全世界の美術品市場規模は600億ドルで、FedEx一社の売上はこの金額以上です。そして、一握りの成功者と、多くの無名の人がいる二極化した世界だと言います。

さらに、Prendergastが指摘する特徴として、この市場は他とは違って匿名ではないということがあります。例えば、メルセデス・ベンツの車はお金を出せば買い手が誰かに関わらず入手できます。しかし、アートの場合は買い手の素性がわからないと売ってもらえません。これは、美術品の市場では、評判やコネが大事だからです。Prendergastはアートの世界には明確なヒエラルキーがあり、画商があるアーティストが有望だと思った場合、それを一番良いコレクションに展示することが大事だといいます。そして、ヒエラルキーのトップに君臨するのがMoMA(ニューヨーク近代美術館)だといいます。

David Zwirnerという画商も同様の意見を持っており、画商はアーティストのマネージャーであり、どうやって売り出すかを考えなければいけないと言います。したがって、作品を売るときには買い手が誰なのかを把握する必要があると言います。

冒頭のアリス・ニールの例に戻ると、David Zwirnerのギャラリーによってアリス・ニールの価値が上がったということです。

ここで、次回に続きます。

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しばらくfreakonomicsの視聴をさぼってましたが、2022年の元旦から更新でき幸先の良いスタートをきれたので、今後もちょくちょく更新していきたいと思います。アリス・ニールについては今回はじめて知ったのですが、ウェブで検索して絵を見てみると、魅力的な作品が多いなと感じました。ちなみに今回の話は、以前に読んだ「ザ・フォーミュラ」にも同様のことが書いてました。

「ザ・フォーミュラ」の読書記録:
https://note.com/noyuki0126/n/n9712a1991328

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